傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

前田元検事の証言、大坪元特捜部長の出版・・・組織から離脱した自己愛(雑感)

2011-12-17 07:26:41 | 検察・メディア

「陸山会」の土地取引で、政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で強制起訴された小沢一郎氏の公判に、証拠FD改竄事件で実刑判決が確定した前田恒彦元検事の証人尋問が行われ、”「自分の調べは問題ないが、特捜部のゼネコン捜査は見立て違いの妄想だった」”、”「捜査には問題があり、自分が裁判官なら小沢さんに無罪の判決を書く」”と述べたと報道。
前田恒彦元検事は、検察組織から離脱の現下で、検察組織批判に遠慮する必要性がなく、検事としての誇りは広言したかったのでしょうね。

小沢一郎氏の第10回公判で、大久保隆規元秘書の聴取を担当した前田恒彦元検事の証人尋問については、産経新聞が記事【小沢被告第10回公判】((1)(11))で、詳細に報道しております。

ブログ「日々坦々」様のエントリー『田代政弘検事による「虚偽記載」と前田恒彦元検事の「暴露」で小沢裁判に新展開!』では、ジャーナリストの江川紹子氏のツイートをも取り上げております。

当方は、前田恒彦元検事の証言で、陸山会事件は、特捜の小沢一郎氏潰しが起点の恣意的な事案だったと、改めて思いました。
前田恒彦元検事が、誰に遠慮なく証言・発言できるのは、証拠FD改竄事件で実刑判決が確定し、前田元検事が自ら”「私は受刑中で社会的にはすでに死人」”と発言しているように、もう、守るべき組織がなくなり、残るのは元検事の面子なり、自分のプライドだけ守りたいという心情と推察しますね。

前日の証人尋問した田代政弘検事の証言は、自分と組織の保身めいた印象があったが、前田元検事は、特捜批判しても怖い物がなく、自分は検事としては、証拠FD改竄事件以外は、誠実かつ優秀だったという思いが本日の証言であり、発言で、自己愛と思いましたね。
前田元検事は、組織の犠牲者の一側面もあるが、真の犠牲者は、特捜に事件の目立てで嫌疑をかけられ人間であり、目立てとおりに冤罪にさせられた人間です。
前田元検事が、特捜批判を雄弁に語っているが、組織犯罪の実行者であったことは事実であり、自己愛の強い人間という印象ですね。

前田元検事が出来る検事だったか疑問ですね。
郵便不正事件を、村木厚子・元局長の冤罪は別にして、偽装証明書の作成した実行犯の上村勉・元係長だけで終息するのは、トカゲの尻尾切りにすぎず、厚生労働省の巨悪を不問で自然消滅するのは、前田元検事の力量不足でしかないのです。
マアー、組織に虚勢された小利口の検事だったに過ぎないのでしょうね。

また、朝日新聞の記事『改ざん事件の元特捜部長が手記「拘束される辛さ知った」』で、証拠FD改竄事件で、犯人隠避罪に問われている大坪弘道・元特捜部長が手記「勾留百二十日」(文芸春秋)を出版したとし、記者会見で、大坪元部長は、”「権力は生身の人を切り刻む。司法に携わる者は、その恐ろしさへのおののきを持たなければいけない」”と述べたと報道。

前田元検事、大坪元部長も現役時には、営々と築かれた官僚組織パワーに虚勢されてき、検察権力の乱用を独善的正義と誤認してきたのです。
証拠FD改竄事件で解雇され、組織から離脱し、初めて組織力の大きさを痛感し、権力の潜在的な怖さを実感したのでしょうね。

当方は、本ブログ「小沢一郎氏事件:指定弁護士が裏金立証しないとなれば、虚偽記載の共謀だけ?(追記)」で、検察が不起訴処分にした「期ズレ」程度の政治資金規正法違反(虚偽記載)の共謀を、1年間、メディアが喧伝してきた「政治とカネ」問題は何だったのか?と書きましたが、本日の前田恒彦元検事の証言に接して、「期ズレ」程度の政治資金規正法違反(虚偽記載)の共謀を、「政治とカネ」問題とし、やれ、小沢一郎氏に、説明責任、道義的責任があると小沢批判を喧伝し、「反小沢・嫌小沢」の世論形成させ、小沢一郎氏を無役の一兵卒にさせ、政治活動を抑制させた責任は、誰が取るのか、与野党の幹部、メディア、司法関係者に問いたいですね。

本ブログ「朝日新聞の22日の小沢一郎氏関連の記事・・・過去を不問の論調」で、
”「朝日新聞は、小沢一郎氏関連の記事が「天声人語」、「社説」、「小沢氏証人喚問」、「耕論:日本史に見る小沢流」と満載であるが、「小沢悪し」の偏向報道記事ですね」”
と朝日新聞を偏向報道機関と酷評しましたが、小沢一郎氏の裁判結果がどうなろうとも、目立てによる小沢事件化へ画策した特捜、検察へ協働したメディアは、微罪程度を「政治とカネ」問題にし、政治を混迷させた責任は大きいですね。

当方は、長い物には巻かれる適当な人間と広言しておりますが、官僚であろうと、サラリーマンであろうと、皆、宮使いの組織人間、会社人間であり、更に、コンプライアンスで抑制されているのです。
組織なり、会社から離脱し、孤軍になり、初めて、本音が言えるのが社会の宿命です。
この硬直化した社会は、「破壊と創造」しかないと思っております。



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