傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

TPP重要5項目の関税撤廃の例外扱い交渉・・・関税云々より海外耕作との競争(2)(雑感)

2014-03-06 12:05:57 | 独り言

日本は、TPP交渉に、重要5項目(コメと麦、砂糖、牛・豚肉、乳製品)を関税撤廃の対象外とし折衝中と報道されているが、牛肉は「和牛 VS WAGYU」の攻防であり、米作については、関税撤廃云々の貿易自由化率より海外耕作による食の安全保障の側面で交渉も一理と思いますね。
2012年11月18日に再放送のNHKのETV特集『地球の裏側で“コシヒカリ”が実る』を視聴し、大規模米作、ブランド米の輸出指向も一理とは思うが、海外での耕作も一理と思いましたね。

NHKのETV特集『地球の裏側で“コシヒカリ”が実る』の番組紹介を転載すると、

”「去年秋から、南米ウルグアイで、日本のおいしいコメ作りに挑んでいる日本人がいる。茨城県に住む田牧一郎さん(福島県出身、59歳)。
今、月に一度のペースでウルグアイに通う田牧さんが目指すのは、「日本のおいしい米を、もっともっと世界に広める」ことだ。
田牧さんは、これまで四半世紀に渡り、アメリカ・カリフォルニア州でコシヒカリの生産をしてきた。当初、イメージ通りのコメが出来ず、悪戦苦闘する中で気付いたのは、「日本では当たり前のように行われているおいしいコメ作りの知恵と技術が、いかに優れているか」ということだった。

その日本人としての誇りを胸に、今度はウルグアイで始めた、おいしい日本の米の生産。いったい田牧さんは、この地球の裏側での挑戦に、どんな魅力を感じ、どんな勝算があると考えているのだろうか。
じつは、田牧さんの米には、すでにアジア地域の業者が買い付けを申し入れている。南米での販売を目指す日系商社も現場を訪れた。
 また、日本大使館では、南米各国の要人を招いた試食会も開かれた。さらに、日本の品種改良研究の第一人者である国立大学の教授も、田牧さんに協力している。
こうした人たちは、ウルグアイでの日本の米の生産のどんな点に、意義や価値を見出しているのだろうか。
番組では、田牧さんの挑戦を追いながら、「日本の米の底力と可能性」を見つめ直していく
。」”

で、田牧一郎氏は米国でコシヒカリのビジネスに成功したが、昨今は生産単価での優位性になくなり、日本とは北緯、南緯の違いがあるが日本の気候風土が似かよう南米ウルグアイで日本流の米作への挑戦を紹介する内容でした。

本ブログ『TPP問題:社会変革の好機であるが、短絡的な農業産業化には違和感』(2011-11-06)で、

”「TPP参加で、農業への破壊、地域社会の破壊となり、食料の安全保障の側面からの反対意見があり、一方、日本の農業は競争力があり、より競争力を高める産業化への転換が不可避という賛成意見があるが、両者とも「一理」ある意見です。
当方は、第一次産業は国の基幹で、想定外の事態が発生しても最低の自給自足できることが最優先課題と思っています。

担い手不足、後継者不足で高齢従事者による農業は、労働集約の兼業産業から競争力のある大規模産業化の意見は、経済性の観点から正論ですが、農業を経済的な競争の観点だけで日本社会を論じるのは近視眼的な意見ですね。
日本社会は、第一次産業を基幹する土着的な地域社会で構成されており、この土着性が日本文化の原点あり、国土保全の基盤です
。」”

と、”「日本社会は、第一次産業を基幹する土着的な地域社会で構成されており、この土着性が日本文化の原点」”とし、

”「地球の人口が70億突破し、今世紀には100億を到達すると言われ、穀物による家畜飼料や、エネルギー化になれば、食料危機は確実であり、農業の崩壊は、国の崩壊につながりますね。
米韓FTAが合意されたとメディアは喧騒していますが、韓国の場合は、競争力UPの農業政策を施行してきたが、本格的な貿易自由化になれば、韓国は食料・エネルギーの輸入するために、工業製品の輸出で外貨を稼ぐ輸出立国が宿命になり、厳しい国家運営になりますね。
また、人口13億の中国が、経済成長で国民生活水準が向上するほど、暴食が加速し、食料・エネルギーの確保の覇権主義が増長するでしょうね。

当方は、如何なる事態が発生しても、食料の自給自足できることが国の基幹という考えであり、農産物は「自産自消」「地産地消」による自給自足が理想であり、TPP参加で、食料の自給自足の体制が崩壊することは反対であり、参加するのが国策ということであれば、第一次産業の保護と競争力ある産業化の分野を分けるべきで、高齢者(U・Iターンを含み)・年金受給者・兼業従事者・趣味の農業従事者と専業従事者の産業農業と政策を分離すべきと思いますね
。」”

と、世界は、中国次第で食糧危機が顕在化が予想され、日本社会は食糧の自給自足が肝要で地域を守る農業と経済原理の農業を一元化の政策を疑問とし、

”「極論を言えば、製造業の海外移転ありきとし、兼業農家に地域を守ってもらい、若い人間は海外でも活躍してもらう事です。
それは、日本を守ることであり、自分の国・故郷・田舎を守ることですね。
人間、自分が生まれ育った場所は、生理的に哀愁を感じ、愛着を感じるもので、そこに親兄弟にいれば、より哀愁を感じるもので、東日本大震災で「地域の絆」が脚光を浴びたが、それは人間の土着性の本能と思いますね。
第一次産業は、土着性に強く関わる生業であり、人間生活を軽視した経済性だけで論じることは違和感を感じます
。」”

と、製造業も、農業も海外生産ありきが日本を守り、自分の国・故郷・田舎を守ることと書きました。

先の本ブログ『牛肉市場の[和牛 VS WAGYU]の攻防・・・関税云々ではなく現場力の競争(1)(雑感)』(2014-03-05)で紹介したNHKの番組『和牛 VS WAGYU~アジア 牛肉市場をめぐる攻防~』の牛肉市場が日本産和牛Vオーストラリア産和牛との攻防と、コメは類似の攻防になるのではないかと推察します。
日本各地のブランド米が海外展開で競争は、海外で日本の米作を意識した海外米との競争になり、各地のブランド米は疲弊するのはないかと懸念しますね。
牛肉が「霜降り」で競争になったように、コメも「おいしさ」の競争は時間の問題で、究極は価格競争なると思われるからです。

NHKの番組『地球の裏側で“コシヒカリ”が実る』で登場した田牧一郎さんのような人物が登場すれば、海外で日本流のコメ作りが常識となり、日本が海外市場を視野に大規模米作による「おいしいおコメ」(安全・安心は当然)では勝ち目があると思えないのです。

日本は、八百万の神の自然崇拝の土着的な宗教に、朝鮮からの仏教の伝来と南方から稲作の伝来で日本社会は形成されてきたので、稲作については、如何なる事態になろうと放棄することはできませんね。
守る農業と攻める農業の観点で、TPP交渉に当たるべきと思いますね。

「追記」

NHKのETV特集『地球の裏側で“コシヒカリ”が実る』で取り上げた田牧一郎氏は、雑誌「wedge」にコラム「world rice」を寄稿しています。

「world rice」の最近のコラムは、『品質高まる米国のコメ 守り一辺倒に未来はない』(2014年03月06日)です。



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