傍観者の独り言

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舛添前厚労相が報告書を非公表・・・既に、郷原信郎氏が批判済み

2009-10-01 11:42:42 | 年金記録

朝日新聞の10月1日付け記事「年金記録改ざん「厚労幹部も責任」 指摘の文書非公表」で、有識者委員会による「厚生年金記録の改ざん問題」の報告書を舛添前厚労相が非公表扱いにしていると報道しています。
郷原信郎氏は、既に、3月に「厚生年金記録の改ざん問題」は、厚生年金制度の矛盾を指摘し、舛添前厚労相の「人気取り」のパフォーマンスと酷評していました。

朝日新聞の記事「年金記録改ざん「厚労幹部も責任」 指摘の文書非公表」を転載すると、

”「社会保険事務所の職員による厚生年金記録の改ざん問題で、有識者による委員会が9月上旬、舛添前厚生労働相に提出した文書が非公表となっている。職員が改ざんをした背景に年金制度の不備があるとして、制度見直しを怠ってきた厚労省や社会保険庁幹部の責任を指摘する内容だ。委員の一部も「公表すべきだ」と話している。

委員会は厚労相直属の「年金記録問題拡大作業委員会」(委員長・磯村元史函館大客員教授)で、弁護士や社会保険労務士ら12人がメンバー。改ざん問題が起きた背景を分析し、「『年金記録の遡及(そきゅう)訂正』に関する作業についてのまとめ」と題する文書を舛添厚労相に提出した。

 委員会は、厚生年金保険法がすべての法人を適用対象としたことに着目。保険料を滞納する零細企業に対して、差し押さえなど強制的に徴収すれば倒産という事態を招く可能性もあり、改ざんした現場の職員が「保険料滞納の解消と、事業所側の倒産回避との板挟みにあった」ことを背景として明記した。

 そのうえで、「制度見直しも視野に入れた根本的検討が必要」「歴代の幹部に、当時の努力不足に対する釈明や現時点での見解の提出を求め、公表すべきだ」などとし、現行制度を放置してきた厚労省・社保庁幹部の不作為責任を指摘している。

 委員会のメンバーの一部が加わった別の改ざん問題に関するチームがまとめた報告書をもとに、社保庁が改ざんに関する内部調査の結果を公表。職員2人(1人は退職)が関与を認めたとして現職1人を処分した。組織的な責任にはほとんど触れなかった。

 複数の委員が公表を前提に内容を確認してきたと言い、委員の一人は「大臣が公表することを想定し、社保庁の事務方とも表現は調整してきた」と証言する。磯村氏も朝日新聞の取材に「(公表するかしないかは)大臣の判断」と語る。

 一方、舛添氏は「必要なものは全部公表している。まとめは委員長の所感だから、ご自由にということ。私は指示していない」としている。

 長妻昭厚労相は就任後、「問題がなければ速やかに公表することが必要だ」と話した
。」”

と、厚生年金保険法の制度が現場から遊離しており、現場職員の「改ざん問題」は必然性があったとし、それらを指摘した報告書を舛添前厚労相が非公表としたと報道しています。
記事にある「委員会のメンバーの一部が加わった別の改ざん問題に関するチームがまとめた報告書」とは、多分、郷原信郎氏が関与したチームと思いますね。

郷原信郎氏は、日経BPサイトに「「年金改ざん」批判は根拠のない「空中楼閣」 バッシングの元凶は舛添厚労大臣の「人気取りパフォーマンス」」で、

”「私は、厚生労働大臣直属の調査委員会の委員として、「年金改ざん問題」の調査に加わった。その結果分かったことは、この「年金改ざん」による社会保険庁職員への非難がほとんど根拠のないものだということだ。

少なくとも、社保庁職員が、国民に実害を生じさせるような「犯罪行為」に関わった具体的な証拠は、調査委員会の調査結果からは何一つ得られていない(標準報酬遡及訂正事案等に関する調査委員会報告書)。

 そればかりか、全国の社会保険事務所で「仕事の仕方」として定着していた「標準報酬月額の遡及訂正」というやり方は、保険加入者間の負担の不公平を防止することにもつながるものでもあった。・・・・
」”

と社保庁職員には、私利私欲の犯罪性のある「改ざん」でなく、「仕事の仕方」として定着していた「標準報酬月額の遡及訂正」であったと語っていました。

そして、社保庁を悪者扱いと増長させたのは、舛添前厚労相の「人気取りパフォーマンス」と言及し、厚生年金制度の現状から遊離した矛盾を別コラムで指摘していました。
当方は、郷原信郎氏のコラムを読み、

本ブログ「郷原信郎氏のコラム「年金改ざん」で舛添厚労大臣批判について(1)」で、
”「舛添厚労大臣直属の厚生年金標準報酬月額改ざん問題の調査チームのメンバーであった郷原 信郎氏が日経ビジネス・オンラインのコラム『「年金改ざん」批判は根拠のない「空中楼閣」 : バッシングの元凶は舛添厚労大臣の「人気取りパフォーマンス」』で、舛添厚労大臣は、「改ざん」の事実を確認することもなく、制度の仕組みを理解することもなく、自らの部下である社保庁職員を「犯罪者」のように決めつけて一方的にこきおろしたことにある。大臣の国民への「人気取り」のパフォーマンスがマスコミのバッシングをエスカレートさせることにつながった。」と舛添厚労大臣の言動を批判しております。・・・」”

、「郷原 信郎氏のコラム「年金改ざん」で舛添厚労大臣批判について(2)」で、

”「郷原 信郎氏のコラム続編『「年金改ざん」を巡る思考停止が厚生年金を崩壊させる』では、社保庁は糾弾されるたびに、一方的に謝罪し、法令遵守の徹底を呼び掛けている間に、社保庁の組織は、どんどん追い込まれ、結局、組織自体が解体されるという事態に至り、信頼失墜を決定的にしたのは、舛添大臣の”「法令遵守」のパフォーマンス”と断言し、それでは厚生年金という制度とその運用に重大な支障を生じさせ、国民全体に大きな不利益をもたらすことになりかねないと危惧しています。

コラム続編『中小企業の実態に合わない公的年金制度の是正を』では、中小企業の実態と不整合の現行の厚生年金制度の問題を提起しています。
「法令遵守」だけでは、「思考停止社会」を助長することになることへの啓発の内容のコラムであり、舛添大臣の「法令遵守」第一では、問題の「本質」の解決にならないと舛添大臣の言動はパフォーマンスとし、断定しています。・・・・
」”

と書きました。
当方は、本コラムまで、郷原 信郎氏は未知なる人物でしたが、時の舛添大臣を「人気取りのパフォーマンス」と酷評するのを見て、私心のない勇気ある人物と関心を持ち、その後、小沢一郎元代表の西松献金問題で、古巣の検察を疑問視する姿勢には、敬服しましたね。

郷原 信郎氏は、コラムで、舛添前厚労相を
”「舛添大臣も含め「人気取りパフォーマンス」で目立っている政治家の名前ばかりが、人気崩壊の麻生首相に代わる「次の総理候補」として急浮上しているというのが、今の日本の政治の悲しい状況なのである。」”
と言及していましたね。

当方は、舛添前厚労相には、「人気取りのパフォーマンス」で国民の人気がありますが、仕事は出来るが野心・野望があり、高慢な人間という印象をもっており、自民党総裁には相応しいとは思いませんでしたね。

長妻新厚労相も、社保庁、ITゼネコン、厚生労働省の積年の不作為の年金記録問題に、異質の厚生制度の矛盾があり、年金記録を奇麗にするには、官僚の抵抗もあり、難渋すると思うが、猛進を期待しています。

それにしても、「仕事の仕方」として定着していた「標準報酬月額の遡及訂正」で、現場職員の一部(2名?)が処分されるのは、不条理ですね。
なにか、小沢一郎元代表の政治資金の虚偽記載という微罪を「極悪」として扱うメディアが大騒ぎしていたのを連想しますね。



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