傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

NHK【追跡!AtoZ】”どうなっているのか?年金記録問題”・・・驚愕の実態!

2009-06-22 04:48:54 | 年金記録

6月13日放映のNHK「追跡!AtoZ」(どうなっているのか? 年金記録問題)は、年金記録問題は、課題が山積の現実のままに、来年1月には、社会保険庁は解体され、新しい組織「日本年金機構」に移行する予定の内容で、「年金」の将来不安が倍増しましたね。
「年金記録問題」が目途がつかずに、100年安心の「年金制度」も1022年には破綻と報道があり、社会保障制度が不安の状態では、活力ある日本の再生は夢物語ですね。

当方は、本ブログ「次回(6月13日)NHK「追跡!AtoZ」(どうなっているのか? 年金記録問題)を期待」で、「期待(?)できる内容みたいですね。」と書きましたが、期待とおりの番組内容でしたが、”唖然””呆然”から”怒り”を覚える驚愕の年金記録作業の現場の実態の報道内容でした。

ダイヤモンド・オンラインの「NHK「追跡!AtoZ」取材班・・・・未処理のまま、回答票がいまだ山積みに!? 年金記録問題「ねんきん特別便」の“その後”」(サブタイトル:「ねんきん特別便」処理現場の最前線に密着)を転載すると、

”「平成19年の夏。「最後の1人まで解決する」――国民の記憶に深く刻まれた、安倍元首相の年金記録問題解決へのメッセージ。
しかし、その期限については明らかにしないまま、国民に“協力”を求める形で、その年の12月から、約1億人に「ねんきん特別便」の発送が始まった。

そして、今年3月末には、舛添厚生労働大臣が「『ねんきん特別便』の処理作業を今年中までに一区切り付ける」と発表。
来年1月には社会保険庁は新しい組織に移行するため、「負の遺産」は積み残さないという国民へのアピールだった。

 だが、政府の読みは甘かった。
この時点で、未解決の「ねんきん特別便」は640万件にものぼっていたのだ。該当者不明といわれる5000万件の年金記録は、この「ねんきん特別便」の回答によってきれいに統合されるどころか、探し出せない記録の山として、新たに堆く積み上がっているという。

本当に今年中に解決できるのだろうか――。
われわれは「ねんきん特別便」の記録照会作業の最前線の現場にカメラを入れることにした。

未処理のまま、段ボール箱で山積み!?
放置された「ねんきん特別便」の回答票

段ボールに入ったままの「ねんきん特別便」回答票の山
 3月。われわれがカメラを入れたのは、神奈川県の横浜南社会保険事務所。
「ねんきん特別便」の処理作業は地域の社会保険事務所で行なわれていると聞いたからだ。
訪ねてみると、担当の職員が案内したのは、奥まった会議室だった。
そこでわれわれが目にしたのは、段ボールに入ったままの、いまだ手つかずの、しかも1年以上も前に国民から送り返されていた回答票の山
その数、2万件以上という。
どうしてこんなところに“放置”していたのか。

 職員によると、2月になって急に、段ボールで次々と回答票が「業務センター」から事務所に送られてきたという。
当時、この事務所では、特別便を専門に対応する職員はわずか2人。
当然、手が回らず、半ばあきらめるように会議室に積み上げるしかなかったのだ。

 このままでは事務所の本来業務に影響する――。
この事態に動いたのが、神奈川県内の事務所を統括する神奈川社会保険事務局。
オフィスビルの1フロアに県内の事務所へ送られてきたすべての回答票を集め、ここで一気に処理を進めようというのだ。

回答票の処理作業をする職員たち

 問題となったのは、「専門知識を持つ人員の確保」だったが、身内では職員7名、OB7名を集めるのが精一杯という状況。
そこで、あとの50名近くは年金知識のないアルバイトや契約職員で対応することにした。
彼らの研修にひと月を費やし、ようやく特別便の処理業務に着手できるようになったのは5月に入ってからのことだった。

 しかし、それにしても何故「業務センター」は、未処理の回答票を各地の保険事務所に送付せず、これほど長期間にわたって抱え込んでいたのだろうか。

予想を超える大量の回答票で「業務センター」は大混乱

「業務センター」は、全国の記録のデータベースがある年金記録管理の心臓部である。
そこでわれわれはここでの取材を申し込んだところ、“総務部長のインタビューのみ”という条件で、取材を許可された。

年金記録管理の心臓部「業務センター」

 総務部長によると、本来であれば、特別便の回答票については、「訂正の必要がない場合→業務センターへ返送」、「訂正の必要がある場合→直接社会保険事務所に持参し、そこで訂正」という手順になっていたという。
しかし多くの国民は、訂正の必要がある場合であっても、業務センターに直接送り返してきたのだ。
それは想像をはるかに上回る量だったという。
予想もつかないことだけに人員体制も取っておらず、そこで改めて業者を入札し、開封・分類体制を整えた時には、すでに半年以上も経ってしまったというのだ。

 舞台を神奈川社会保険事務所に戻そう。
特別便の処理作業はどのくらい進んだのか。

 われわれが再び訪ねると、職員たちは悩ましい事態に直面していた。
回答票で、訂正内容があいまいなものが多いからだ。
例えば、会社名の欄には「カニや野菜を冷凍にする会社」「アパレルメーカー」「紙工場」などと書かれ、住所欄には地名だけで詳しい所在地はなし、就業期間においても「○年春~○年冬頃まで」といった具合に、非常にあいまいな記述になっているのだ。

少ない手がかりを元に年金記録を探し出すには、相当な時間がかかる

 こうした場合、少ない手がかりを元に年金記録を探し出さなくてはならない。
職員は、地域ごとの会社名が載っている名簿や氏名検索簿、古い台帳、あらゆる方法で調査を試みることになる。
が、最後は限界にぶち当たることも多い。
こうしたあいまいな回答は全体の2割以上を占めるという。

 本当に年内に作業は終わるのか。
神奈川社会保険事務局の中村英治局長は、「何とか終わらせることを目標に全職員一丸となって作業を進める」と厳しい表情で語っていた。

保険料滞納企業の増加、職員の相次ぐ退職・・・。
記録問題が現場に及ぼした影響

 その後、特別便の処理作業からは一段落ついたはずの横浜南社会保険事務所。
しかし、取材を進めていくと、この1年以上も携わっていた記録問題の処理作業のために、事務所の現場に深刻な事態を及ぼしていたことがわかってきた。

その1つが、年金制度の根幹業務である徴収部門。
横浜南社会保険事務所では、5人の徴収課員が5500社から厚生年金保険料を徴収している。
徴収率は記録問題が起きるまでは、99%後半台を維持していた。
しかし今年に入り、不況のあおりを受けたことも重なり、滞納額が増え続けているという。

 われわれは、歯止めをかけるべく滞納企業を訪問する職員に同行した。
しかし、各社を回って歩くものの、徴収に長い間行けなかった間に、事業主と連絡がつかなくなっていたケースも多かった。
部屋の中は、もぬけの殻。
差し押さえもできない状況に職員たちは悩まされていた。
「もしもこまめに滞納企業に通っていたらこんなことにはならなかったの・・・」。

 記録問題の作業を優先したことが、皮肉にもわれわれの年金原資を蝕む結果を生んでいた。
ちなみに、神奈川県全体で年間30億円だった厚生年金保険料の滞納額は、記録問題の発覚以降、2.5倍の76億円に増えているという。

 また、保険事務所では別の問題も発生している。
次々と無計画に降ってくる記録問題の処理作業に、将来の展望を描けなくなり、辞める職員が増えているというのだ。
われわれが取材してきた横浜南社会保険事務所では、この半年間で4人が職場を去った。
いずれも30代、40代という年金業務の中核を担う存在だった・・・。

 不足の人員補充はどうするのか。この事務所の定員は27名。
来年以降は新組織に移行する関係で、新規採用は認められない。
期限付きで臨時職員5人を採用したが、年金業務は全くの初心者だ。
欠員分は、結局は周りの職員で支えながら、遅れた本来業務を取り戻さなくてはならない。
こういう状況が続く中、われわれの大切な年金はきちんと管理されるのだろうか。

「今起きている現場のひずみが、将来に残らなければいいのだが」と横浜南社会保険事務所の橋良一所長は心配そうに語った。

社保庁解体、新組織へ。
繰り返されてはならない同じ過ち

 来年1月、社会保険庁は解体される。
この解体に伴い、新しい組織「日本年金機構」では職員の定員を大幅に削減し、外部パワーを活用する計画になっているという。
ところが詳細な方針となると、残り半年を切った今になってもまだ青写真すら描けていない。
新しい組織で、年金記録問題はどう解決させるのだろうか、私たちの年金はどうやって管理されるのだろうか――。

 不祥事が相次いで発覚し、脆弱な官僚組織の体質があぶりだされた年金記録問題。
新しい年金組織では、主役である国民が決して置き去りになってはならない。

(文:番組取材班 渡辺久子)


【お知らせ】
6月24日(水)19:30~NHK総合チャンネル「クローズアップ現代」で『年金記録の回復はどう判断されるのか・第三者委員会の審議にカメラが潜入』をお送りいたします

取材を振り返って  【鎌田靖のキャスター日記】

「記録もれの確認作業や新たに確認された年金の支払いに相当時間を要していることについては、誠に申し訳ないと思っています。ただ、国民の厳しい視線を浴びながら、職員たちは使命感をもって何とか期待に応えたいと懸命に努力しています。そのことは申し上げたい」

 社会保険庁の坂野長官は私たちのインタビューに対して、汗びっしょりになりながら訴えました。
しかし、それだけで社会保険庁や年金記録問題に対する国民の不信感が一掃されるとは思えません。
これまでのシステム自体が問題を孕んでいるからです。

われわれの取材に答える社会保険庁の坂野長官

 そもそもどうして年金記録が問題になったのか。
社会保険庁は、「紙の台帳」で保管されていた年金の記録を「コンピューター」で管理することにしました。
これにより、それまでは年金が変わるごとに複数の年金番号を持っていた人も、ひとつの番号にまとめられました。
ところが記録の管理がずさんだったり、漢字の名前をカタカナで打ち込むときに読み間違って入力ミスが起きたり・・・。膨大な年金記録の処理計画に現場がついていけず、結果的に誰のものか分からない年金記録が5000万件にものぼることが明らかになったのです。
これが2年前。

 この5000万件を解明する決め手として、自分の記録に間違いがないか確認してもらうため政府が1億人に送ったのが「ねんきん特別便」です。
(これとは別に今年4月から現役加入者7000万人の誕生月に送られているのが「ねんきん定期便」。当時の報酬や受け取れる年金の見込み額などを知らせるものですが、それにしてもこのふたつ、分かりにくいですね)。

 ところが、この特別便の処理でも同じような問題が繰り返されていました。
業務センターから現場の事務所に回答票が回送されるのが遅れたり、年金額を計算し直す再裁定の人員が不足したり・・・。
ここでも本庁の処理計画と現場の実状が全くかみ合っていなかったことは番組で紹介した通りです。
こうして確認作業が遅れる間にも、本来受け取れるハズの年金をもらえないまま亡くなる人が出ているのです。
責任は社会保険庁にあると言わざるを得ません。

 来年1月、社会保険庁は解体し、新しい「日本年金機構」が発足します。
「風通しの悪い組織の体質」は本当に改められるのか。5000万件の年金記録問題は解決するのか。そして、少子高齢化が進む中、私たちの老後を支える年金制度はどうあるべきなのか。年金をめぐる様々な問題についてはこれからも番組で“追跡”していくつもりです。

※この記事は、NHKで放送中のドキュメンタリー番組『追跡!AtoZ』第7回(6月13日放送)の内容を、ウェブ向けに再構成したものです
。」”


が、NHKドキュメント番組「追跡!AtoZ]取材班が、ダイヤモンド・オンラインに、放映した内容をウェブ向けに再編集した内容で、概要はわかりますが、やはり、臨場感は伝わってきませんね。

NHKのHPによると、再放送の予定はないとアナウンスしていますが、NHKオンデマンドでは、見られるみたいですね。
参考情報として、

解決見えぬ年金記録問題「追跡!A to Z」配信-NHKオンデマンド

”「社会保険庁の年金記録問題の現状に迫ったドキュメント、NHK総合「追跡!A to Z どうなっているのか?年金記録問題」(6月13日放送)が、NHKオンデマンドの見逃し番組サービスにて配信されている。視聴料は315円(税込み)。

2007年2月に発覚以来、次々にずさんな管理状態が明るみに出てきた社会保険庁の年金記録問題。
2年余りがたったいまだに解決のめどが立っていない。
しかも、2008年12月から発送を開始した全年金加入者に状況把握を求める「ねんきん特別便」の処理も遅々として進んでいない。
NHK取材班が社会保険事務所にカメラを入れたのは今年3月。
そのカメラの前に映し出されたのは、記録修正作業がほとんど進んでいない回答票の入った段ボールの山だった。
この1年余り、何をやっていたのか。
そこには、風通しの悪い業務実態に根ざした、不測の事態に対する見通しの甘さや、後手に回る組織体制などいくつもの問題が横たわっていた。

一方、年金記録の誤りが把握され本人にも通知されながら、修正文支払いが行われていないケースも出てきている。
中には支給を待ちわびながら不幸にして亡くなってしまうケースや、逆に借金を抱え込んでしまうことさえも。
まさに待ったなしの状況がそこにはあった。

さらに、記録修正作業に人を割かざるを得ない保険事務所の末端部では、不況の影響もあって保険料徴収業務に支障をきたすなど、年金制度そのものを揺るがす深刻な問題にまで広がりだしている。

取材VTRを凝視する社保庁トップの頭には何がよぎるのか
。 」”

と案内しています。

上記の案内にある

”『年金記録の誤りが把握され本人にも通知されながら、修正文支払いが行われていないケースも出てきている。
中には支給を待ちわびながら不幸にして亡くなってしまうケースや、逆に借金を抱え込んでしまうことさえも。
まさに待ったなしの状況がそこにはあった
。』”

の内容は、国会でも野党が追及していましたが、業務処理の遅れで、生きている間に、記録訂正された増額年金の支払いを受け取る前に、死亡したり、また、記録訂正後の年金一時金の支払いの予定期日を見込んで、年金を担保(年金受給口座から機械的に返済(引き落とし)される)の融資ローンを申込し、融資金で借金を清算したら、一時金の支払いが大幅に遅れるが、年金受給口座から機械的に引き落としされた生活困窮者を紹介していました。

当方は、本ブログ「次回(6月13日)NHK「追跡!AtoZ」(どうなっているのか? 年金記録問題)を期待」で、年金記録問題は、

当方は、ITゼネコン、社会保険庁、厚生労働省の連帯責任と思っております。
舛添大臣は、強弁で、国会を乗り切っていますが、舛添大臣が、ITゼネコンの人間をデータ変換の専門家と誤認してきたのが、問題だと思っています
。」

と書きましたが、舛添大臣が「私が一番、年金記録問題に精通している」と強弁し、「データ変換」という分野を軽視し、コンピュータシステムを重視した誤認が最大の問題でしたね。

現在の年金記録の照合・消し込み作業(名寄せ・突合)は、コンピュータ上でのデータ(5000万件)だけで、今年に入ってから、紙台帳(マイクロフイルム)のデータのコンピュータデータ化の検討し、作業着手しているそうですが、年金記録問題が発覚した時点で、まずは、データ変換に注視し、コンピュータ・システムと運用体制を検討していれば、2年後の現場は、イメージデータ(紙台帳データ)もコンピュータ上で機械的に照合作業でき、不明データのみを人的作業でした。

返送された「ねんきん得別便」を長期間(数ヶ月)、放置し、今年なり、現場を混乱させ、訂正作業が終了しても、再査定(年金支給額の再算出)の人員不足で、数ヶ月以上も時間を要し、悲劇を発生させているのに、「初めての取り組みであり、想定外であった」「職員は、手抜きせずに、一生懸命に従事している」というのは弁明にならず、来年1月には、社会保険庁は解体し、新しい機構「日本年金」が発足しする際に、年金記録問題の「見切り」の動きもあるが、最大の責任は、中途半端な理解(誤認)を、強弁で、今日まで、推進してきた「野心家」の舛添大臣ですね。

コンピュータシステム屋は、泥臭いデータ変換作業(人的作業)は素人であり、守備範囲から避ける傾向があり、コンピュータシステムだけで解決できることに注力する傾向がありますね。
「ねんきん得別便」は、コンピュータ上のデータを弄くり回すだけで、根源的な解決ではないのです。
NHKの番組を視聴し、それを再認識しましたね。
それを、「野心家」で、「イイカッコシー」の舛添大臣が、コンピュータシステム屋の意見を鵜呑みし、強弁で、ごり押しし、推進してきた責任問題は大きいですね。

そんな舛添大臣が、自民党の総裁候補に名前が挙がるとは、自民党の人材不足の証ですが、2年間の年金記録問題の失策の責任をとるまでは、当方は許容できませんね。

年金記録問題は、原点に振り返り、再検証しないと、国民は納得できないでしょうね。



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