傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

アベノミクスの功罪半ば?・・・副作用(金利高騰)が致命傷になる懸念(雑感)

2013-05-16 05:01:48 | 国家の計

14日の朝日新聞の朝刊1面記事『長期金利が急騰,0.8% 景気冷やす恐れ』で、長期金利の急上昇が景気を冷やす懸念を報道。
朝日新聞は、14日の夕刊記事『長期金利上昇 連日0.8%台』でも、米国や日本の景気回復の期待で、国債を売り、より高い利益が見込める株式を買う動きが続いているとし、15日も、『債権・株ダブル安 長期金利、急騰続く 東証も反落』、『東証一時1万5000円台 長期金利続騰0.9%台』と報道。
長期金利の上昇は異次元の金融緩和の副作用と想定されていたが、いざ、現実になると円安・株高で喧騒しているアベノミクスに将来不安を覚えますね。

アベノミクスが時の利もあり景気回復の期待が高まり円安・株高になり、日本社会は高揚気味で、安倍首相も高支持率で政局もなく余裕を持って政治運営しており、勇み足も散見できるが致命的にならず時勢の模様ですね。
当方が触発されるブログ「社会科学者の時評」様のエントリー『■ アベノミクスの危機 ■ ◎ そろそろ化けの皮がはげてくる ◎  【アベノミクスの本体がみえてきた】』では、第2次安倍政権がかかげる経済政策「アベノミクス」が,日本経済の崩壊に拍車をかける可能性を著した石角完爾・田代秀敏『アベノミクスが引き金になる日本国債暴落のシナリオ』(中経出版)を取り上げ、14日の朝日新聞の記事『長期金利が急騰,0.8% 景気冷やす恐れ』を紹介し、日銀総裁に就任した黒田東彦アジア開発銀行総裁(当時)の発言を引用し、アベノミクスの危険性(アベノリスク)を記述しています。

当方は、金融・財政・税制については疎いが、経験的に、個人であろうが組織体であろうが財政健全化の目処なくして将来は無いという考えであり、円安・株高になろうが歳出が歳入を超える赤字国債体質の限界国家・日本は常識的な改革では通用しないと思っており、アベノミクスには老人性骨粗鬆症に陥った日本社会へのショック効果はあったことは事実であるが、根治に至らず懐疑的です。

国債リスクについては、「日刊ゲンダイ」(2013/4/25)が『国債暴落 金利上昇の危機 始まったバブル30年前と同じ悲惨な道』で、
”「日本で一番大きい地銀の横浜銀行が、(残存期間5年以上の国債)すべて売り払った、と明かしたのだから金融関係者が驚くのも当たり前だ。

「国債」から距離を置き始めているのは、銀行だけじゃない。日本最大の機関投資家である生命保険会社も、今後「国債」を買うつもりはないらしい。生保協会の松尾憲治会長(明治安田生命社長)は、「国債を買うというスタンスは取りにくい。外国債券の買い増しが選択肢となる」と会見でハッキリ明言している
。」”
と報道していました。
 また、NHKスペシャルが『日本国債』(2012年12月23日)でも報道していました。
NHKスペシャルが『日本国債』の番組紹介を転載すると、
”「年々膨れ上がる日本の“国の借金”、日本国債の発行残高が、ついに700兆円を超える。その額は、対GDP比でみると先進国では最も大きい。
莫大な国の借金は、ヨーロッパでは信用不安の原因となり、混乱が続いている。その額の大きさから“薄氷の上にある”とも例えられる日本国債は「安全な資産」として資金が集まって連日高値を記録し、長期金利は10年ぶりの低水準で盤石にみえる。
これに対し、人々の預金を元手に国債を大量に保有する金融機関では、国債価格の下落に警戒を強めている。デフレ対策のため、事実上、国債を買い支えている形になっている中央銀行「日銀」は、購入による副作用を意識しながらも、かつてない額の買い入れを行っている。
そして海外のヘッジファンドの中には、人口が減少し低成長が続く日本は、やがて苦境に陥ると予測し「次なるターゲットは日本国債」と公言しはばからないところまで出てきている。欧州の信用不安。アメリカの景気の先行き不安。こうした状況から、豊富な個人金融資産と対外資産を持つ日本の国債は、今のところ“安全”と見なされて買われている。しかし、ひとたびその安定が崩れれば、財政が悪化し、暮らしに直結する公共サービスが滞り、企業経営、個人の家計にも大きな影響が出るとの懸念もある。
日本国債に今何が起きているのか。番組では、安泰に見える現状の背景で進む大きな変化を、ドキュメンタリーとドラマで多角的に描く
。」”
と。

要は、日本国債は機関投資家も銀行も冷ややかで、海外ヘッジファンドは日本国債で一儲けを企んでいるおり、円安・株高は日本国債離れの背中を押しているのであり、特に、海外ヘッジファンドは、過去、日本国債で一儲けを何回もの企ては全て不調に終わっているが、この度は、国民の金融資産も限界に近づいており、国内銀行も側面的貢献が想定され国債リスクの危険度は現実を帯びてきたという印象です。

日本国債リスクについては、諸々で問われており、浅学の当方も本ブログで取り上げてき、本ブログ「NHKスペシャル:「借金862兆円はこうして膨らんだ」を視聴して・・・限界日本!」(2010-11-09)で、日本は累積赤字国債の返済能力を失った「限界国家・日本」に到来したとし、本ブログ「消費税問題:高齢少子化社会が最大の課題」(2009-08-15)で、財政再建には高齢少子化社会が最大の課題と書いてきました。

アベノミクス(金融緩和、財政出動、成長戦略)は景気回復の常套手段で否定しないが、歳入と歳出の逆サヤの現下において、NHKスペシャル「日本国債」で取り上げていましたが、国債発行の責任者の財務省 国債企画課 斎藤通雄課長の”「過去の負の遺産による国債の発行、毎年の新しい予算に伴う国債発行、この両面どちらも巨額の国債発行を余儀なくされている」”の言葉を紹介していました。
この過去の借金を新たな借金で返済に充当する自転車操業は、借金できる担保がなければ新たな借金ができないのが世の常識であり、新たな国債発行できるのは国民金融資産が担保相当になっているからですね。
高齢少子化社会で国民金融資産の担保相当も限界にきており、限界国家が顕在化しつつありますね。
更に、国債は金融商品となっており、金融機関の総資産の1/5になっており、国債の値動き次第で多額の損失を被るリスクがあります。
凡人の神経では、神経衰弱になる事柄なのに、アベノミクスに高揚している日本社会に不安になりますね。
いつまでもあると思うな親と金 いつまでも無いと思うな運と災難」ではないが、堅実な国家の計の策定を望みますね。

当方は、老人性骨粗鬆症に陥った日本社会の将来不安を痛感しており、世界は、戦後の資本主義が歪が現れ、新たな「弱肉強食」時代が到来しており、常識的な手段(政策)では根源的な解決できず、日本社会は「破壊と創造」(構造改革)が不可避とし、新たな「国家の計」が不可避と思っております。

12日放送のNHKスペシャル「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオⅡ」(第2回 新成長戦略 国家の攻防)で、過去の日米貿易摩擦、日米半導体交渉を取り上げ、アメリカより日本の特定(ターゲティング)の産業政策を批判され、韓国・台湾に躍進の機会を与え「失われた20年」の遠因となったと。
安倍首相は、戦後のレジームからの脱却・美しい国へと掲げておりますが、戦後のレジームが何を意味するのか曖昧ですね。
戦後の体制は、アメリカ先導・アメリカ追随・隷属であり、安全保障の日米同盟は現実解であり否定しないが、日本はアメリカの経済外交・アメリカ市場を鑑み日本の産業政策のブレーキになったことは否めませんね。

前述のNHKスペシャルが『日本国債』で、日本国債の投機の対象とするアメリカのヘッジファンドを紹介していました。
番組では、2011年2月、アメリカの経済専門放送の特集番組「SAYONARA、JAPAN」で、好調なヘッジファンドが「何年も前から日本の借金は返済できないレベルにある」とし、日本の人口減で税収の落ち込みに注視し日本国債の価格が下落し金利上昇で利益が出るように相場をはっているとし、その意見に同調する投資家は金利1.8%で利益が出始め3%で巨額の利益を転がり込むと紹介していました。
安倍首相は、戦後のレジームから脱却と掲げながらアメリカ追随体制を堅持し、そのアメリカでは、日本国債の異変を待ち受けているのが現実のマネーパワーゲームなのです。

当方は、日本はアメリカのご機嫌を伺う宿命(体質)で今日に至ったことは全面否定できないが、世界は多極化し新たな大競争時代に突入しており、日本は高齢少子社会(老化)が進行中で、昨年まで円高で1人負けしていた日本が今年の異次元の金融緩和で円安・株高で喧騒する虚業と実業の乖離に不安を覚える昨今ですね。
内在する課題は明白なのに、表層症状で一喜一憂する日本社会の将来不安を覚えますね。

それにしても、絶好調の与党に対抗する有力な野党が存在しない現状を鑑みすれば、菅・野田民主党は国賊者としか思えませんね。
赤字国債の発行を財政法で原則禁止されており、過去40年間、政府は1年限りの特例公債法で赤字国債を発行してき、特例公債法で赤字国債発行の抑制・緊張させてきたが、野田前首相は、確か3年間、特例公債法を凍結させ、予算策定の国会機能を低下させた主犯です。
借金している人間が想定外の事柄で出金せざるえなくなった場合に、如何に、新たな借金に苦労し金策に行き詰まり自殺する人間もいるのです。
現在、緊張感の無い国会を垣間見すると、民主党に腹が立ちます。



【付記】

Business Journal(4月26日)
生保、金利低下で国債圧縮・外債シフト・円安後押し」報道に、生保首脳から異論噴出

”「日銀が4月初旬、大規模金融緩和を実施して以降、為替市場は円の全面安の局面が続き、100円の大台に迫った。この間に、市場を駆けめぐったのが、生命保険各社が資産運用計画を大転換し、国債を圧縮、外債買いに一気にシフトするのでは--との観測だ。この話はまことしやかに伝わり、円安進行に一層の拍車をかけた。生保各社の幹部は「ありえない話」と戸惑いを隠さないが、そこで一体、何があったのだろうか?

 日銀の大規模金融緩和の発表以降、生保各社が頭を悩ますのが国債市場の金利だ。国債は生保各社の資産運用の約半分を占めるが、日銀が毎月の新規国債発行額の7割を買うとの方針を表明したことで、長期国債の金利は低下。生保関係者は「金利を云々する前に、そもそもわれわれは市場から押し出されてしまった」と嘆く。

 こうしたなか、市場の注目を集めたのが新聞各紙の報道。なかでも日本経済新聞は、市場や業界関係者の談話を盛り込みながら、「生保マネーが国債を圧縮し、外債買いに動いている可能性が高く、その動向を世界が注視している」と報道した。生保が円安を後押ししているような印象を強烈に与えたのである。

 確かに、長期国債の利回りが見込めなければ、各社は運用の利回りが保険契約者への予定利率を下回る「逆ザヤ」状態に陥る。逆ザヤを恐れた生保が国債を売却した資金を外債に流しこむというのは、門外漢からすると理解できる筋書きだ。単純に、円安がさらに進行する前提で、外債を大量に買いに動けば、為替差益を得ることができるからだ。

 この報道に生保首脳は怒りを隠さない。「これまで持っていた国債は(利回りが)一定程度保証されている。常識的に考えて、それを売って外債を買うわけはない。投資ファンド筋か何かがデマを流し、それにマスコミが踊らされている」

●生保保有の国債は満期保有がほとんど?

 生命保険協会の調べでは、国内生保43社合計の1月末の国債の運用高は145兆円。そのなかでも機動的な売買を前提とした会計上の区分の国債は、地方債などと合わせた額が大手4社で合計17兆円程度。最大手の日本生命保険は1兆円にも満たない。「生保の国債は満期保有目的の所有がほとんど。流動性が高い国債の割合は多くない」(格付け会社アナリスト)というわけだ。 

 東日本大震災後に円高が進んだ際にも噂されたのが生保マネーの動き。被災者への保険金を払うために、生保が外債を売り、原資にあてたという話である。前出の首脳は「現金資産もあるし、売るにしても国債を売れば問題ない。どこから出てくるのかわからない話」とこれを一蹴する。

 別の生保幹部は「国内43社だけで300兆円以上を運用する生保だからこそ、市場を動かすのに都合良く材料にされている。だが、われわれの資産保有は長期がほとんど。しっかりと運用方針を世間に伝えてこなかったことも悪いが、ことあるごとにこんな話を流されては……」とこぼす。

 生保各社は4月下旬に今年度の運用計画を発表する。日銀の想定外の動きで、青写真の修整を迫られるのは確か。だが、関係者の話を総合すると「極端な資産の圧縮や買い増しはない。様子見だろう」というのが各社の一致した資産運用の方向性のようだ。

 というのも、国債で稼ぐはずだった運用益をどう補うのかは課題だが、すでに所有している外債が円安で想定以上の含み益を生んでいる。「運用部門は、本当は何もしなくてもよい状態だろうが、何もしないと仕事をしてないと思われるから、少し外債を買い増す程度では」(中堅生保関係者)との軽口も聞こえる。経済環境が不透明な現段階で、リスクを負って無理をする必要性はないというわけだ。

 したたかな「生保マネー」の動きは、経済情勢が落ち着く7月の参院選後が焦点となりそうだ。
.江田晃一/経済ジャーナリスト
」”


NHKニュース(4月30日 4時25分)
住宅ローン 金利上昇懸念で固定金利の選択増加

”「住宅ローンの金利が低い水準にあるなかで、ローンを借りる人の間では、将来の金利上昇を警戒して固定金利の住宅ローンを選ぶ人の割合がこのところ増えています。

日銀による金融緩和の影響は住宅ローンの金利にも及んでおり、過去最低の水準近くまで下がっています。こうした状況であれば、従来、住宅ローンを借りる人は、この先も低金利が続くとみて経済情勢に応じて金利が変わる変動金利のローンを選ぶ人が多くなっていました。
しかし、日銀が2%の物価目標を打ち出したことし1月からは、契約時の金利で返済額を確定できる固定金利を選ぶ人が増えています。
みずほ銀行では、去年12月の時点で固定金利を選んだ人の割合は15%程度でしたが、先月は30%程度とおよそ2倍に増えました。このほか、三井住友銀行」でも同じ期間で2倍に、三菱東京UFJ銀行は1.5倍に増えています。
こうした背景には、日銀が2%の物価目標に向けて金融を緩和していけば景気回復が進み、いずれ金利も上昇すると警戒する人が増えていることがあるとみられています。
みずほ銀行ローン業務開発部の岡村真也調査役は「実際に株高や円安が進んでいることが将来的な景気回復や金利上昇を連想させており、金利が低いうちに返済額を確定させたいという要望が数多く寄せられている」と話しています。

住宅ローン金利、4カ月ぶり上昇 日銀の思惑とは逆に

 国内の大手銀行は5月から、住宅ローン金利をそろって引き上げる。期間10年の固定金利ローンの場合、0・05%幅高い年1・40%(最優遇金利)となり、昨年10月以来7カ月ぶりの高さになる。日本銀行は金融緩和で金利を下げ、景気を良くしようとしている。しかし、思惑とは逆に金利が上がってしまうという皮肉な事態だ。

 大手銀行は毎月金利を見直している。最も信用力の高い人に貸し出す最優遇金利は、1月に年1・35%へ0・05%幅上がり、その後横ばいが続いていた。これが4カ月ぶりに上がる。
 大手銀が住宅ローン金利を引き上げるのは、長期金利が上昇しているためだ。満期が10年の国債の利回りは、3月後半は0.5%台前半だった。4月4日に日銀が大規模な金融緩和策を打ち出すといったんは、0.4%台後半に下がった。しかし、その後1週間でじわじわ上がり、0.6%前後で取引されているが、3月時点より水準は上がっている。
 日銀が金融緩和のために国債を大量に買うため、国債は上昇(金利は低下)するとみられていた。しかし大手銀行などが、今後の金利低下を見越して、逆に国債を買うことを手控えたことで、国債価格が下がる(金利は上昇)事態になっているためだ。今後の金利上昇を見越して、固定金利ローンの利用者も増えているという。三菱UFJ銀行では、今年1~3月は昨年10~12月より1.5倍に増えた。(渡辺淳基
)」”

NHKニュース(5月1日 4時20分)
大手銀行 住宅ローン金利引き上げへ

”「大手銀行各行は、指標となる国債の金利がこの1か月の間にいくぶん上昇していることなどを受けて、固定期間が10年の住宅ローンの金利を、最も優遇される場合で0.05%引き上げて年1.4%とするなど、固定タイプの住宅ローンの多くについて、今月、金利を引き上げます。

住宅ローンの固定金利は、各銀行が10年ものの国債の金利である「長期金利」を主な指標に、毎月決めています。
この長期金利は、日銀が先月、大規模な金融緩和を決めたあと、一時、過去最低の0.3%台まで低下しましたが、このところ0.6%前後となっていて、0.5%台半ばで推移した3月下旬と比べいくぶん高くなっています。
これを受けて、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、それに、りそな銀行は、利用者が多い固定期間が10年の住宅ローンについて、最も優遇された場合に適用される金利を、先月より0.05%引き上げ、今月は年1.4%とします。
また、ほかの固定タイプの住宅ローンについても、多くの商品で金利の固定期間に応じて0.05%から0.11%、金利を引き上げます。
一方、変動タイプの住宅ローンについて、各銀行は、指標となる「短期金利」が引き続き低い水準で推移していることから、最も優遇された場合に適用される金利を、年0.875%で据え置くとしています
。」”




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