不飲川・文禄川・室戸川

2010年09月04日 | 滋賀百川








【不飲のまず川】



滋賀県愛知郡愛知川町、彦根市を流れ、
琵琶湖に注ぐ川。一級河川の起点は愛
知郡愛知川町愛知川の中川原、流原川。
愛知川町西部で愛知川の東方沿いを北
流、彦根市に入ってからは北西流し彦
根市柳川町の柳川漁港で琵琶湖東岸に
注ぐ。20号柳川能登川線が沿う田園地
帯のクリーク。愛知川の名産、
びんて
のモニュメントが載っている不飲
橋を渡ると中山道は不飲橋の信号で国
道と合流する。



【文禄川】

宇曽川を南北に琵琶湖に流入する川が
数本ある。宇曽川は愛荘町・東近江市
境の山中に発し西流、宇曽川ダム
(ロ
ックフィルダム)
に水を溜めたあと、
愛荘町に扇状地を開く。以降は北西流
し愛荘町を貫流、豊郷町と愛荘町の境
を流れ彦根市に入り、荒神山の東縁を
めぐり彦根市三津屋町と須越町の境で
琵琶湖に注ぐ(河口右岸に宇曽川漁港。
一級河川の起点は東近江市下一色町
(旧
湖東町地区)
の押立山・内奥山、愛荘町
松尾寺(旧秦荘町地区)の秦川)。その
一つが文禄川で、愛知郡愛知川町長野
の、愛知川と宇曽川が近接して流れる
あたりに発し彦根市南部を北西流、薩
摩町と石寺町の境で琵琶湖に注ぐ(一
級河川の起点は彦根市野良田町の東川、
平貝)。



※宇曽川は、古くから水量豊富で舟運
が盛んであったために”運槽川”と称
し、時の流れと共に転訛して「うそ川」
と呼ばれるようになったといわれる。



【室戸川】


彦根市南部を流れ、琵琶湖に注ぐ川。
一級河川の起点は彦根市薩摩町美ノ淵、
高畔。田園地帯のクリーク。これ以外
に八坂町~須越町~石寺町~薩摩町の
湖岸には大川、石川、今川などの小さ
な川が流入し荒神山を背景とした独特
の景観をつくり四季折々楽しめる。





山崎山城址

 



彦根市南部の湖岸近くに所在する荒神
山の南東側に位置する比高50m程度の
小さな独立丘陵。

山崎山城跡は発掘調査の結果、尾根の
中央に大きな堀切を設け、その東側半
分(東西約90m、南北約20m)を城
域とする小規模ながら、石垣を設けた
戦国期の城であることが分かり、また
石垣は、西側斜面と、掘切に面した尾
根のもっとも高い位置を中心に2~3
段残され、掘切に面した高所は石垣が
方形に巡っており、入口を固める桝形
であったと考えられている。

石垣は、いずれも自然石を粗割にした
石材を横位に置き、目地が通るように
積み上げ、隙間には間詰石が裏面には
栗石が詰められ、石垣は、郭の高低差
や栗石の残存状況から、本来は2.5m
程度の高さであったされる。

いずれにしろ、彦根のこの地区の景観
が欧州風の田園都市空間に似ているよ
うに思えるといっても、景観の将来が
良くも悪くも住民本位にあるというこ
とに違いはないのだろう。

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※「不飲川 流域治水を考える会
※「湖東土木事務所 組織目標


安食川

2010年09月02日 | 滋賀百川









滋賀県彦根市を流れる、琵琶湖に注ぐ川。
一級河川の起点は彦根市安食中町護葉上
の沢。南西流し、彦根市須越町で琵琶湖
東岸に注ぐ。近くの県立大学では、亀山
小学校の脇を流れるこの川の水質調査を、
本校生徒が児童に指導しているという(
採水方法・パックテストによる化学物質の
濃度測定・プランクトンネットによる水生
生物の採取方法と顕微鏡 による観察)。




河川スケールでは並行し流入する宇曽川
に比べれば小さいが荒神山や山崎山そし
て不飲川、曽根沼、多景島と琵琶湖の景
観が絶妙で、秋の稲刈りがはじまり天気
の良い黄昏時に訪れ、八坂町・須越町か
ら多賀・鈴鹿山系方面に向けて黄金の瑞
穂を見る絶景は全国一だろう。

 



彦根市内における琵琶湖内の地形は沿岸
部から多景島までが緩やかな傾斜となっ
ており、最大水深は約40mである。湖底の
底質環境は砂、砂泥、泥などで構成され、
深度3~7m 付近ではクロモ、センニンモ
などの沈水植物がところによって繁茂し
ている。また湖岸形態をみると、そのほ
とんどが砂浜護岸で形成されており、一
部が抽水植物護岸、岩石護岸、人工湖岸
で形成されている。琵琶湖内ではこれま
でに55種程度の魚類の生息が確認されて
おり、13科37種・亜種が確認されている。
琵琶湖で確認された魚類は、アユをはじ
めとして琵琶湖固有種・固有亜種である
ビワマス、ホンモロコ、ニゴロブナ、ス
ゴモロコ、デメモロコ、ビワヒガイ、イ
サザ、ウツセミカジカが構成種に含まれ
ていることが特徴的であるといわれてい
る(※「淡水魚類」)。

 ウツセミカジカ

 カワニナ(川蜷)

ウツセミカジカは琵琶湖水系にのみ孤立
して分布し、また近年における湖の富栄
養化およびブラックバスなどの外来性捕
食魚の個体数増加などにより、その生息
環境の悪化が進行している。また、多景
島周辺に棲息するカワニナ(川蜷:学名
Semisulcospira libertina )は、カワニナ科に
分類される巻貝の一種。東アジアの淡水
域に棲む細長い巻貝で、ゲンジボタルや
ヘイケボタルといった水生ホタル幼虫の
餌としても知られている。広義にはカワ
ニナ科 Pleuroceridae に属する淡水性巻貝
の総称としても用いられる。琵琶湖水系
では、独特な種分化を遂げた16種ものカ
ワニナ類が固有種として知られる。




この多景島は、竹島・武島とも呼ばれて
いるが、滋賀県彦根市八坂町の沖あいに
位置する。1655年(明暦元年)に長浜・
妙法寺僧慈雲院 日請上人が島内に日蓮
宗見塔寺を開寺する。島内全域が見塔寺
の敷地になっている。島全体が花崗岩で
形成されている。島名の由来は、島を眺
める方向によって多様な景色に見えるこ
とから多景島と呼ばれる