長浜周辺の河川

2010年09月21日 | 滋賀百川








長浜市は北滋賀最大の河川、姉川が北
辺境界に引っかかるように流れている
が、米原市の天野川に挟まれるかの琵
琶湖東岸に小さな10数河川が流入し水
辺を形成している。



【琵琶田川】

滋賀県坂田郡近江町を流れる、琵琶湖
に注ぐ川。一級河川の起点は坂田郡近
江町顔戸(ごうど)の中町。西流し、
高溝・宇賀野地区を貫流し、宇賀野の
西端・道の駅近江母の郷の北・神明キ
ャンプ場そばで琵琶湖東岸に注ぐ。河
口左岸側に道の駅近江母の郷。広い農
地の中を流れる、クリーク状の川相。
堤は高くない。川岸は緑に覆われ、河
床にはヤナギ等が点在する。

【土川】

湖北地方を流れる、琵琶湖に注ぐ川。
長浜市常喜町(じょうぎちょう)の熊
岡神社付近に発し南流、北陸自動車道
神田PAの東で前川を合わせるあたり
で西に転じ、坂田郡近江町北部を流れ、
湖畔を走る2号大津能登川長浜線
(さ
ざなみ街道)
の土川橋をくぐってすぐ
琵琶湖東岸に注ぐ。一級河川の起点は
長浜市常喜町の熊岡山・曲り込田。

【深町川】

湖北地方を流れる、琵琶湖に注ぐ川。
一級河川の起点は坂田郡近江町長沢の
木の根。長浜市田村町で琵琶湖北岸に
注ぐ。河口左岸に県立長浜ドーム。

【五井戸川】

長浜市を流れる、琵琶湖に注ぐ川。長
浜市石田町に発し曲折しながら南西流、
高橋町の湖周道路五井戸橋下で琵琶湖
に注ぐ。水源は石田町の石田溜。八条
山公園の北を過ぎ、長浜南中学・長浜
病院の南を流れ、さいかち浜に注ぐ。
源流部は石田三成出生地。川そばの道
には「三成公グリーンロード」という
名がついている。下流部の川相は三面
張りの都市河川であるが、川を利用す
るための階段が付けられた個所もある。


【長浜新川】

長浜市を流れる、琵琶湖に注ぐ川。長
浜市街を流れる中小河川の洪水対策と
して近年新しく開削された。薬師堂川・
十一川・米川などの規模は小さいが蛇
行して流れるため出水時に浸水等の被
害を出す川を、国道八号線の東で新川
に導き琵琶湖に放水するために計画さ
れたもの。2003年5月現在、新川源頭は
長浜市宮司町のアルプラザの南となっ
ている。流路は宮司町から一旦南下、
大辰巳町で南西に向きを振り下坂浜町
で琵琶湖に注ぐ。長浜新川では、新開
削の放水路に「
コンクリートの見えな
い川づくり
」をコンセプトに植生がデ
ザインされている。大型の連結ブロッ
クを用い間を川土で埋めて作ったもの
で、時を経て在来の草が生い茂る河原
となっている。流路も自然に蛇行し、
緩急がつけられている。



【薬師堂川】

一級河川の起点は長浜市宮司町
(みや
しちょう)
十郎、北十郎。長浜市街地
南部に
長浜新川が開削されていて、元
の流路はかなり変更されている。中流
部の宮川陣屋跡付近や、市民体育館の
東、および最下流部の下坂浜町の長浜
水道企業団の北・びわこ大仏の南で琵
琶湖北岸に注ぐ姿が僅かに残されてい
る(
支流:山路川→一級河川の起点は
長浜市大戌亥町の上の田。薬師堂川に
注ぐ。山路川も長浜新川開削によりか
なりの変更を受けている
)。




【十一川】

長浜市を流れる、琵琶湖に注ぐ川。一
級河川の起点は長浜市田附町八田ノ切。
長浜市街地中央部を西流、朝日町と平
方町の境で琵琶湖北岸に注ぐ。上流部
は用水路様、下流部では三面張りの都
市河川。


【米川】

長浜市を流れる、琵琶湖に注ぐ川。一
級河川の起点は長浜市川崎町の羽織町。
源頭は長浜市北東部の東上坂町の姉川
扇状地。南西流し、長浜市中心部を流
れ、長浜城の南・港町と朝日町の境で
琵琶湖北岸に注ぐ。全長約2.5km、流域
面積約9平方km。川相は上流部は農地を
流れる用水路状、中流は市街地を流れ
る都市河川、下流においては舟運にも
利用された掘割と、変化を見せる。流
域の元浜町には往時を偲ばせる風景が
よく残され、近年では「黒壁スクエア」
として観光スポットとなっている。


 
【大井川】

東上坂町付近から姉川左岸沿いを西流、
長浜市北部を貫流し祇園町と相撲町の
境で琵琶湖に流出する。川相は、農地
の中を流れる用水路状。堤は高くない。

【相撲川】

賀県長浜市北部の入江状水路。長浜市
相撲町(すまいちょう)西部の緑ケ浜地
区にある。

【川道川】

長浜市から東浅井郡びわ町へ流れる、
琵琶湖に注ぐ川。姉川扇状地を流れる。
びわ町川道地区の農地の中を条理沿い
にときに曲折して流れ、びわ川道工業
団地を貫流し琵琶湖に注ぐ。注ぎ先の
湖岸はヤナギが多く生えた砂泥型の岸
辺。下流部の河床には水生植物が繁茂
し、ヨシキリ等の野鳥の繁殖が見られ
る。

【姉川】

湖北地方を流れ琵琶湖に注ぐ、湖北最
大級の川。伊吹町北境の伊吹山地・新
穂山(1067m)付近に発し、中津又谷
(本
谷)
・七戸山谷・矢谷・向山谷などの
水を集め伊吹町北部の山峡を南流、伊
吹町伊吹からは向きを西に変え坂田郡
山東町との境を流れ、東浅井郡浅井町
と長浜市の境をゆるやかに蛇行しなが
らなお西流、東浅井郡虎姫町南縁を過
ぎ、東浅井郡びわ町で高時川を合わせ
南西流、びわ町南浜で大規模な三角州
を形成し琵琶湖北岸に注ぐ。一級河川
の起点は坂田郡伊吹町甲津原の中津又。
全長約39km、流域面積686平方km。

【田川】

東浅井郡浅井町谷口地区北境の山中に
発し南流、上野地区西部と木尾の境の
込田川を合わせるあたりで西に転じ、
東浅井郡湖北町留目)地区に入り、そ
の西境で向きを南西に変え東浅井郡虎
姫町に入り、町北部を流れ、虎姫町長
田と東浅井郡びわ町錦織の境で高時川
をくぐり西流、びわ町八木浜で琵琶湖
北岸に注ぐ。河口左岸には八木浜港。
一級河川の起点は東浅井群浅井町谷口
の西山。


高時川との交差では田川がカルバート
により高時川の下をトンネルでくぐる。
この立体交差はデ・レーケにより設計
されたもので、明治初期に工事が行わ
れた。もともと高時川・田川・姉川は
現在田川カルバートのある付近で三川
合流していて、流送土砂により川底が
高くなり豪雨時には田川への逆流を起
こし被害を出していた。これを解決す
るため作られたのが田川カルバートで、
当初は木樋だったがその後煉瓦作りと
なった(現在はボックスカルバート)
日本のカルバートとしては最古クラス
という。




【中川】

滋賀県東浅井郡びわ町を流れる、琵琶
湖に注ぐ川。一級河川の起点はびわ町
落合の大町・市の坪。中川放水路を分
流、琵琶湖北岸に注ぐ。



【丁野木川】

東浅井郡湖北町から東浅井郡びわ町に
かけて南西流し、びわ町安養寺と益田
の境で琵琶湖北岸に注ぐ。下流部で益
田川が流入。丁野木川は、高時川幹線
用水路によって灌漑される湖北の野を
流れる。川相は用水路状で、堤は高く
ない。河畔には桜が密に植えられ、広
大な農地の中にグリーンの帯を形成し
ている。



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※「
川の災害情報
※「
湖北野鳥センター
※「
長浜市市民生活/環境保全課



【エピソード】     

    



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【注釈】

今回も足早に主だった長浜市内の川を
観てきた。帰りに「石田神社」に参拝
したが、湖岸の水辺景観は優れている。
来年度のNHKの大河ドラマは小谷城を舞
台とした『お江』がはじまる。歴史上
の舞台に登場する長浜市の観光・環境・
文化財の価値は益々重要となるに違い
ないが、ミシシッピニオイガメなどの
外来種の繁殖等の問題もある。水辺の
考察については、一旦、一周全体を俯
瞰した後改めて個別に深めてみようと
思う。

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八幡山周辺の河川

2010年09月17日 | 滋賀百川






近江八幡市は、滋賀県中部、琵琶湖東岸
に位置する市。2010年3月21日、近江商
人と水郷で有名な(旧)近江八幡市と
安土城で有名な蒲生郡安土町が合併して
成立した。近江八幡市は、豊臣秀次が築
いた城下町を基礎として、近世は商業都
市として発展。近世の風情がよく残る「
新町通り」・「永原町通り」・「
八幡堀
辺」・「
日牟禮八幡宮境内地」は「八幡
伝統的建造物群保存地区
」として国の
要伝統的建造物群保存地区
選定されて
いる。

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【大同川】



滋賀県湖東地方(東近江市)を流れる、琵
琶湖に注ぐ川。一級河川の起点は東近江
市五個荘伊野部町(旧五個荘町)の井ノ下、
建部下野町(旧八日市市)の中王堂。愛知
川左岸地域を流れるクリークで、全長約
19km。愛知川、伊庭内湖、西の湖、安土
山、八幡山に囲まれる河口では3月ごろ
になるとホンモロコの釣り場となる。

全般に平坦地で、鈴鹿山系に源を発する
諸河川により形成された湖東平野の一角
をしめる。市内には、雪野山、瓶割山、
八幡山(鶴翼山)、岡山、長命寺山、津
田山(奥島山)などの小高い山が平野に
浮かぶように点在し、琵琶湖上には同湖
で最大の島である沖島と呼ばれる有人島
がある。また市の北東部には、西の湖が
水郷地帯を展開しており、「安土八幡の
水郷」として琵琶湖八景の一つに数えら
れている。なお、同区域の一部は景観法
に基づく「景観計画区域」に指定されて
いる。

滋賀県近江八幡市



【長命寺川】

賀県近江八幡市を流れる、琵琶湖に注
ぐ川。一級河川の起点は近江八幡市円山
町後、白王町北浦。西の湖より流れ出し、
長命寺山と八幡山の間を西流し長命寺港
(琵琶湖東岸)に注ぐ。川相はほぼ運河。
かつて津田内湖東部に流入していたが、
干拓により放水路として整備された。


【八幡川】





滋賀県近江八幡市を流れる、琵琶湖に注
ぐ川。一級河川の起点は近江八幡市北ノ
庄町の川西。西の湖より流れ出し、八幡
山を巻くように曲流し、近江
八幡市旧市
街地北縁を流れ南津田町で琵琶湖東岸に
注ぐ。八幡掘は近世初期に豊臣秀次が築
城の際に設けた掘割。琵琶湖を往来する
水運の中継点となり、城下町との行き来
にも使われた。近年汚染が進んでいたが、
地元の熱心な清掃活動により見違えるよ
うにきれいになり、観光客も多い。

【白鳥川】


滋賀県・湖東地方を流れる、琵琶湖に注
ぐ川。一級河川の起点は蒲生郡蒲生町川
合の下川原、南木。北西流し、東近江市
(旧八日市市)西縁を流れ近江八幡市中央
部を貫流、近江八幡市南津田町南西端で
琵琶湖東岸に注ぐ。灌漑水路の性格が強
く、最後まで高い堤は持たない。

【大惣川】



滋賀県近江八幡市を流れる、琵琶湖に注
ぐ川。白鳥川下流左岸地域にあって、川
相は用水路状。白鳥川と日野川の間には
このほか承水溝や幹線水路などがある。
流路は近江八幡市加茂町から牧町にわた
る。

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※「近江八幡市・風景形成基準のタイプ
 分類図」↓



※「近江八幡市・風景形成基準
※「景観法に基づく水郷風景計画
※「東近江・びわ湖の干拓
※「滋賀県・西の湖と余呉湖



降り注ぐ太陽エネルギー

2010年09月15日 | 日誌






【琵琶湖に注ぐ太陽エネルギ】  


プロジェクト研究紹介「琵琶湖に注
ぐ太陽エネルギー」
(琵琶湖研究所
ニース「オウミア」No.81)より




赤潮やアオコの発生は、富栄養化
に伴う植物プランクトンの異常増
殖と考えられている。湖の周辺か
ら、大量の窒素やリンが流入し、
特定の植物プランクトンを急激に
増殖させる。赤潮やアオコを形成
する植物プランクトンは、有害・
有毒藻類。植物プランクトン自体
は、湖の生態系を支える重要な役
割を果たしていて、太陽エネルギ
ーと、水、二酸化炭素を利用して
光合成を行い、湖内に多くの有機
物を作り出している。その恩恵で
で、自分で体を作ることができな
い動物プランクトンや魚類が生存
できる。

それでは、琵琶湖に降り注がれる
太陽エネルギーはどのぐらいだろ
う。彦根気象台によれば、過去10
年間において、琵琶湖北湖に注が
れた太陽の年平均全天日射量は、
6.8×1014 Kcal (因みに、全球的
日射量は約4.1×1028Kcal
。これは、
電力量に直すと約 7.9×1011KWh
なり、滋賀県で年間に使用する電
力量1.25×1010KWh2002年実績)
の約60倍に相当。また、わが国に
おける全発電力量の約78%にも達
する。



驚くほど多くのエネルギーが、太
陽から琵琶湖に注がれている。た
だ、このエネルギーのすべてが湖
に吸収されるのではなく、湖面で
反射されて大気中に逸散するもの
もあり、いったん湖水に吸収され
たエネルギーも、水の蒸発(潜熱)
や大気乱流による熱交換(顕熱)
などによって空気の運動(対流)
を生じ、降水現象や風などといっ
た天気の変化を引き起こす。琵琶
湖に取り込まれる太陽エネルギー
のほとんどは、湖水を暖めるため
に使われます。春から夏にかけて、
湖は暖められ水中に熱が蓄積され
ます。



水温の非均質な分布や、局所的に
生じる風(湖陸風)は、水平的な
循環流を引き起こし、やがて環流
や吹送流を駆動する。一方、秋か
ら冬にかけて、冷却によって湖の
熱は大気へと伝わり、水温は低下
する。暖まった大気は、逆に、琵
琶湖周辺の気候を穏やかに保つ。
滋賀県でもっとも寒いのは、県南
部に位置する信楽地方。例えば、
2004年2月11日の最低気温は信楽で
マイナス8.0℃。琵琶湖北西部に位
置する今津ではマイナス3.6℃





滋賀県立衛生環境センターが、琵
琶湖北湖の中心で1978年から2002
年の25年間に測定しました水温デ
ータを用いて、湖面を通して交換
した熱エネルギーを計算
した。そ
れによると、大気から湖水に入っ
た年平均熱エネルギーは、3.05 ×
1014Kcal
、湖水から大気へ出た年平
均熱エネルギーは3.03×1014Kcal
したがって、琵琶湖に注がれる全
天日射量の約45%が正味の水温上
昇として使われる
。加熱と冷却の
間に差があるのは、湖が少しずつ
暖まることを示す。実際、25年間
で琵琶湖内に蓄積した熱量は5.5×
1013Kcalであり、水温は約2.0℃
。これは過去25年間における
賀県の平均気温上昇とほとんど同
じであり、琵琶湖の水温変化が地
球温暖化傾向と同調
していること
を裏付けている。  


湖に入る光エネルギーは、熱だけ
でなく植物プランクトンや水草な
どの光合成にも利用される。琵琶
湖北湖における植物プランクトン
年平均基礎生産量は約1.8×1012
Kcal
であり、先に求めた年平均全
天日射量の0.27%。これは水稲
の光エネルギー利用率の20%
程度、
急激に光が減衰する水中を浮遊す
る植物プランクトンの生産量とし
ては、妥当な数値と考えられてい
る。食物連鎖における栄養段階を
考慮して魚類の生産量を推定する
と、約1.7×109Kcalになります。一
方、漁獲量をエネルギー換算する
と約3.3×107Kcalなので、琵琶湖で
は全魚類生産量の約2%を有用魚種
として捕獲している計算になると
いう。


 
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【目的について】

琵琶湖研究所では琵琶湖未来環境
実験計画を推進し、新しい計測手
法を積極的に導入して、生物資源
量や生産速度を正しく評価し、栄
養やエネルギーの流入とバランス
した、望ましい琵琶湖の未来環境
を実現するための最適な解を見出
ことを目的とするという。現在
は地球温暖化によって、世界にあ
る琵琶湖のように深くて大きい湖
沼のいくつかでは、急激な環境変
化が起こり、従来、湖沼の環境問
題といえば、富栄養化という地域
的な現象のみを取り扱っていたが、
最近はそれだけではなく、地球規
模のエネルギーによって支配され
る気候の変化が、各地に洪水や渇
水を引き起こし、湖沼の植物プラ
ンクトンなどの生物相を大きく変
えたりしています。つまり、
という小さなエネルギーと、地球
という大きなエネルギーの相互作
用に関する研究が重要となってき
。化石燃料利用に代表される浪
費型エネルギー社会を、環境に負
荷を与えない新しい高効率型エネ
ルギー社会にどう転換するか、と
いう普遍的な課題解決への挑戦だ
と位置づけている。
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天野川

2010年09月14日 | 滋賀百川






天野川 2006年3月10日撮影

賀県米原市の中央部(旧山東町)付
近から流れ、途中で夜高川や梓川など
と合流しつつ、旧米原町と旧近江町の
町境付近で琵琶湖に注ぐ。大阪府の天
野川と同じく、天の川伝説発祥の地と
の説がある。天野川上流・中流部のゲ
ンジボタルは国の天然記念物に指定さ
れ、観光名所の一つとなっている。



米原市西境と
岐阜県養老の境の山中に
発し北流、米原市伊吹南部に至り大き
く曲流し、再び山東に入り南西流、醒
井からは旧中山道の北に沿って流れ、
能登瀬との境を流れるあたりから平野
に出て、朝妻筑摩との境で琵琶湖東岸
に注ぐ。一級河川の起点は米原市柏原
の犬ノ尻
。別称・息長川。



支流も多く複雑に流入している。天野
川(国道21号線沿い)にゲンジボタル
の棲息地
がある。1926年に、現在の守
山市と米原市の天野川で、滋賀県下で
は先駆けて、ゲンジボタルを守る運動
が始まり、以来、ホタルを取りにくる
人が増え、ホタルが減少してきたので、
ホタル番が始まり、1928年には、滋賀
県天然記念物に指定され、1944年に国
の天然記念物に指定されました。そし
て、1952年に国の特別記念物に指定さ
れ、1972年に「山東町蛍保護条例」が
制定され、保護地域を全町に広げる改
正が1977年4月に施行され、さらに米
原市誕生後、2007年)10月1日、市全
域を保護区域とする「米原市蛍保護条
例」が施行され。



また、黒田川沿いには蛍の棲息地であ
る三島池がある(蛍発生時期)。例年
4月になると、マガモは、生まれ故郷
のシベリアへ旅立ち少数のマガモが池
に残ります。その頃、三島池の周辺の
サクラは満開になり、多くの花見客で
賑わいをみせ、池の東側はサクラのト
ンネルとなり、風流な夜桜見物もでき
る。新緑に包まれる夏には、一番心地
よい季節を迎え、池のコイも水鳥たち
も子育ての季節に入りカイツブリやバ
ンがヨシ原の中でひなを育てます。ま
た、子をつれたマガモの親子連れも時
々見ることができる。秋になるとコザ
ギ・ゴイサギ・カワセミ・カワウなど
が魚類も求めて多く飛来し冬鳥の渡来
が始まると、池畔に毎日1回餌をまく
という。

厳しい冬の自然を避け、餌を求めて集
まったマガモたちは池の全面が氷結す
ると、池の中央に集まり風雪がおさま
るまで、じっと待つ。この池で見られ
る水鳥のほとんどはマガモでオナガガ
モ・ハシビロガモ・キンクロハジロな
どもみられる。この様に1年を通して、
この三島池では四季折々の動植物を見
物でき街のシンボルとなっている。

【米原市の観光・文化財】

崇峻元年(588年)、飛鳥寺の造営がは
じまって以来、畿内を中心に伽藍をそ
なえた瓦葺の寺院が次々に建立されて
いく。7世紀後半の白凰時代に、全国
的な規模で、まさに爆発的に寺院が造
営され、近江ではおおよそ、60ヶ所の
白凰期創建寺院遺跡が知られている。
地方寺院建立の背景に、大化元年(645)
の「仏法興隆詔」などの仏教興隆策が
あり、地方に突然あらわれた瓦葺の壮
大な寺院建物は、天皇を頂点とする律
令国家形成と不可分な関係にあった(
田中角栄の「日本列島改造論」の古代
版?)が
、早くも霊亀2年(716年)に寺
院併合令が発令され、律令国家の成立
とともに、その役割を見直されること
になる。

米原市の古代寺院は天野川流域に集中
しているといわれ、この川の流域には
古代東山道が通過し、河口には朝妻湊
が営まれ、この地は「壬申の乱」や「
聖武行幸」といった歴史のうねりの表
舞台ともなったといわれる。




山津照神社古墳




滋賀県指定史跡、山津照神社古墳、昭
和44年9月12日指定。天野川右岸の丘
陵上にある式内山津照神社境内に位置
する当古墳は、明治15年に社殿の移転
に際し、横穴式石室が発見された。墳
丘は一部が削平をうけているが、全長
約63mと推定できる前方後円墳である。
古墳は天野川下流の古代朝妻郷内に所
在する人塚山・後別当・塚の越・狐塚
古墳など前方後円墳とともに息長古墳
群を形成し、息長氏と推定される首長
系譜を明らかにする古墳といえる。

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【反省】短時間で広域にまたがる河川
流域をみるには充分な準備が入る。カ
ーナビが便利になったといえ、過疎地
帯にいけば、それも無効になる。次回
は地図を携帯する。

伊吹山系を北端に南方に流域を集中し
南北に細長く流れ、旧近江町西方の琵
琶湖に流入する。その意味では物質収
支を補足しやすい地形で行政地区だと
みる(彦根市とは対照的)※3

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【参考】

※1「米原市都市計画マスタープラン
※2「湖北地域の農業水利施設
※3「流動場-生態系結合数値モデル
  による琵琶湖の水質解析」


 


愛知川

2010年09月06日 | 滋賀百川







鈴鹿山脈の御池岳(標高1,242m)に
源を発する茶屋川、御池川と御在所
山付近に源を発する神崎川が深い峡
谷を刻みながら流れ、永源寺で合流
し北西へと流れを変え、大きな扇状
地を形成する。下流では彦根市と東
近江市の境界となりつつ琵琶湖へ注
ぐ。上流から中流にかけての東近江
市内では国道421号(八風街道)が
並行する彦根市と東近江市(市町村
合併前→八日市市、能登川町、永源
寺町、愛知郡、神埼郡、愛荘町)と
一部近江八幡市、蒲生郡にまたがる
流域をもつ 41.1km の河川。





滋賀県湖東地方を流れる、琵琶湖に
注ぐ川。東近江市東境(三重県境)
の水を集め、永源寺ダム以降は広大
な蒲生野を北西流し、彦根市と能登
川町の境で琵琶湖東岸に注ぐ。河口
に顕著な湖成三角州を造る。ほとん
どの支流は谷口までに入り、中原に
流れ出して以降に大きな川の流入は
ない。一級河川の起点は東近江市黄
和田(旧永源寺町)。古称:人取川、
古綴:愛智川。



東近江市には、市内のほぼ中央を流
れる愛知川(41.1km)や、蒲生平野
を流れる日野川(46.7km)をはじめ、
蛇砂川(26.9km)、大同川(18.6km)、
佐久良川(15.8km)など総延長1km
をこえる河川44本をはじめとする
大小の河川が多く流れ、広い山林や
田畑が雨や雪をかん養するために地
下水や湧水にも恵まれている。能登
川地区は「ラムサール条約登録湿地
」「琵琶湖国定公園」に指定されて
いる琵琶湖に面しており、現在では
滋賀県内でも数少なくなった内湖の
ひとつである伊庭内湖がある。蒲生
地区には、主に農業用として使われ
たため池が現在でも百近く残り、固
有の貴重な動植物が生息している可
能性があるといわれる。












【河辺いきものの森】



愛知川は鈴鹿連峰を水源とし、永源
寺付近から大きな扇状地を形成し豊
かな田畑を育み、下流は東近江市と
彦根市の境となって琵琶湖に注ぐ大
きな川。両岸には河畔林が発達して
いたが、多くはケヤキなど価値のあ
る高木の伐採→骨材(砂利や砂)の
採取→掘った後の穴を産業廃棄物で
埋める→工場誘致のパターンを辿り、
ほとんどが消滅。

わずかに残されたのが15ha(300m×
500m)の広さを持つ「河辺いきもの
の森」。戦前まで建部地区の共有林
であったものが農地解放時に薪炭林
として利用していた。当時の八日市
市には市域にまとまった緑地が少な
かったことと、このあたりが扇状地
のため鈴鹿山地の標高が高いところ
に生えていた植物が流されてきて定
着し、低地にもかかわらずイチリン
ソウ、キクザキイチゲなどが観察さ
れ、市が地元の方と協議して「生き
物とのふれあいの森」として借地し
この森を整備した。



自然植生のコナラやケヤキ、それが
遷移した照葉樹林が観察される。ま
た、公園整備に当たり、笹・竹等を
切り日光が入るようにしたところ、
絶滅危惧種や希少種が次々と芽生え
てきたそうで、今回は、サクラソウ
科のハイハマボッスを観察すること
ができたという。近畿では戦前に絶
滅し、生きているのを見ることがで
きるのはここだけ。



河辺の森駅で下車。田んぼの真ん中
の可愛いらしい無人駅。駅前の道を
東に向かって、途中アメリカイヌホ
ウズキ
、ヨメナ、スカシタゴボウ
イヌガラシオオニシキソウ
ニシキソウ
アレチハナガサが観
察される。広場の先にはコナラ、ア
ベマキ、クヌギを主体とした林が広
がり、進行右手は根元から伐採して
再生した林で、高木管理は手入れが
楽であるが、老齢の樹木に感染して
枯らすナラ枯れに対応できない。ナ
ラガレ菌の正体は、交尾のためにナ
ラの老木の導管に侵入するカシノナ
ガキクイムシ(樫の長木喰虫
)が背
中に共生させているカビである。最
近ナラ枯れの西進が大問題になって
いて、この虫の侵入を防ぐために地
面から2mほどシートを巻いて幹を保
護した木が何本もある。

河原から森にかけ、ヤダケ、ノコン
ギク、コマユミ、ハリギリ、ウラゲ
エンコウカエデ、キツネノマゴ、オ
ニドコロ、ネズミモチ、アキニレ、
ツクシトネリコ、ナラガシワなどが
見つけられるという。

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※イヌガラシ(アブラナ科 Rorippa indica
※スカシタゴボウ(アブラナ科 Rorippa
islandica




黄色い小さな花をつけるアブラナ科
イヌガラシ属で、もっともやっかい
な雑草として農業では嫌われる。ス
カシタゴボウは北半球に広く分布す
る越年性の一年草。水田・畦道・浅
い水路・湿った畑などに生育する。
ゴボウのような太い根はない。果実
はコロコロとした円筒状。一方、イ
ヌガラシの果実は細長いので区別で
きる。イヌガラシは道ばたや空き地
など至る所によく見られる雑草。芥
子に似ているけど役に立たないこと
からイヌという接頭語がく。両種と
も若葉は天ぷらなどにすれば食用可
能と記載する本がある。スカシタゴ
ボウとイヌガラシの自然雑種として
ヒメイヌガラシという種があるが、
種子はつけず栄養繁殖するのみ。



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※愛知川の流域は、広く詳細の説明
 は別途、地区別に見てみる。