地域循環共生概論 65

2022年12月25日 | 防災と琵琶湖


 作成日:2022.12.25|更新日:2022.12.
□ その後の彦根広域ごみ処理施設建設問題 Ⅺ

 



選択肢は2つ。協力するか、滅びるか

災害多発年のCOP
11月にエジプトで開かれた「COP27」は、予定されでいた会期
を延長して交渉が続けられた。話し合いがまとまり難い要
因に、経済的な負担問題、先進国と後進国との思惑の差が大
きい。最終的弧は、気:象災害づの被害の受けやすい途上大
国側が求める「損失と損害」の支援について、基金の創設を
盛り込むことに決まるが、気温が上昇を続け、気候変動はす
でに後戻りできない段階に来ているという。※

※ 森田正光著 コラム『一体何が問題なの』(環境ビジ
ネス  2022年冬季号)

それによると、地球温暖化は猛暑の頻度を上く、極端に雨
の増
える地域を生み出す原因にもなる。 気温が1℃上がる
と水蒸気
の量が7~8%増え、それだけ降水量が増えるこ
とにつながる。
なお、気象災害が世界各地でさらに増えると、「気候難民」の
問題が深刻化する。気候難民とは、 異常気象により作物め
収穫<や家畜の維持が困難になり、住む土地を離れるしかな
い人々を差して使われる。現在でも年平均で2000万人以上
が住む場所を追われているが、世界銀行の報告によると、
2050年までに日本の人口のおよそ2倍弱、2億人以上もの気
候難民が、アフリカ・サハラ砂漠以南の地域を中心に発生-
中略-
さらに、気になる報告もある。世界の平均気温は、産
業革
命前と比べてすでに約1.1℃上昇し、さらに、GHG
(温室効果ガ
ス)を今後、迅速かつ大幅に削減しても、今
世紀半ばにかけて1.5
℃の気温上昇は続くだろうと予測され
干ばつの頻度は1.1℃の
気温上昇で、産業改革前と比べて
1.7倍。これが1.5℃上昇する
と、2倍になるとされま
す。大雨の頻度は、同じく1.3倍から1.5倍
に増えると予
測され、昨今の現状よりも厳しくなることは確実視さ
れてい
るとのこと。とすると、琵琶湖からの蒸発量が増し、気候変

動の大きさにされやすくなり、水位変動に左右され、渇水
(干魃)
と冠水(洪水)が多く発生し(わたしの予感では
水位低下が多くな
るのではとおもっています)、さらに、
昨年の大雪被害などのよう
な記録的な被害が増えることも
が予想されます。

                                 この項了
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9. 埋立処分過程における挙動と制御
9.1 モデル解析からみる挙動と埋立工法
9.1.1 放射性物質に汚染された廃棄物の埋立方法 
 第 1 節でも述べられているように、放射性物質に汚染され
た廃棄物であったとしても、 既存の管理型廃棄物最終処分
場に埋め立てられることが示された。これは、覆土等に よ
って地域住民に対する被曝量を制御することが可能であるこ
とや、跡地利用制限することで一般公衆に対する被曝線量も
制御可能であることが理由として挙げられる。管理型最終処
分場は、底部に遮水工があり、水が場外へと漏洩しない封じ
込め施設として建設されており、処分場内の水は、集排水管
によって集められて水処理後に放流する仕組みとなっている。
よって、浸出水に対する配慮も求められる。水処理技術が確
立していない現時点においては、水処理によって放射性物質
を止めることは合理的でないことから、浸出水へと溶出させ
ないことが必須と考えられる。放射性物質の固体濃度が
8,000Bq/kg 以上の廃棄物や、8,000 Bq/kg 以下であっても
溶出しやすい煤塵等の廃棄物に関しては、上部隔離層の役割
が重要になる。廃棄物処分場内 へと浸透する降雨量を涵養
量というが、この涵養量の大小によって浸出水への溶出は大
きく変化する。上部隔離層に求められる性能は、遮水性と変
形追従性、施工性、(放射能に対する)遮蔽性。遮水性は、
透水係数を小さくすることと、排水勾配を設けることによっ
て確保可能。

排水勾配は、不同沈下のことも考慮すると、5%は必要と考
える。透水係数としては、周辺の廃棄物地盤よりも少なくと
も 2オーダーは低い透水係数を与えることで、十分な遮水性
を確保することが可能です。変形追従性は、不同沈下対策と
して求められる機能。一般的には、自己修復性 を有する膨
潤性粘土鉱物を用いることで対応がとられる。

上部隔離層は、中間覆土代替として設置されることから、数
日から数週間に1度の施工となり、連続施工とはならない。
特殊な重機等を用いないと施工できない方法では、維持管理
が困難にる。このことから、通常の管理型最 終処分場で用
いられるシャベルカー等を用いた工法を採用する必要がある
と思われる。 

遮蔽性は、隔離層の充填密度(かさ密度)と厚みによって制
御される。これまでの報告だと、通常の締固め土壌であれば
50㎝の厚みで十分とする。

上部隔離層についてのみを詳述したが、セメント固化の強度
が十分でなく、溶出しにくいと判断できない8,000~100,000
Bq/kg の廃棄物については、側面にも隔離層が求められるが、
必要な性能は上部隔離層と同様である。

次に、これまでの埋立や仮置きに関する通知文等に一貫して
述べられていることとして、廃棄物の下には土壌層を敷設す
ることが示されている。これは、廃棄物から溶出した放射性
物質を吸着させることが目的であり、土壌層には、吸着能と
通水性の2つが求められる。ただし、これまで吸着層という
設計が行われた事例は少なく、どのような土壌 であれば良い
か、どのように敷設するのかという具体的方法を示すことは
難しいのが現状。土壌層という名前であることから、砂や礫
、スラグ等は使用できず、真砂土やシル ト質土壌等が対象と
なる。これは、砂や礫だと通水性は確保できるが、セシウム
吸着能が低く、吸着性能が悪いことが理由。また、吸着能の
みを考えれば、粘土質土壌が最も性能が良いが、粘土分(75
μm 以下の粒径)が多いと、通水性が悪く、浸透水が吸着層
内に入り込まない可能性が高いため、吸着層としての機能を
果たさないことになる。よって、適切な土壌が手に入らなけ
れば、通水性と吸着能を両立する材料を配合して人為的に作
ることが求められます。土壌層の設計が容易でないことから、
最も重要な対策は上部隔離層と側部隔離層であり、下部の土
壌層は、仮に水が入ってしまった時の補助的な役割であり、
フェイルセーフ 機能の一つとして考える方が無難です。これ
までの通知では、埋立や仮置きにおいて、下部にも隔離層(
遮水層)が必要という ことになるが、水を集水しない構造で
下部を遮水する行為は、工学的には危険と考えられる。溜ま
った水の処理を行うことができない。原発事故時に降下した
セシウムは土壌表面から数センチ以内に留まっている。この
ことを考えると、セシウムについては、土壌層を通水させて
も系外には漏洩しない、といえる。よって、下部は遮水性能
の隔離を行うのではなく、吸着層としての隔離に留めるべき
と考える



9.1.2 放射性物質の溶出量を考慮した浸出水への影響評価
焼却灰に吸着したセシウムは、その全てが水へと溶出するわ
けではない。下水汚泥焼却灰からの溶出率は、固体濃度に対
して 3%未満であることが報告されている。一方で、一般廃
棄物の焼却飛灰からの溶出は、キレート処理やセメント添加
処理にかかわらず数 十%になることも報告されている。例
えば、10,000 Bq/kgの焼却灰から10%溶出すること、100,000
Bq/kg から 1%溶出することは、水にとっては同じ負荷量と
なる。溶出時間と側面もあるが、放射性物質の移動や減衰の
時間からすると、溶出時間は短く、影響評価においては大き
な影響を及ぼさない。本節では、JIS K 0058 から求められ
る溶出率等を利用し、不溶態のセシウムの存在を考慮した合
理的な評価を行うことで、適正な埋立処分を行うための基礎
データを構築する。 図 7.1.1 には放射性物質に汚染された
廃棄物の埋立イメージの一例を示す。

廃棄物は 1日に 300 cmまでしか埋め立てることができない
ため、フレキシブルコンテナ に入れられた廃棄物であれば、
おおよそ 3 段積みとなる。上部には遮水性を有する隔離層
が必要であることから、厚さ50 cm程度の難透水性土壌層が
設置される。土壌層としているのは、廃棄物の圧縮沈下等に
伴う不同沈下に対する変形追随性を持たせることが理由。
多少の沈降があったとしても、透水係数が極端に増加するこ
とのないような材料を用いる必要。また、廃棄物層の下部に
は吸着を目的とした土壌層が必要。上部も下部も隔離層とい
う概念だが、その目的は異なる。下部の吸着目的の隔離層に
は、セシウムが吸着する材料を選択する必要がある。土壌層
と書いたが、人工的な材料でも変形追随性と吸着性、地耐力
があれば問題ない。

図 7.1.1 には、数値モデルの条件設定も示す。上部の隔離
層である難透水性土壌層の透水係数と、地域の降雨量、廃棄
物の透水係数によって、この隔離層を通過する流量は変化。
ここでは、この通過水量を涵養量とした。上部の隔離層の遮
水性は 25 年間は発揮されるが その後、徐々に機能劣化が
起こることを想定し、涵養量が 50 年後には当初の 5倍にな
ることを模擬しました。実際、粘土等を用いた遮水であれば
その機能が 劣化することはなく、ここで安全側の計算がで
きるように安全率を設置したことになる。廃棄物層からの溶
出は、例えば、JIS K 0058(JIS 攪拌溶出試験)による溶出
試験結果 から得られた濃度を用いることになる。

JIS 撹拌溶出試験は、廃棄物を構成している粒子を、廃棄物
の10倍の質量の水で溶出させることになる(液固比が 10と
いうこと)。 実廃棄物層では、粒子が撹拌されることなく、
粒子同士の間隙を涵養した水が通過することになるので、こ
こでも安全側の計算を行っていることになる。溶出試験結果
で 100Bq/Lである場合、液固比が 10であることから、実廃
棄物層の間隙水のセシウム濃度は 10 倍の 1,000 Bq/kgとな
る。JIS 撹拌溶出試験は、6時間で溶出させるので、セシウ
ム の移動や減衰挙動を評価する上では、微々たる時間であ
ることから、JIS 撹拌溶出より得ら れた溶出量が、初期に
瞬時に間隙水に溶出すると仮定した。

下部の隔離層である土壌吸着層には、バッチ吸着試験より得
られた分配係数を用いることとした。この分配係数は、使用
する材料にもよるが、塩分濃度の影響を強く受けるので、実
際の処分場の浸出水や溶出水等を用いてセシウムの分配係数
を求める必要がある。本解析では、まさ土にて求められた分
配係数 Kd = 10 L/mg を用い
た。 なお、本解析では、134Cs
の半減期が短く、本計算上では影響を及ぼさないことから、
137Cs のみに着目して実施する。



(あ)涵養量の条件設定 本計算で与えた涵養量のパターン図を
図 7.1.2 に示す。涵養量 10 mm/yr とは、年間 降雨量が 1,800 mm
と仮定した場合に、透水係数 10-6~10-8 cm/s の透水係数を有す
る隔離 層を設置した場合に相当します。涵養量が 100 mm/yr で
あれば、透水係数で 10-5~10-6 cm/s 相当になる。この涵養量は
、不飽和浸透特性に影響を受けることから、単純に透水係数 で
求めることができないため、比例計算等で涵養量を求めることは
困難。

(い)計算結果 図 7.1.1 における濃度測定点(下部土壌層の下端)
での濃度変化を図 7.1.3~7.1.5 に示す。それぞれ、涵養量毎で図
化した。凡例に示される溶出濃度は 1~500 Bq/L として計算した。
1 Bq/L は検出限界に近い値であり、例えば土壌などの溶出試験
で N.D.と なった場合には、この 1 Bq/L の溶出濃度を用いて評価
することが可能。 図 7.1.3 の涵養量 10→50 mm/yr の場合では、
溶出試験結果が 500 Bq/L であった場合に、 濃度限界である 90
Bq/L を超過することになる。溶出試験結果が 500 Bq/L であるの
で、初期の液相濃度は 10 倍の 5,000 Bq/L となります。これでも、
小さい涵養量を確保可 能な上部隔離層を用い、分配係数 10 程
度の土壌吸着層を用いれば浸出水濃度を約 90 Bq/L まで抑制す
ることが可能になる。


 ピーク濃度に着目して整理すると、図 7.1.6 のようになる。それ
ぞれの涵養量毎に整 理すれば、ピーク濃度は溶出濃度の関数
となる。よって、溶出試験による濃度が分かれば、相当する涵養
量の近似式を用いてピーク濃度を評価することが可能。図には
500 Bq/L の溶出濃度までしか描いていないが、750 Bq/L までは
線形関係が保たれることを 確認している。理論上はそれ以上の
濃度でも予測可能である。
                               この項つづく
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【エピソード】




彦根城に飾られた『特大のしめ縄』…猫の手も借りたい!
と「ひこにゃん」もお手伝い


彦根市は21日、新しいキャラクター「わるにゃんこ将軍」を発表。
市は原作者のもへろんさんに「ひこにゃんの絵本」の制作を依
頼しており、今年度中に三部作の絵本が完成する予定。その絵
本にひこにゃんのライバル役として、わるにゃんこ将軍が登場。
絵本の発表を前にそのイラストを公開するという ???...




誠に申し訳ございませんが、昨年、今年のごとく、総会(
新年会)は中止させていただきます。年明けて、新型コロ
ナや自治会の状況をみて、四月ごろ、お花見会を計画しご
案内させて頂きます。
                      幹事敬白

PS. 佐々木さんが「飲みたい」と元気にリクエストされる
限り続けていけたいと考えております。


【脚注及びリンク】
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