イムジャ湖

2014年03月21日 | 世界の湖沼百選

 

 

【解説】ネパール、ヒマラヤ山脈のエベレストから約8
キロ南で、溶け出した氷河の水が湖を急成長させている。
韓国の地球観測衛星「KOMPSAT-2」(愛称:アリラン
2号)から3月14日に撮影、欧州宇宙機関(ESA)が公開
した。
雪に覆われたイムジャ氷河(写真上部)などの氷
河が、高い山々の尾根や谷の間から白く光っているのが
見える。雪解け水は、ガンジス川やインダス川へと注ぎ
込む。

イムジャ湖(Imja Lake)はネパールにある氷河湖。北緯27
度53分、東経86度55分。決壊の被害が懸念されている。
氷河湖とは氷河の後退により溶けた水がモレーン(氷河
末端の堆石)にせき止められて自然のダムに溜まること
により形成される湖で、貯水量が一定以上になるとダム
部分が決壊し、激しい土石流となって下流域に大きな被
害をもたらすことがある。
ヒマラヤ山地では、多くの氷
河湖が形成され、地球温暖化の影響で夏の降雪量が減少
し、降雨量が増大することにより、氷河が縮小し、氷河
湖の貯水量が増える傾向があると指摘されており、決壊
の危険性が危惧されている。
イムジャ湖はネパール北東
部、エベレスト山の麓にある氷河湖で水面の標高は5030
メートルである。決壊すると最も危険な土石流を起こす
可能性がある氷河湖として警戒されている。

ネパールでは数十年前から氷河湖決壊洪水が起こってい
るが、1985年に起こったディグ・ツォ氷河湖決壊は、氷
河湖決壊洪水の詳細な研究の契機となった。1996年、ネ
パールの水・エネルギー研究局 (the Water and Energy
Commission Secretariat) は、ディグ・ツォ湖、イムジ
ャ湖、ロウアー・バルン湖、ツォ・ロルパ湖、ツラギ湖
の5つの氷河湖は潜在的な洪水の危険性があると報告した。
これらの湖はいずれも標高4100m以上に位置している。
ICIMOD(International Centre for Integrated Mountain Devel-
opment
:国際総合山岳開発センター)とUNEPによる最近
の研究では、ネパールにある27の湖について潜在的な洪
水の危険性があると報告している。このうちの10の湖で
は過去数年以内に氷河湖決壊洪水が起こっており、その
後再生している湖もある。さらにネパールを通る川につ
ながるチベットの氷河湖の中に危険なものがある可能性
があり、チベットでの決壊によって下流のネパールに被
害が及ぶ可能性も加わる。ガンダキ川(Gandaki river)の
流域には、1025の氷河と338の湖があると報告されている。

 

【エピソード】 

 

 

【脚注及びリンク】  

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1. Evaluating the growth characteristics of a glacial lake
   
and its degree of danger of outburst flooding". Norwe-
    gian Journal of Geography.Beautiful Summer Vacation
    Destinations
2. Imja Tsho, Nepal, NASA 

3. ヒマラヤ山地湖沼地区における生物多様性保全と
  持続可能な地域社会構築の課題, 2012.07.23

4. 氷河湖決壊洪水,Wikipedia
5. ネパールイムジャ湖-ドドコシにおける氷河湖決壊洪
    水対策の検討,2009.04.10
  
6. イムジャ氷河湖をめぐる問題 - 株式会社 シクロケム  
7. 動画 - 環境と自然 - イムジャ氷河湖 - ナショナルジ
    オグラフィック
  
8. 国際総合山岳開発センター  
9. Water resources of nepal in the context of climate change  
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