第9回 京都大学地球環境フォーラム報告

2011年02月06日 | 日誌


日時  2月5日 14時00分~17時50分(13時30分開場)
場所  京都大学百周年時計台記念館 国際交流ホールI

~琵琶湖 その現状と未来~

日本最大の湖、琵琶湖は、豊富な生物種を育み貴重な生態系
を維持する世界有数の古代湖であるとともに、近畿圏の重要な
水資源でもあり、古くから私たちの暮らしに数多くの恩恵を与え
てきました。そのような琵琶湖は、今、どのような状況にあるの
でしょうか。そして、これからの地球環境の変動は琵琶湖にどの
ような変化をもたらすのでしょうか。今回のフォーラムでは琵琶
湖の水と植物に焦点を当てて、その現状と未来について考えた
いと思います。

プログラム
総合司会:北野 慎一(大学院地球環境学堂助教)

14時00分~14時10分  開会の挨拶
小林 愼太郎(大学院地球環境学堂長)
14時10分~14時50分「鉛直水循環の脆弱化と化学環境の
                                  変化 」
杉山 雅人(大学院地球環境学堂教授)
14時50分~15時30分「近未来・将来における琵琶湖水温・水
                             質の数値予測」
山敷 庸亮(防災研究所准教授)
15時30分~15時40分 休憩
15時40分~16時20分 「琵琶湖の植物相の現状と希少種の
                              再生可能性」
今西 亜友美(大学院地球環境学堂特定助教)
16時20分~17時00分 「琵琶湖岸水生植物群落の再生・保
                     全技術の過去・現在・未来」
田中 周平(大学院地球環境学堂准教授)
17時00分~17時40分 総合討論
司会:深町 加津枝(大学院地球環境学堂准教授)
17時40分~17時50分 閉会の挨拶
杉山 雅人(実行委員長・大学院地球環境学堂教授)
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【感想】
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定員百名超の中予定通り行われた。時間軸としてどの程度の
尤度があるのか固唾を飲むように臨んだがもう少し余裕があ
るのかなという感想を持って終わった。

(1)琵琶湖の鉛直方向の循環が水温上昇とともに脆弱化(循
 環が停滞する傾向)しているが異変を引き起こすまでには至
 っていない。
(2)IPCCのA1Bシナリオに従いシュミレーション結果2099
 年には表面温度は34℃を超え、湖底では無酸素状態にな
 ると予測される。
(3)浚渫土の植生で希少種5種2属を含む湿地植物20種2
 属が発芽、外来種の発芽は見られないが、土質により植
 種が異なり希少車軸藻類の再生が可能である。
(4)ヨシ群落単一植生でなくカサスゲ、マコモなど多様な
 な植物が繁茂する環境設計植生が最適。



以上、端折って箇条書きしたがより丁寧な生態系の保全・
再生が大切だという思いを持った(詳細については別途掲
載する)。