虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

リップスティック(1976/アメリカ)

2009年07月24日 | 映画感想ら行
LIPSTICK
監督: ラモント・ジョンソン
出演: マーゴ・ヘミングウェイ
   クリス・サランドン
   アン・バンクロフト
   ペリー・キング
   マリエル・ヘミングウェイ

 かなり前に見た映画で記憶違いがあるかもしれませんが、最近の事件に関して思い出したので。ビデオのレンタルで見ましたが、allcinemaのデータでは、まだDVD出ていないようです。

 主人公のマーゴ・ヘミングウェイが恵まれた容姿を活かしきれていないようにも感じたのを覚えています。さすがにトップモデルで、ライフルを構えた姿など、見事に絵になっていました。いまだに記憶によみがえります。弁護士役のアン・バンクロフトはかっこよかったし、なにより悪役がものすごい悪役っぷりで、こんなやつ木端微塵にしたれ!とうら若き頃の私が画面を見て叫んでました。

 今まで「2ちゃん」は敬遠していましたが、京都教育大学の集団強姦事件については、2ちゃんで状況を追っていました。被害者に対するひどい中傷には、それを止められない無力感でいたたまれないような思いでした。今回、2ちゃんへの認識もちょっと改まりました。
 この映画では、レイプされた美しいモデルが、被害を法廷に訴えるものの、そこで私生活を暴露され、中傷され、罵倒された揚句に強姦魔は解放され、さらなる悲劇を招く…という女としてやりきれない展開が続きます。映画なので最後にカタルシスは用意されていますが、実際はこうはいかんだろうなあ…という不安も残りました。
 相当昔の映画なのに、ほとんど今現在ネット上で同じような中傷が繰り返されています。
 京都の事件は、示談になり刑事としては終了したようですが、これを見るだけでも、複数の加害者と弁護士相手に法廷で闘え、とは19歳の女子学生には酷に過ぎます。

 2ちゃんの書き込みの中には
・レイプされたら本人が「犬に噛まれた」と考えて自己内解決すれば済む
・レイプ被害を訴えた女は浅慮で、自分の価値を下げることになる。
というようなひどいものもあります。
 あまりにもストレートで、惨くて、怒りなどの感情が動くより先にまず体が凍るようです。
 性犯罪は明るみに出た時に被害者のほうが加害者よりも苦しまなくてはならないのが現実です。
 だからこそ、事件を明らかにしてくれた被害者に同性として感謝し、少しでも心身をいたわってほしいと願っています。

 もっと眉に唾・頭はクールに対処しなければネットと付き合う資格はないのかもしれませんが、ちょっと怒ってます。

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 後記
 事件に関連する記事を追っていると、今は、アメリカでは被害者の支援団体の活動などが充実しており、何度も証言台で被害の事実を再現させられたりしなくて済むという情報もあります。日本でも一刻も早く支援体制が整えられますように。