虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

恋は五・七・五!(2004/日本)

2009年07月09日 | 映画感想か行
監督: 荻上直子
出演: 関めぐみ    高山治子
   小林きな子   内山マコ
   蓮沼茜     田中弘美
   橋爪遼     山岸実
   細山田隆人   土山義仁
   高岡早紀    ヨーコ先生
   中村靖日    中村
   嶋田久作    三浦
   もたいまさこ  校長
   柄本明     爺ちゃん
   杉本哲太    高田マスオ

 統廃合を2年後に控えた松尾高校。校名を歴史に刻むために片っぱしから様々な大会への参加を宣言した校長に、気弱な国語教師・高田マスオは俳句甲子園への参加を命じられる。集められたメンバーは、なかなかクラスになじまない2年生の帰国子女・高山治子、外見重視でチア部をクビになったマコ、治子に憧れる1年生の不思議ウクレレ少女Pちゃん、写真部員・土山、野球部の万年補欠選手・山岸。

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 お話はだめなメンバーが目覚めて、仲間との絆を深めて、嫌味なライバルをやっつけてついに勝利!という王道ストーリーです。
 もちろん荻上監督のテイストですので、ぬるさ健在でそれほど燃え上がったりもしませんが、「めがね」や「かもめ食堂」に比べれば燃えているかな、と思いまする。高校生が競うお話ですから、当然ですが。

 私についていえば、この映画は導入部でまず泣かされてしまいました。

 肥満体形のマコが、「あんたがいると邪魔」とチア部を追い出されます。泣きながら階段を駆け上がり、自殺しようと屋上から半身乗り出したところに居合わせた土屋から「言い残すことは?」と問われます。そして彼女が叫ぶのが

 次の世は ましな私に 生まれたい

 泣けます。はげどうです。
 今は、何とか現実の私と折り合いつけてやってますので、それほどわが身の現実に傷ついてはおりません。
 でも、高校生くらいの時は頑張ってもなかなか着実な進歩がみられない己の実力にいたく自尊心傷つきまくりで、こう叫びたい衝動を抱えて生きていたように思います。それに今まで生きてきたうちで、一番容姿が気になる時代だったと思います。ああ、思い出すだけで入る穴を掘りたくなるような恥ずかしい時期だったなあ。
 メンバーそれぞれの造形やライバルたちのデフォルメもいかにも、それに繰り返しの使用も巧いですがパターン通りで類型的にも感じます。でもでも、ともかくこの一句(句と言っていいのかな?季語ないしね)でぐいっと胸の中に残った恥ずかしいものをつかまれました。

 ただ、家族で見ていたら下ネタ部分で男子高校生が逃げて行ってしまいました。
 個人での鑑賞がいいかもしれません。