虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ナポレオンの愛人(2006/イタリア、スペイン、フランス)

2008年10月07日 | 映画感想な行
IO E NAPOLEONE[伊]/NAPOLEON (ET MOI)[仏]
NAPOLEON AND ME[米]
監督: パオロ・ヴィルツィ
出演: モニカ・ベルッチ
   ダニエル・オートゥイユ
   エリオ・ジェルマーノ

 ナポレオンに対して激しい反感を持つエルバ島の若い教師・マルティーノは、生徒を扇動して教師を首になる。ナポレオン暗殺を狙う彼だが、島で数少ないインテリであるために流刑となり島にやって来たナポレオンに司書として雇われて…。

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 これも邦題がなんかな~、でした。英題見ると、まあ納得です。
 私としては「あるいは裏切りという名の犬」のノワールなオートゥイユ様が、ナポレオンという英雄であり、悪魔でもあり、小人物な面も、でもやっぱり強烈な吸引力を持つ人物をさすがの貫録で演じてほれぼれでしたし、主人公マルティーノの情けなくて直情な若さが好ましくもあり、滑稽でも悲劇でもあり…ラストもうまい!
 コイツ、ほんとにしょうがねーなー…と…。いや、主人公だけでなくみんなが。
 それでつい、小突かれまくるコジモの見せる優しさにホッとする気分になります。決して共感できる人物ではないのですが。

 皮肉な映画です。
 ナポレオンは自分に投影される周囲の期待というものを分かってそれに乗ってますからね。
 人間て、どうして懲りないんでしょう。
 鳴り響くベートーベンが実に気が利いてます。