虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

魔笛(2006/イギリス)

2008年02月24日 | 映画感想ま行
THE MAGIC FLUTE
監督: ケネス・ブラナー
出演: ジョセフ・カイザー    タミーノ
   エイミー・カーソン    パミーナ
   ルネ・パーペ      ザラストロ
   リューボフ・ペトロヴァ   夜の女王
   ベンジャミン・ジェイ・デイヴィス   パパゲーノ
   シルヴィア・モイ     パパゲーナ

 あらすじ、作品紹介はallcinema ONLINEのものをそのままお借りします。 
 シェイクスピア劇の映画化に定評のある英国の才人、ケネス・ブラナー監督がモーツァルトの人気オペラに挑んだ意欲作。舞台を第一次大戦下のヨーロッパに移し、華麗な名曲の数々と、大胆かつマジカルな映像で綴るファンタジー・ラブストーリー。キャストにはルネ・パーペをはじめ最高峰の歌手が顔を揃えた。

 楽しみにしていたものではありました。ワタクシはシェークスピアやオペラがどうしても好きでたまらないのでして。
 ケネス・ブラナーの「ハムレット」を見たときに、「このような映像化があったのか!」と眼を見張る思いでした。特にラストのフォーティンブラス入城! 思わず「おおおおお~」と叫んでました。(好きな割りに舞台の数はたくさん見てないです)
 そのブラナーが「魔笛」を映像化なんですから、どうしたって期待が膨らみます。
 で、もうワクワクして見始めました。

 … ……

 期待にたがわず、流れる音楽とストーリーの展開・シチュエーションにピタリとはまった映像が現れます。
 歌手は当代の最高峰だけあって、うちの貧しいオーディオ設備でもわかる素晴らしい歌声。
 待ちに待った「夜の女王のアリア」のソプラノには血が踊ります! あのソプラノ歌手の限界に挑戦といった高音の離れ業はなんだか超人的スポーツと同じような快感があります。ピアノ練習曲でおなじみの「魔法の笛」はつい一緒に歌ったりして。

 と、まあさすがに素晴らしい作品だったのですが、今まで中世的コスチュームとか、非現実の世界だったのが、軍服とお墓でのシーンで私自身が感じたメッセージが強烈で、そこから非現実と現実の境が一挙に近くなって、やや落ち着かなくなり見た後ちょっと悲しさが残ってしまったのでした。夜の女王も、パパゲーノもせっかく空をヒラヒラ飛んでくださったのに…
 ちなみに、このオペラを英語で聞いたのは初めてでした。