虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

天然コケッコー(2007/日本)

2008年02月12日 | 映画感想た行
監督: 山下敦弘
出演: 夏帆    右田そよ
   岡田将生    大沢広海
   夏川結衣    お母ちゃん(右田以東子)
   佐藤浩市    お父ちゃん(右田一将)
   柳英里沙    田浦伊吹
   藤村聖子    山辺篤子

 のどかな田舎町、木村町。中学2年の右田そよは、小中学生合わせても全校生徒たった6人という小さな分校の一番年かさ。そこへ東京から一人の男子生徒が転校してくる。

 本日、振袖のダイレクトメールが届きまして(もうすぐ成人式という大学生が我が家に一名いるので)そこに、この映画の主人公夏帆ちゃんが振袖でにっこりしていましたのですが、あんまりきれいに撮れておりませんでした。そよちゃんはもっときれいに撮ってよ、と思いました。
 この映画では、本当に絵に描いたようなやさしくて細やかな手を持つ、柔らかな頬をした永遠の女の子が動いていて、夢のようで見ているだけで思わず幸せになってしまいそうです。その子ときたら、小学生のお漏らしの世話はする、人が亡くなった場所で形だけでなくきちんと手を合わせる、自分が人を傷つけたのではないかと真剣に心を痛める…見ているこちらが泣きそうになるほど自然にいい子です。大沢君が結局そよちゃんと別れがたくなるのも当然です。
 映画では、主人公のそよちゃんに中学校でボーイフレンドができて、小さな町の中で季節が過ぎていって、小さな町でもいろいろあって、でもめでたく彼とともに高校進学するまでのお話で、まあ、見事に何にも大きな事件が起こらず淡々と流れていくのですが、しかし早送りもせず、じいっと見入ってしまいました。
 原作知りませんので、元の作品の持つ味わいはわかりませんが、こういう生活は人間の幸福の典型ではないでしょうか。本当にささくれた神経の隅々を柔らかくしてくれるようです。