二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

その人はもういない

2011年04月01日 | Blog & Photo
昨日帰宅途中にけやきウォークというショッピングセンター内にある紀伊國屋書店へ立ち寄った。
写真家中平卓馬の著書を「書籍検索」し、データをプリントアウトして、カウンターへもっていった。
4冊のうち、取り寄せ可能な本は「なぜ、植物図鑑か」(ちくま学芸文庫)のみ。
売れるような本ではないから、絶版はやむを得ないかも知れないが・・・うーん、残念(=_=)
むろん注文し、ほかの本、写真集を立ち読みしてきた。
買ったのは、つぎの2冊。

1.「新宿(増量新編)」森山大道(月曜社)
2.「たのしい写真 よい子のための写真教室」ホンマタカシ(平凡社)



森山さんの「新宿」は、モノクロームによる東京スナップの総集編といっていい。文庫本サイズ。すごい厚みで、圧倒的な視覚の饗宴がくり広げられている。エネルギッシュで、アクチュアルで、新宿のドキュメンタリーとして出色の出来映え。
一方、ホンマタカシさん。本のタイトルは、ホンマさんの羞恥とフェイントの所産だろう。教養課程向きではある。しかし、ここで展開されている写真論は、端倪すべからざる内容を多々ふくんでいて、おもしろい。
ホンマさんは理論家ではなく、フォトグラファー。つまり実作の人。だからこそのおもしろさなのだろう。森山さん、荒木さん、藤原さんという巨大な前世代の仕事をのりこえていくのは並大抵のことではない。


ところで、昨日は午後3時すぎ、先日の日記で取り上げた「ハトのジョナサン」と再会することができた。うれしかった(^_^)/~
ところが、わたしが用意したコーンスナックを、ほとんど食べようとしない。
わたしがハトについて無知なのは仕方ない。
お天気さえよければ、午後、敷島公園のこの1本の木のほとりで、いつもジョナサンと遇えるように思われた。


しかし・・・。
そのときわたしが感じたもの。
それはひとりの人の影である。
ジョナサンは、ジョナサンというより、ハトの忠犬ハチ公なのではないか!?
「おまえは、だれをここで待っているんだ?」
・・・と尋ねてみたくて、仕方なかった。
わたしが近づくと、グルッ、グルッとのどを鳴らし、よろこびいっぱいでくるくる舞って見せる。お気に入りの木の枝が、この子のステージなのだ。







だれを待っているんだろう。
おぼろげな記憶の底をさぐってみると、2、3年前に、ここらあたりで、ホームレスのような男が、一羽のハトに餌をやったり、遊んだりしている光景を目撃したような気がしてきた。
その人はもういない。
あるいは、何らかの事情があって、ここへはこられない。
だから、・・・ジョナサンは、ハトの忠犬ハチ公なのではないか?

ジョナサンと仲良くなるためには、ハトについて、ハトの習性について、もっと学ばなければならないだろう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 白い炎 ハクモクレンが咲く... | トップ | カメラになった男 中平卓馬 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Blog & Photo」カテゴリの最新記事