二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K482」を知っていますか?

2013年01月19日 | 音楽(クラシック関連)

このあいだ「えーっ、これなに!?これだれ!?」という経験をしたので、ちょっと書いてみよう。


一昨年、昨年、BOOK OFFの小型店舗が、数カ所クローズした。
集約化された大型店が高崎、前橋にオープンしたので、小型店舗の閉店は時間の問題だろう・・・と予測していたが、その予測が的中!

さて、1/31で閉店しますという貼り紙が貼られたBOOK OFFの散歩で手に入れた「レコード芸術2012年6月号に、つぎのような特集記事が掲載されている。
「名演奏家 ランキング&名盤選 ピアニスト編」。

以下、人気投票のトップ10である。
1.ホロヴィッツ
2.リヒテル
3.ポリーニ
4.アルゲリッチ
4.ルービンシュタイン
6.グールド
6.ミケランジェリ
8.グルダ
9.フランソワ
10.R・ゼルキン

11位以下はバックハウス、アラウ、ギレリス、コルトー、リパッティ、エマール、ハスキル、ブレンデル、ギーゼキング、ケンプ、ラフマニノフ、とならんでいる。
わたしは漠然とポリーニやアルゲリッチが上位にくると想像していたけれど、ホロヴィッツのようなロマンチックで限られたレパートリーしか弾かないピアニストがぶっちぎりの1位というのは、とても意外かつ不本意だが、これはこれでおもしろかった。
ホロヴィッツのミニ特設コーナーが設けられているくらいだから、たしかに人気があり、もしかしたら、グールドとならんで、レコード売上げは双璧かもしれない。むろん、ポリーニ、アルゲリッチをふくめて、レコード会社の「売れ筋商品」(笑)。

雑誌にはめったに手を出さないわたしが、なぜこんな雑誌を買ったかというと
「タチアナ・ニコライエワ」というピアニストについて調べたかったから、というのが、理由のひとつだった。

別な店の散歩のとき、つぎのCDが250円の棚にあった。
モーツァルトの第22番(変ホ長調)のピアノ協奏曲と、モーツァルトの交響曲第35番(ハフナー)がカップリングされてあった。
指揮者はカール・シューリヒト、演奏はウィーン・フィル。1956年のライヴ録音にしては音質は悪くない。
この第22番という曲は、モーツァルトのファンのあいだでも、そう評価は高くない。
第21番、第23番というポピュラーな人気曲にはさまれているため、目立たないので、わたしもこれまで一回聴いたかどうか・・・記憶がはっきりしないありさま。250円だからまあいいやと考え、何気なく聴きはじめた。ところがこれがすばらしい演奏なのである(^^)/
シューリヒトは知ってはいるけれど、Tatyana Nikolayevaというこの女性ピアニストは?
調べてみたけれど「レコード芸術」のベスト100選に名がのっていない。

タチアナ・ニコライエワって、だ、だれよ!?

そこでググってみたら、あっさりとその素性がわかった(笑)。
はやいとこ、そうすりゃよかった・・・な~んていわないでね。

このニコライエワさんの第22番、すごくいいのです(^-^)
この曲ってこんなに魅力的なコンチェルトだったのねぇ。
わたしは耳の錯覚かと心配になって、4回しつこく聴きなおした。
モーツァルトの第20番以降では、25番あたりもろくすっぽ聴いていない。
「そんなことで、よくもまあ、モーツァルトファンだなんて自称できるね」
そうなんです、おっしゃる通り(^^;)

とにかく、モーツァルトにはいろいろな楽器を主役にした傑作協奏曲があって、協奏曲といえばモーツァルトということになる。そういった協奏曲のうち、これまであまり馴染みがなかった曲を、昨年から今年にかけて、かなり聴いた。
フランス風のサロン音楽と嫌う人もいるようだけれど、昨年ようやく「フルートとハープによる協奏曲」に目覚めたのだし・・・。

シューリヒト&ニコライエワのこのレコード(CD)は、どうやら日本では未発売だし、海外盤の版(盤)元にしてからが、マイナーなレーベルらしい。
シューリヒトのハフナーもすぐれもの。来場者の咳や足音や、その他のノイズが演奏中も少し聞こえるけれど、まあそれを“臨場感”ととらえればガマンできる。

う~ん、こんな意外な出会いを用意してくれるBOOK OFFの散歩に感謝。
250円でこれだけ愉しめるのだからね。いや、たまには紀伊國屋書店で、新品も買ってますよ、たまに(笑)。


※写真右はカール・ベーム&ベルリン・フィルのモーツァルトの交響曲選集(輸入盤BOX5枚セット)。25番以降の交響曲がすべておさめてあり、500円の棚にあった。まだ聴いたことがない交響曲がいくつかある(^^)/
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 作業小屋の尊厳 | トップ | 音楽におけるレセプターの問題 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

音楽(クラシック関連)」カテゴリの最新記事