二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

モノクロームな風景

2013年06月17日 | Blog & Photo
集団「はぐれ雲」というグループを8年ばかりやっていた。
月1回の例会、年1回の写真展、不定期の撮影会などといった活動を・・・8年もつづけたのである。
Aさん、Hさん、Nさんという有力メンバーのほかに、最盛期には12~17人くらいの会員がいた。Aさん、Hさんは写真学校を卒業していたから、プロっぽい写真を撮っていて、わたしはじつに多くのものを少し年下の彼らから学ばせてもらった。
このお二人はモノクロームしか使わなかった。むろん暗室作業で作品を仕上げる。
写真集の写真が写真だとなんとなく考えていたわたしに、モノクロのクォリティーを教えてくれた。

白から黒までのあいだに、これだけのグラデーションがある!
わたしは「ファイン!」と叫びそうになったことが、何度もある。Hさんは大阪芸大の写真学科出身なので、アンリ・カルティエ=ブレッソンに心服していたのではなかったろうか?
この大学には、ブレッソンの有名な「オリジナルプリント」のコレクションがある。
引き伸し機はフォコマート、カメラは古いライカやコンタックスを使っていたはず。

トップにあげたようなモノクロの風景はAさんが、よく撮っていた。
「ああ、こういう世界があるんだな」
そうは思ったけれど、みずから撮ろう、撮りたいとは、当時は考えることができなかった。
アマチュア的な観点でいえば、どこに感心したらいいのか、わからない(笑)。あまりにも、あまりにも地味。
いまから振り返っても、やっぱり心のどこかで、「地味すぎるなあ」と感じている。こういう写真の味がわかるのは、かなりの「ハイアマ」だろうというのが、わたしの意見。


このあいだも書いたように、わたしの眼には、風景は色をもった世界と映っている。それをグレースケールに置き換えるとどうなるか?
いまではデジタルのカメラにいろいろなフィルターが用意されていて、ワンタッチで、こういった置き換えができる。色をすべて引き算したあとで見えてくる風景の魅力・・・そのへんにある、普通の社会的な風景の中に、どういった魅力が・・・。

たとえばつぎの一枚。



ここは赤城山麓の農村地帯。遠くを横切っているのは、大正時代につくられたらしい水道橋である。右側に複雑に折れ曲がった、無機質なガードレール。水田は田植えがおわっている。
畑もあって、野菜や園芸品種の花が植えてある。
わたしは地形そのものを見晴るかしているのかも知れない。
しかし、谷あいの農村のどちらかといえば平凡な一情景ということになる。
「こんな写真のどこがおもしろいの?」
そういわれそうだけれど、わたしにもうまく説明ができない。
「その説明ができないところがこの一枚の魅力だし、おもしろさだ」
こういった写真をつぎに2枚ピックアップしてみよう。





いま、ちょっとことばをさがしているのだが、よくわからない。
以前も書いたように、試行錯誤の真っ最中だ・・・という事情もある。いずれはフィルムでもモノクロを撮っていこうか、とかね*´∀`)ノ



色を消し去ったとき見えてくるもの。
うーん、これはなんだろう? なんだろう?
だけど、だんだんアルバムらしい体裁がととのってきて、見直し、見直ししているうちに、なにかが眼に沁み通ってくるような感覚がある。それはこのところ、TVドラマだとか、小説(フィクション)からはなれてしまっていることと、どこかで関係がありそうにおもえる。

さて、これからが正念場だな、わたしのモノクロームアルバム(゜Д゜;)
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