二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「吉本隆明×吉本ばなな」

2008年03月17日 | 座談会・対談集・マンガその他
吉本ばななの文学は、わたしにはどうもわかりにくい。
はっきりいえば「おもしろくない」のである。
ところが「吉本ばななは売れている」のだそうである。
じっさいのところ、彼女の公式サイトは、850万ヒットにものぼろうとしている。

「BANANA YOSHIMOTO」
http://www.yoshimotobanana.com/

いったい、どんな読者が、どんな風に吉本ばななを読んでいるのか?

予想してはいたが、やっぱり、であった。
読んでいるのは、ほとんどが同世代の女性だそうである。
彼女のエッセイなどを斜め読みしていると、
あけっぴろげといっていいような、
驚くべき「率直さ」が理解されてくる。
親子対談でもいわれているのだが「ばななの読者は太宰治の読者ににている」ということである。
作者のばななさんも「わたしは読者のために書いている」と断言し、
読者からの返送メールなど、十分意識しているのである。

「きみは人間を書こうとはしていない。きみにとって意味のある、ある場を書こうとしている」とは父親の批評。
読んだことのある人は「キッチン」冒頭の台所の描写を思い出す。
娘のばななさんの方は、鋭い舌鋒をするり、するりとかわしている。
「あれは、おれのこと書いたのじゃないか」

父親がいうのは、「キッチン」に出てくる母親(じつは父親)のこと。
「おれを、おかまとして書いたのじゃないか」という吉本氏の発言には笑ってしまった。
それにしても、ばななさん、
やっぱりわたしにはおもしろくはない。
「この人の本領はエッセイストかな~」
「若い女性特有の、あるふしぎ感覚をうまくすくっているのかもしれないぞ・・・」
わたしはいろいろ考えてみる。
「B級BANANA」「TUGUMI」「哀しい予感」も書棚にあるから、
まあ、おいおいつきあってみよう。

しかしな~。
研究しようなどと考えてはいないが、謎はまだまだ残るぞ・・・。
海外での評判などは、まあ、考えても仕方ないが、
「読まれている」ことには、理由があるのだ。
それが、気になる。



 「吉本隆明×吉本ばなな」(株)ロッキング・オン>☆☆☆

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1 コメント

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まず、読んでください。 (ナンタハマ)
2008-07-23 00:48:17
お薦めは、「アムリタ」 「キッチン」 です。よろしくお願いします。そして、こつは、スルーせず、じっくりと読むこと。彼女の場合、一見普通の女性に見えますが、奥には様々な文学的要素を熟知している方だろうと思います。現に、父は批評家、姉は漫画家など、それらのことを意識して見て下さい。きっと、彼女の偉大さに気づくはずです。
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