■吉村昭「陸奥爆沈」新潮文庫(昭和54年刊 原本は昭和45年新潮社)
筆者吉村さんは、あとがき冒頭でこう述べておられる。
《長い旅であった。闇に塗り込められたトンネルを手さぐりで進むような日々であった。それだけに書き終えた時、疲労とともに満足感にもひたった。
その後原稿の推敲をすすめる間、私は、しきりに妙なものを書いたという感慨にとらえられた。この作品は、一般の小説形式とは異なって、私自身が . . . 本文を読む
このところ連続して吉村昭ワールドに入り浸り。
吉村さんの文庫本が全巻そろったわけじゃないけど、現行版の9割ほどは手に入れた。
吉村ワールドは密度が濃く、つづけて読んでいると頭が疲れる。そこで中休みの意味で新刊コーナーにあったこの新書を手に取った。
書評はパスしようとはじめは思ったが、簡単に書いておくことにしよう♪
本郷和人さんは気鋭の中世史家である。以前、「承久の乱」を読んだが、とてもおもしろ . . . 本文を読む