(2019年5月撮影)
<承前>
香料(香、香水、香炉、香気をふくむ) 24編
薔薇 12編
岩波文庫でチェックすると、香料、薔薇をタイトルにふくむ作品が36編存在する。これは瞠目すべき数である。
だから大手拓次を「薔薇の詩人」と称するわけだ。
男と女の色恋のロマンではなく、孤独な詩人の枕辺にあらわれるあえかな幻影の薔薇である。
また大手拓次を「薔薇の詩人」といったとき、近代 . . . 本文を読む
(2019年5月撮影)
<※ 長くなったので、本稿も2回に分けて掲載させていただく>
大手拓次についてはせんだって小論を書いたばかり。
しかし、岩波文庫版「大手拓次詩集」(原子朗編)を手に入れ、ぱらりぱらりと読んでいるうち、書き足しておきたいことがいくつか出てきた。
大手拓次について語ることは、日本の「近代詩」について語ることと同義ではないか、とかんがえはじめたからだ。
現在手軽に . . . 本文を読む