二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

草の家

2011年05月20日 | 俳句・短歌・詩集
1 人間という商売を長らくやっていて ふと気がつくと あっちもこっちも傷だらけ。 傷みがひどく だれも買い手がつかない果物か野菜 みたいにね。 箱ごとすてられそうになって かろうじて 逃げ出したキュウリ さもなければ ナス。 きみもわたしも どこかにそんな面差しをやどしている。 今日は5月で風がすずしい。 ・・・と書いて つぎのことばがつづかない。 午後も夏日になるそうな。 その場つなぎの一汗をかきながら 畝起こしをおえて 草の家に帰る。 縁の欠けた 古い茶碗みたいな家へね。 . . . 本文を読む
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雨蛙

2011年05月20日 | 俳句・短歌・詩集
庭石の下のすきまから、 一匹の雨蛙が のそりと 姿をあらわす。 しばらく見ていると もう一匹。 三匹めは ぴょんぴょん跳ねて出てきた。 三兄弟は似ているようで 少し違う。 のびをしたり 空を眺めたり。 きみはなんのために そこにいる? 意味なんて知るわけはない。 生まれてきたから ここにいる。 自分が雨蛙と呼ばれていることも むろん知らない。 なんにも知らない。 なーんにも ね。 . . . 本文を読む
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