この人は、このあいだ「日本辺境論」をおもしろく読んだ。
論点は明快だし、結論の落としどころがうまい批評家だと、わたしはにらんでいる。
本書はベストセラーというほどではないにしても、かなり話題となり、論議を呼んだ本である。大学の先生というより、論壇における、一方の旗頭として、その発言は重みをましている。
「下流志向」は、流行語になったような気がする。
本書のサブタイトルは「学ばない子どもたち、働か . . . 本文を読む
職業としての小説家。
彼は、あるいは、彼女は、恐ろしい職業を選んでしまったのである。
・・・いままで、そんなことを考えたことはなかった。
すぐれた小説を、またおもしろい小説を、作品として書きつづけなければならない。
短編だろうが、長編だろうが、ひとつふたつ秀作を書いたからといって、なにほどのことがあろう。小説家を職業として選んだ以上は、いのち尽きるまで、プレイをつづけ、
「買ってもらえる」作品 . . . 本文を読む