(表紙がかわって値上がりしたけど、中身はまったく違わない)
■アゴタ・クリストフ「悪童日記」堀茂樹訳 ハヤカワepi文庫2001年刊(原本は1986年パリ)
友人から感想を聞いたことがあったので、驚きはなかったが、衝撃がなかったといえば嘘になる。
しかし、読み了えたいまでも、作者の“位置”というのがよくわからない。行方不明の作者を探す小説なのであろうか?
これまで読んだ、どんな作品とも . . . 本文を読む
(ポストイットをやたら挟んだ光文社古典新訳文庫版)
■ホーソーン「緋文字」小川高義訳 光文社古典新訳文庫2013年刊
たいへん評価のむずかしい小説である。四苦八苦しながら、一か月ばかりかけて、ようやく読み了えることができた。以前に、二回ほど挫折している。今回も10ページあたりで、挫折しかけたので、冒頭の「税関」を後回しにし、ストーリーが始動する第一章「獄舎の扉」から読みはじめた。
初 . . . 本文を読む
今回のレビューは評価なし。
なぜかというと、まだ読み了えていない本についての記事となるからだ。
O・ヘンリーといえば、アメリカンショートストーリーの代表的書き手。一方のサキは、イギリス文学であるが、同じく短編小説で卓越した作品を多く遺した小説家。
O・ヘンリー:1862~1910年
サキ:1870~1916年
サキは8年遅れて生まれているが、現代と違って、ジャーナリズムはたいして発達していなかっ . . . 本文を読む
■スタインベック「ハツカネズミと人間」大浦暁生訳 新潮文庫(平成6年刊)
本書「ハツカネズミと人間」は、スタインベックの最高傑作といえるのではないか。
アマゾンのBOOKデータベースでも「永遠の名作」と紹介している。
《一軒の小さな家と農場を持ち、土地のくれるいちばんいいものを食い、ウサギを飼って静かに暮らす――。からだも知恵も対照的なのっぽのレニーとちびのジョージ。渡り鳥のような二人の労働者 . . . 本文を読む
■ヘミングウェイ「老人と海」福田恆存訳(新潮文庫 昭和41年刊)
以前に読んでいるので、再読である。一日か二日で読み切れる中編小説をふと読んでみたくなった。
「ドン・キホーテ」「戦争と平和」「人間のしがらみ」(「人間の絆」)などの大作を、最近買い直したのだけれど、どうも勇気がわいてこない。二週間、三週間・・・あるいはそれ以上の時間をかけて読んでやろうというのは、ある種の決心が必要(´Д`)
. . . 本文を読む
(左改版、右旧版)
ドーデーの「風車小屋だより」(岩波文庫)の待ちに待った改版が、ようやく刊行された(^^♪
桜田佐さんのあとがきをふくめ226ページだったのが、文字がやや大きくなって278ページ。
それに有田英也さんの解説、年譜つき。そのほか表紙の風車の挿絵が変わり、ばったがバッタとなるなど、表記の見直しもなされている。
この本は100円コーナーにあったので、見つけると買い、また買い . . . 本文を読む
■三毛ネコ→シャーロック
思うところあって、ハンドルネームを“三毛ネコ”から“シャーロック”に変更いたします(^^♪
<ここからはシャーロック・ホームズに関心をお持ちの方のみご覧下さい。>
シャーロック。小説家コナン・ドイルが生み出した、そう・・・あの世界一有名な探偵さんの名にあやかったのです。
「緋色の研究」によると、シャーロック・ホームズとはこういう人間だそうです。
1.文学の知識: . . . 本文を読む
20世紀を代表する海外の小説といえば、ジョイス「ユリシーズ」とプルースト「失われた時を求めて」になるのかしら。
どちらも大作、最後まで通読するのは容易ではない。
・・・というわけでどちらも読んでいないし、これからも読まないだろう。
わたしばかりでなく、かりに読みはじめたとしても、最後のページまでたどり着ける人、どれほどいるだろうか(´・ω・)?
文庫本では、つぎのシリーズが“定番”かしらね。
. . . 本文を読む
(たくさんある訳書の中で、この新潮文庫版「変身」がほぼ定番。すでに100刷りを超えている)
世の中には、絶対名作といってイイような作品が存在する。
大抵は100刷りを超えていて、じっさいによく読まれているのだろう。
夏休みともなると、新潮文庫や角川文庫、その他で○○文庫の100冊・・・といったキャンペーンが展開されるから、本を読む学生さん向けといったところか。
改版されると、活字が大きくなっ . . . 本文を読む
(昨夕、紀伊國屋書店で買った「ハドリアヌス帝の回想」。高い本なので、決心が必要だった)
本を読む時間は、現実から身をふりほどき、脳や心を遠い世界へさまよわせることである。
読書するというのは、したがって、人生からの“途中下車”といえなくはない。
わたしは毎日、この“途中下車”をやっている。
その間、いろいろな栄養や酸素が脳と心に補給される。友人には映画人が何人かいる。
彼らは映画館にいるとき、 . . . 本文を読む