原爆症認定の集団訴訟で、麻生太郎首相と原告側が、政府の解決策に合意した。
国は一審で勝訴した原告を原爆症と認め、敗訴した原告も基金で救済する。原告側が訴訟を終わらせるのが条件だ。
ただし、、解決策の対象は、このままでは306人の訴訟原告に限られる。
国の認定審査を待っている人は7600人、
被爆者健康手帳を持つ人は23万人余いる。
かつての認定基準は、
発症のリスクを数値化した「原因確率」によって機械的に線引きした。認定者は被爆者全体の1%も満たない。
認定を求めて、各地で集団訴訟が相次いだ。
国は裁判で争い続け、解決を先送りした。
今月3日の熊本地裁判決に至るまで、集団訴訟は国の19連敗。
この間、70人近い原告が亡くなった。
麻生は、選挙対策の一環で、和解したのであろうが、本質的に予算のことは検討していない。
23万人の原爆被爆患者を救わなければ、この問題は解決することにはならない。
これは時間との戦いでもある。
国が引き起こした戦争で、このような被害者が救われない日本は一体国民を守る意志があるのかどうか疑われる。