俺にも一言、言わせろ

世の中、腹の立つことばかり。真面目に生きてる一人として、一言述べさせていただきます。連帯を求めて、孤立を恐れず。

どこにもいる”豪遊男”

2006-09-29 12:37:08 | Weblog

今日の新聞に出ていたテレビ朝日の59歳の編成制作局チーフプロデューサーの話。
番組制作に絡み、架空の外注費を計上し、3年間で1億3700万円の所得隠しが発覚した。

こんな男は実はどこの会社にもいる。

俗に言う”癖のある男”。

私は、元勤務していたところで、二人いた。
二人とも、喧嘩っ早い。
ところが、内心は臆病者。
臆病ゆえに、声で脅し、狡猾にわなを仕掛ける。
一旦、自分の隠し事を暴く人間が出たら、徹底的にその人間の追い落としを図る。

一人の人間は、会社から接待の名目で現金を持ち出す。当時、中国から多数のお客が来ていたから、その接待には多額のお金が必要だったのであろう。
社内で一時に、700万円の多額の現金をカバンに詰めていた。
その使途は不明。すべて、中国事情としてウヤムヤにしていた。

そのことで、一度私が疑惑の言葉を社内で発したところ、会社に来なくなった。
驚くことに、ホテルニューオータニに宿泊していたのだ。
その上司である部長はことの重大性は知りつつも、立場の弱い私に謝罪を要求してきた。
私は、頑として断った。誰の目から見ても変な実態。経理はそのことを指摘するも、猫の首にだれも鈴をつけないのである。

その時は、結局、部長が謝って、ことを内々に納めたのである。
当時、若かった私は、徹底抗戦をした。でも、結局その癖のある男に押し切られた。しかし、それから5年後、その男は罠にはめられ、失脚してしまう。哀れな最後であった。

もう一人の男は、さらに悪人。狡猾である。
表向きは、さも改革派。権力に対して闘う姿勢を示す。初めは、とかっこよく見える。しかし、裏では、ドロドロゲーム。特にこの男のメインステージは夜。
もともと酒好きの彼は、うってつけの夜の仕事。
厳しく、人の弱みに付け込み、脅し、最後は握手。
万が一、反旗を翻そうものなら、人前で大声で罵倒する。

会社内で大声で騒ぐやつには、誰も近づこうとしない。当然、いさめることなどしない。人を自分の傘下に入れることにのみ知恵を使う。
会社の金も使い放題。上司がいさめようものなら、上司すらも脅す。

大企業の弱さは、評判が落ちるということ。
すなわち、社内の事情を暴露するといったら、もう大変。
また、みんな紳士ゆえ、紳士的ディスカッションには何の問題もないが、喧嘩スタイルでやってくる人間には弱い。

どこにもいるワル。

しかし、そんなワルも時間が経つと罠が仕掛けれれて、いつの間にお縄になる。

可哀想な末路をたどる。これが世の慣わし。

 


時効はなんのためか?

2006-09-28 12:54:34 | Weblog

私は、時効について真剣に考えたことはなかった。
映画では、時効をテーマにしたものはあったが、自分が被害者の家族ではないし、当然、加害者になったこともなかったから。

しかし、今回のケースは予想もしていなかった。

1978年に東京都足立区立小学校の教諭・石川千佳子さん(当時29歳)を殺害し、26年後に犯行を自供してきた。

この時から、時効が話題になり始めた。

この自首した男が、本当に改心して品行方正な男なら、まだしも、態度、言葉が悪い。そのため、殺された家族は持って行き場のない苦しみを抱えるに至った。

時効20年とはどんな意味があるのだろうか?

専門家の話では2つの理由らしい。
一つは、20年も犯人探しをしていると、経費がかかりすぎるという警察側の理由から。
もう一つは、それから裁判を開いても、立証が難しいという、これまた警察側の理由。

被害者側の立場で言うなら、時効なんて意味がない。
殺人を犯した人間がのうのうと生きていることなど考えたくもない。
絶対に時効は廃止すべき。

一方、犯人の立場で考えてみると、20年間逃げとおせるなら、自分の日の目を見ることができると思うと、逃げようという気になる。
ところが、時効がなくなれば一生逃げなければならない。これは少ししんどい話。
だから、自首しようとするかどうかは疑問だけど。

ところで、一般人の考え方は、警察の理由で時効があるとしたならば、即刻廃止。
しかし、経費や証拠の問題があるとすれば、ムニャムニャ。

ムニャムニャは、やはり、まずい。
そこで提案。

現実的に問題解決を優先に考えるとすれば、犯人逮捕を優先すべき。
かといって、無罪放免は許されない。
その犯人は、一生、被害者の家族には何らかの形で償わなければならない。
そこで、仮に自首してきたら、減刑処置を施す。死刑を無期懲役に。

考えてみると、この世の中に逃走している犯人が多くいることは問題。
彼らは、いつ、次の犯罪を起こすか解らない。早く隔離すべき。
この考え方を徹底するならば、アメリカで行っている司法取引は、実は重要なことだと思う。

日本人は、とかく減刑に対し、否定的な見方をしているが、犯人逮捕を第一義に考えるべきだと思う。

 


国旗や国歌への敬意は、法律以前の問題

2006-09-22 19:53:01 | Weblog

「国旗や国歌への敬意を払わなかったから、処分された」、は違法かどうかで、裁判闘争中だったが、9月20日、その処分は違法と結論が出た。

そのことに関し、小泉の見解は、「国旗や国歌への敬意は、法律以前の問題」、ということだった。

小泉さん、あんたの立場で、よくもそんなのんきなことを言うもんだ。

国旗掲揚に反対した人、あるいは、国歌斉唱に拒否した先生は罰せられたんだ。

戦争に引っ張られて、無残にも死んだ家族は、国家を歌いたくない人もいるんだ。

悲しい過去を持つ人にとって、苦痛であるということを認識すべき。

今回の裁判は、人間的に、いい判断だと思う。

一度犯した罪のある国の国歌あるいは国旗を、一度国民投票で意見を聞くべきだと思う。

それでも、国歌を歌わない人が罪になるのは、やはり、おかしい。


昔話

2006-09-21 15:28:04 | Weblog

今日は我が家のお話をします。
今週の日曜日、お墓参りに行きました。
墓地は日暮里の近くの谷中。

おじいちゃんとおばあちゃんは、はるか伊豆からやって来た。

久々に娘と孫に会うので、ちょっとエキサイティングしていた。

墓参りを済ませ、根津神社のお祭りを見に行く。
昼食は、三越へ。
昼食が終わると、女の世界。ショッピングである。

私と娘はおじいちゃんのお守り役。
デパートの一角のソファーで休んでいるとき、映画の話になった。


なぜなら、その日、三越ではジョージチャキリスが、自分のブランドの宝石を売るためにやってきていた。
そこで、私たち家族全員は、そこにいたジョージチャキリスと一緒に写真を撮った。
ジョージチャキリスはミュージカル ウェストサイドストーリーの主役。
ところが、みんなはそんな事など知らない。

その映画の説明を始めると、おじいちゃんは俄然、元気を出してきて、
「うちには、五所平之助監督のサインがあるんだよ。」

「どうして?」って聞くと、

「五所平之助監督が伊豆の大仁に来ていたんだよ。おじいちゃんは村の青年団の団長をやっていたんだ。そして、監督は我々の活動を見て、映画を作ろうと言い出したんだ。」

聞いてみると、おじいちゃんを中心とした映画で、相手役はやはり青年団の女性。監督は本名を使うと言うので、自分は断った、と。

出来た映画は”伊豆の娘たち”

今では、足がおぼつかないのだが、当時は相当鳴らしていたようだ。

私は聞いた。

おじいちゃんはこの話を家の誰かにしたのか?、と。

すると、誰にもしていない。
私は、感じた。誰にも青春があり、何か話したいことがあるのに、今となっては誰も聞いてくれない。

これは悲しいこと。

誰だって、話したいことがあるのに、おじいちゃんの昔話に誰も耳を貸さない。

三越の無料ソファーで、ゆっくり、おじいちゃん、おばあちゃんの話を聞こうよ。

 

 


飲酒運転で、退職金がパー

2006-09-20 15:25:34 | Weblog

今日も、岡山の巡査部長が飲酒運転。

東京では、消防士が。昨日は山梨県の教育委員長が飲酒運転で逮捕。

警察の厳しい態度で、色々な人々が逮捕されていく。

それほど飲酒運転について、厳しい感覚ではなかったのだろう。

私自身も実はそうだった。
「チョットくらい。ビール一杯だから」、と言いながら、平気で車に乗っていた。
国民の大半がそうであったろう。

ところが、一旦逮捕されれば、懲戒免職。
懲戒免職になれば、退職金はパー。
免許停止などは、大した問題ではない。
しかし、退職金がもらえないのは実に痛い。

それだけで、離婚問題になりかねない。
私は、運よくつかまらなかったが、つかまった人は可哀想。

しかし、考えてみれば、そんなことを言ってはおられない。
福岡の職員が飲酒運転で、歩いていた家族に突っ込み、二人の子供の命が絶ってしまった。

飲酒運転によるひき逃げ事故が頻発。

このことを考えると、徹底的に飲酒運転は取り締まるべき。

退職金のことを考えれば、決して飲酒運転はやってはいけません。


ある高校の姿勢

2006-09-19 10:53:00 | Weblog

先週、テレビ朝日のスーパーモーニングで取り上げた福島県のある高校の問題をご存知でしょうか?
ご存知ではない方に、簡単に説明しておきます。

三年前、柔道部に所属していた一人の高校一年生の女学生が、柔道部の部長(キャプテン)にリンチ同然の仕打ちを受けた。脳に損傷を受けたため、今なお植物人間として入院中。

学校の管理不行き届きのためによくある話。
しかし、この学校はその時の対応が悪かった。
この問題をクラブ活動の事故として処理をしようとしたのである。

事故が起こった後、柔道部に所属していた生徒の父兄だけを集めて、説明会を開いた。
その場では、校長から、「幼い頃から、この子は頭に損傷を持っていた。」、と言い、決して学校の責任ではないことを強調しようとした。

ところが、そのリンチの様を見ていた生徒は納得いかず、「おかしい」、と申し出た。
それに対し、教頭は、「」そんなことをしたら君達は県の大会には出場できなくなる」、と脅しを入れるのである。

その後問題が大きくなるのを見て、学校側は、生徒にこのときの説明文をくばる。

そこには、他の生徒の父兄が、さもいっていたこのようは話ばかりが書かれていた。
事実無根の話ばかり。
その点を校長に説明を求めると、
「父兄の言った言葉は事実です」の一点張り。

この校長の話を聞くと、責任逃れの対応ばかり。
これが教育者なのかと疑問に思う。
素直に、被害を受けた女性との前で謝罪し、両親の前で謝罪する方が余程、気分がいいと思うし、教育者として取るべき態度ではないかと思う。

今日のレポートではこの問題は、市議会でも問題になったという。
だんだん、問題が大きくなり、自分のとった行為が悪意の目で見られるようになってきた。

どん詰まりになる前に、全てを明らかにして、謝罪をすべき。

行き着くところまで行くと、あなたは袋のねずみ。

柔道技に横四方固めというのがある。そんな寝技で動きが取れなくなるか、あるいは、関節技で十字固めがある。

これは、

「アイタタタタァ・・・」、で参ったと言わされる。


 


フセインの言い分

2006-09-17 00:43:40 | Weblog

今更、フセインをかばうつもりはないが、それにしてもおかしいではないか?
大量破壊兵器があるといって、イラク攻撃が始まった。
生物兵器があるに違いないといって、爆撃を始めた。
フセインとアルカイダの関係があるといって、人々を撃ち始めた。
また、ビンラディンとの関係があるといって、建物を爆破していった。

今になって、そんな事実はなかった、間違った情報だった、と米国政府はあっさりと認めてしまった。何万人もの兵士、民衆の命を犠牲にして、この落とし前は誰が取るのか?

ブッシュは潔く認めたのなら、大統領を辞めるべきではないのか?
でも、現実は辞めない。

アメリカもおかしな国である。

おかしな国といえば、日本。

米国政府が、そんな見解を出したにもかかわらず、それすら認めようとはしない。
これは一体何なのか?

小泉は潔さが売り物ではなかったのか?
悪いものは悪いと言ったから国民の支持を得たのではないか?

結局、お前もただの政治家、いや、政治屋。

そこで、フセインの不服を聞いてみたら、どうなるのだろうか?

俺は、大量破壊兵器などない、核兵器などないと言った。
だから、核査察を拒否した。
なぜそんなことを言ったのか、疑いの証拠を出してもらいたかった。
俺たちの国を滅茶苦茶にしたのは、アメリカ、イギリス。
未来永劫、俺たちはお前たちの横暴を憎む。

と、言ったところか。

まだまだ、生ぬるい?

そうだろうね。


▼消えゆくヨルダン

2006-09-11 11:06:40 | Weblog

田中宙のレポート<最終章>

なかなか、うなずけるところがあると思います。

▼消えゆくヨルダン

 アラブ諸国が親米の国是を捨てねばならなくなった場合、国家として「消滅」しそうなのは、アメリカからの援助だけで生きてきたヨルダンである。ヨルダン国民の6割はパレスチナ人(西岸からの元難民)なので、ヨルダンが親米から反米イスラム主義になると、イギリスによって据えられた傀儡的なヨルダン
の王制は倒され、パレスチナ人のイスラム主義勢力であるハマスが政権をとるだろう。

 この場合、パレスチナとヨルダンは一体化するだろうが、この新国家は強い反イスラエル志向になるに違いない。今のヨルダンは親米・親イスラエルなので、イスラエルにとっては急に隣国が味方から敵になってしまう。これも非常に危険な展開である。最近、イスラエルの新聞には「イスラエル政府は、ヨルダン王制を擁護することを公言すべきだ」と主張する記事が出た。

 イスラエルのオルメルト政権は、アラブ諸国が反イスラエルになることを防ぐため、アラブとイスラエルという親米の2つの勢力が組んで、反米のイランと対峙するという構図を作ろうとして、エジプトなどとの話し合いをしているが、これはうまくいきそうもない。イスラエルの中でも、右派が動かしているイスラエル軍は、アラブ人に嫌われるようなことをわざとやる作戦を貫徹しているからだ。

 レバノン南部では、イスラエル軍は、停戦直前の72時間に10万個のクラスター爆弾をばらまき、村々を不発弾の海にしてしまった。避難していた村人たちが戻り、復興を始めると、不発弾に触れて爆死してしまう村人が相次ぎ、アラブ中の人々がその光景をテレビで見て激怒している。イスラエル軍はガザにも再侵攻しており、西岸での入植地拡大も再開された。アラブとの和解は進むどころか、後退している。

▼イラン・イスラエル戦争は早ければ今年中

 イスラエル右派の人々は「イスラエルが生き残るには、イランと戦って勝ち、強さを見せつけるしかない。ヒズボラとの戦いで失われたイスラエルの無敵神話を、イランとの戦いで取り戻せば、中東イスラム諸国の人々は、イスラエルを潰そうとは思わなくなる」と主張し、イランとの戦争は時間の問題だと主張している。イスラエルの新聞を読むと、早ければ今年中、遅くとも今後2年以内に、イスラエルとイランとの戦争が始まりそうな感じがする。

 イランは、イスラエルの86倍の国土を持っている。人口も10倍だ。イスラエルがイランを攻撃したら、イランのほか、シリアヒズボラ、ハマスがいっせいにイスラエルを攻撃し、イスラエルは中東の全部と戦わねばならなくなる。ヒズボラとの戦争を先例として考えると、ブッシュ政権は口ではイスラエルを応援するが、援軍を送ることはないだろう。イスラエルは核兵器を使うだろうが、勝てる見込みはほとんどない。ユダヤ人は、再び世界離散に追いやられか
ねない。

 イランとイスラエルの戦争は、中東のあちこちで国境線の引き直しを生じさせるだろう。イギリスが第一次世界大戦でオスマン・トルコ帝国を崩壊させ、アラブ地域をいくつにも分割して確立した欧米の中東支配は、イランとイスラエルの戦争によって終わる可能性が大きい。すでに書いたアラブの非米化に象徴されるように、この戦争の後には、中東にはアメリカの傀儡色を持った国がなくなると予測されるからだ。

 中東は、イラン、サウジアラビア、エジプト、トルコなどを核として、多極化された世界の中で、独立した覇権地域として台頭してくる可能性がある。そこには大量の石油があるので、安定すれば豊かな地域になり、通貨も世界的な基軸通貨の一つになれる。ブッシュ政権が多極主義者であるなら、こうした中東の覇権獲得は、世界全体の経済成長率の押し上げにつながるので、好ましいと考えているはずだ。

 イスラエルは日本から遠い国なので、私がイスラエルについての記事を何度も書くと、興味を失う読者が多いかもしれない。だが、イスラエルとユダヤ人が今後どうなるかは、アメリカがどうかなるか、世界の枠組みがどうなるか、ということと大いに関係している。その意味で、私は、たとえ興味を失う読者が増えても、今後もイスラエルの状況を分析して書いていく必要があると感じ
ている。


イスラエル無敵神話の消失

2006-09-09 10:14:20 | Weblog

田中宙しのイラン・イスラエル戦争のシナリオ第3報

▼イスラエル無敵神話の消失

 1960年代の中東戦争以来、中東では、イスラエルと、その後ろにいるアメリカの無敵性が、広く信じられてきた。イスラエル軍がパレスチナ人を虐待し、米軍がイラク人を虐待し、それをテレビで見た中東の人々が頭に来ても、イスラム諸国の側がアメリカとイスラエルに戦いを挑むことは、負けると分か
っているだけに、無駄だった。

 だが、7-8月のレバノンの戦争でイスラエルがヒズボラを倒せなかったことで、この無敵神話が崩れてしまった。中東の人々は、ヒズボラと、その背後にいるイランに対する支持を強めるようになった。イスラム世界の人々から見ると、アハマディネジャドのイランは、中東で唯一、アメリカとイスラエルに対し、歯に衣を着せぬまっとうな批判を行っている人であり、そのことがヒズボラの「勝利」と相まって、中東の世論におけるイラン支持の急増となっている。

(アハマディネジャドは「ホロコースト」への疑問を呈しているが、その考え方は、実はまっとうなものである)

 イスラエルは、もともと住んでいたアラブ人(パレスチナ人)を追い出して作られた国である。アラブ人にとって、パレスチナ問題の根本的な解決方法は、イスラエルを戦争によって消滅させ、土地を取り戻すことである。だが、イスラエルとアメリカが強い間は、そのような解決方法は現実的ではなかった。アラブ人は、イスラエルやアメリカと話し合い、イスラエルに西岸やガザから撤退してもらい、そこにパレスチナ国家を建設するという次善の方法を選択していた。それとて、イスラエル内部の反対により、実現しなかった。

 ところが今、イラク占領とテロ戦争の失敗によって中東でのアメリカの影響力が減退し、イスラエルはアメリカの後ろ盾を失いつつあり、ヒズボラとの戦いで無敵神話が崩れた。これを見たイスラム諸国側では、にわかに「パレスチナ問題は交渉ではなく、武力(戦争)でイスラエルを倒すことで解決できるのではないか」という考え方が強くなっている。

 イスラエルの北にいるヒズボラは、7-8月にイスラエルに攻撃されても、まだ武力を持って生き残っており、いつでもイスラエルを再攻撃できる。加えて、イスラエルの南のガザにいるハマス(スンニ派過激組織)は、ガザの南にあるエジプト側から国境に掘られた秘密の地下トンネルをくぐり抜けるかたちで武器の供給を受けている。ハマスに武器を供給しているのはイランであるとされるが、ハマスもいずれヒズボラと同様、折りを見てイスラエルを攻撃し始めるとイスラエルで予測されている。

 すでにイスラエルは、北と南から、イランに支援された武装勢力によって狙われている。今後、中東でイランの影響力が上がり、アメリカの影響力が下がり続ければ、後ろ盾を失ったイスラエルを一気に武力で潰すべきだという過激派の考え方が、中東でますます優勢になる。イスラエルにとって、非常に危険なことである。

▼アメリカから離反するアラブ諸国

 中東においてアメリカの力が減退し、イランが台頭することは、サウジアラビア、エジプト、ヨルダン、ペルシャ湾岸諸国などの親米的なアラブ諸国にとって、国是の変更を迫られる事態を招き始めている。スンニ派主体のアラブ諸国と、シーア派主体のイラン(旧ペルシャ)は、昔から中東におけるライバルで、1979年にイランがイスラム革命によって親米から反米に転じ、アメリカからの経済制裁と、8年間のイラン・イラク戦争によってイランが弱体化した後は、親米のアラブ諸国が反米のイランより優位に立つ時代が続いていた。

 中東でのアメリカの力の減退と、イランの台頭は、親米アラブ諸国と反米イランとの力のバランスを反転させる効果を生んでいる。アラブ諸国の政府にとって、親米の国是を貫くことは、反米派に政権を奪われる危険を増やしている。アメリカがイラク占領や稚拙なテロ戦争を展開した結果、中東の民衆に嫌われる度合いを強め、アラブ諸国の内部では、政府は親米だが民衆は反米、という矛盾した状況が顕著になっている。

 イスラム同胞団などのスンニ派のイスラム過激派組織の支持が増え、エジプトでは親米のムバラク政権がイスラム同胞団によって倒されるのは時間の問題であるとすら言われ出している。最近ではヒズボラ支持、イラン支持も広がり、アラブ諸国の政府はアメリカから離反する必要に迫られている。

 アラブ諸国が「親米」から「反米」とまでは行かなくても「非米」「脱米」の動きを強めた場合、まず変わりそうなのはアラブ諸国のイスラエルに対する態度である。従来、親米アラブ諸国は、アメリカに命じられ、不本意ながらも、イスラエルと対立しないようにしてきた。

 ところが今や、イスラエルに対して寛容なことは、アラブの民衆が自国の政府を嫌う大きな理由の一つになっている。イランが台頭し、アメリカが減退し、イスラエルがアメリカの後ろ盾を失いつつある現状が続くと、イスラエルはイランだけでなく、アラブ諸国からも非難される傾向を強め、イスラエルを潰そうとする周囲からの力が増すことになる。


▼イラン問題を停滞させる米政府

2006-09-08 10:29:00 | Weblog

田中宇氏のイランとイスラエル戦争に関するレポート第2報です。

▼イラン問題を停滞させる米政府

 ブッシュ政権はイスラエルとイランを戦争させたいのだと私が感じ始めたの
は、今年7-8月のイスラエル・レバノン戦争からだが、その後9月に入り、
この感じはますます強くなっている。

 9月1日、「8月末までに平和利用を含むすべての原子力開発を停止せよ」
と命じた国連安保理の決議に、イランが従わないことが確定した。メディアの
事前の予測では、イランが安保理決議に従わない場合、アメリカは9月に対イ
ラン経済制裁案を安保理に上程し、ロシアや中国などの常任理事国の反対で制
裁案が通らなければ、アメリカ単独での核施設空爆などの武力行使を行う、と
いう流れになると見られていた。

 しかし現実には、ブッシュ政権は9月に入ってもイラン制裁の新しい決議案
を安保理に出さず、アメリカ政府高官はむしろ「イラン制裁に反対するロシア
や中国などを説得するために時間をかけることにした」と説明するようになっ
た。アメリカがイラン制裁の審決議案を安保理に出すまでには、まだ数週間か、
へたをすると数カ月かかるという予測記事も出てきた。

 欧米メディアでは、8月まで盛んに出ていた「アメリカはいずれ、イランの
原子力施設を空爆しそうだ」といった分析の代わりに「アメリカはイラク占領
の泥沼化で戦争に疲れてしまっており、イランへの敵対行動を強めることに慎
重になっている」といった分析が出てきた。ブッシュ政権は、口ではイランに
対して過激なことを言い続けているが、実際にやっていることは停滞である。

▼イランは無罪放免?

 もし今後、数週間もしくは数カ月の事態の停滞が実際に起きたら、その間に
イランの国際政治の力がますます増大するだろう。ロシアや中国、アラブ諸国
などは「イランの原子力開発が平和利用に限定されているのなら、何も問題は
ない」という態度をとっており、9月に入ってEUのイタリアからも、同様の
表明が出てきた。

 国連の原子力機関(IAEA)は「イランの原子力施設を査察したが、原子
力開発が核兵器製造のためのものだという証拠は出てきていない」という分析
結果を、これまで何度も出しており、最近では8月27日に出している。これ
らを受けて「イランの原子力開発は、平和利用に限定されているのだから、制
裁はおかしい」と言い出す国々が増えている。

(核兵器を作るにはウラン濃縮のための遠心分離器が数千台必要だが、イラン
が持っている遠心分離器は200台以下で、それをフル稼働させたとしても、
核兵器1個分の濃縮ウランを作るには10年以上かかる)

 国際社会で「イランは核兵器開発をしていない」「平和利用だけなら制裁す
べきではない」という意見に広がれば、アメリカだけが正反対のことを言い続
けても静かに無視され、イランは無罪放免となる。これは単なる無罪放免では
なく、10億人のイスラム世界の人々や、反米感情を強めるその他の国々の
人々から「イランはアメリカの脅しに屈せず、正しいことを正々堂々と言い続
け、アメリカを打ち負かした」という「英雄」「成功例」として見られること
を意味する。「非米化」が進む国際社会でのイランの威信は上昇する。

 つまり、ブッシュ政権がイラン制裁の動きを停滞させることは、イランを強
化することにつながっている。これは「失策」の一つなのかもしれないが、ブ
ッシュ政権のボルトン国連代表は、イスラエルとヒズボラを停戦させる安保理
決議の際も、土壇場で条文を変更し、誰もヒズボラを武装解除しないようにさ
せ、ヒズボラを強化してしまっている。この前例から考えて、ネオコンの一員
であるボルトンは、親イスラエルのふりをしてイスラエルを潰す陰謀を進める
ブッシュ政権の先兵であると考えられる。彼がやっていることは失策ではなく、
故意であろう。


イランとイスラエルを戦争させる

2006-09-07 08:49:51 | Weblog

昨日、田中宇氏の国際情勢分析を呼んでいたら、実に面白い分析だったので、
それをそのまま、シリーズで3回に分けて掲載します。

★イランとイスラエルを戦争させる
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 最近の中東情勢を見ていて、私は「アメリカ政府は、イランとイスラエルを
戦争させたいのではないか」と考えるようになった。

 アメリカのメディアの記事を読んでいると、従来は、ブッシュ政権はイスラ
エルにやらせるのではなく、いずれ自国軍の戦闘機を飛ばしてイランの核施設
を空爆し、アメリカが直接にイランとの戦争に入るのではないか、という予測
の方が強かった。

 しかし、7-8月のイスラエルとヒズボラの戦争について、ブッシュ政権が
イスラエル政府にうまいことを言ってけしかけて戦争させ、戦線をシリアにま
で拡大し、イスラエルとシリア・イランとの戦争を誘発しようとした疑いが出
てきた(イランとシリアは今年6月に軍事同盟を締結している)。私の中では
「ブッシュ政権は、親イスラエルのふりをして実はイスラエル潰しを画策して
いるのではないか」という見方が強くなった。

 ブッシュ政権は以前から、パレスチナでハマスを優勢にすることを煽ったり
して、イスラエルが好戦性を捨てて現実策に転換しようとするのを阻止する行
動を何度かとっている。「ブッシュ政権は実は反イスラエル」という見方は、
世間の「常識」とは大きく食い違っているが、私の分析の中では、以前からの
仮説の一つである。

 この疑いを持っているのは私だけではなく、イスラエルからも似たような疑
いが出されている。

▼イスラエル潰しの理由、3つの仮説

 私の分析では、アメリカがイスラエルを潰したい理由として考えられること
は3つある。1つ目は、アメリカの政界は1970年代からイスラエル系列の
勢力に振り回されており、イスラエルに牛耳られている状況を脱するために、
イスラエル潰しを画策しているのではないかというものだ。

 2つ目は「多極化」など、欧米中枢での世界の構造をめぐる対立と関係する
話である。第二次大戦後、国際政治の構造はずっと「アメリカ中心(単独覇権)」
ないし「先進国主導」の体制だったが、この体制は先進国の利権を優先するあ
まり、発展途上国の経済発展を阻害していた。先進国の経済成長が鈍化した
1970年代以降「世界全体の経済成長率を上げるため、経済成長の潜在性が
ある先進国以外の国々にも、国際政治上の権限を分散し、途上国の成長を喚起
すべきだ」という「多極主義」の意見が資本家層の中から出てきた。

 世界の覇権構造が多極化されることは、アメリカの単独覇権を前提に国家を
作ってきたイスラエル、イギリス、日本などといった国々にとっては困る。
イスラエルとイギリスは、米政界に影響力を持っていたので、アメリカ単独覇
権体制を維持しようとした。だが「隠れ多極主義」のブッシュ政権は、単独覇
権主義者のふりをしつつ、単独覇権を「やりすぎ」によって失敗させ、世界を
多極化するプロセスを仕掛けており、イスラエルやイギリスは、振り落とされ
つつある。

(戦前の謀略に懲りた日本は戦後、米政界への食い込みを一切画策しなかった
ので、今のところ、振り落としの対象にされていない)

 3つめの見方は、ユダヤ人の内部には、イスラエル建国を目指すシオニズム
運動が始まった19世紀から、シオニズムを支持する勢力と反対する勢力があ
って延々と暗闘を続けており、それが米政界を巻き込んで今の動きにつながっ
ているというものだ。これは以前の記事「イスラエルとロスチャイルドの百年
戦争」に書いた。(ロスチャイルドは、実は反シオニストである)


岐阜県裏金を、コンロで

2006-09-04 10:45:22 | Weblog

エーッ、本当か

岐阜県庁の裏金を焼却処分したとされる県可茂用水道事務所の元幹部(現在も県職員)の一人が3日、毎日新聞の取材に応じ、「使うこともできず、後の代に残すのもよくないと考えた。今思えば、荒っぽいやり方だった」などと語ったという。

しかし、弁護士らで作る「プール資金問題検討委員会」は1日に知事に提出した報告書で「費消した可能性も否定できない」。

元幹部2人が県の官舎で前任者から受け継いだ現金約15万円と残高約70万円の預金通帳を焼いた。しかし、2人とも金融機関名や通帳の口座名義、番号を記憶しておらず、焼いた時期などの証言にも食い違いがあったという。

これを記憶違いと言うか、あるいは、使ってしまったことを隠すためか?

前任者から裏金の入った金庫を引き継いだのが00年4月ごろだったと説明。

「触らない方がいい金がある」とだけ言われ、管理方法などについての説明はなかったという。直後に上司に相談したところ「県に戻すわけにも使うわけにもいかない」と言われ、「2人で官舎のキッチンコンロで約15万円を焼いた。通帳については、破って捨てたかもしれない。金庫の中にあった印鑑なども捨てたはずだ」と語ったと言う。

検討委の報告では、可茂用水道事務所のほか、学校人事課で現金約400万円が焼却され、岐阜駅周辺鉄道高架工事事務所で約100万円が廃棄された、とされている。
また、このほかに統計調査課で「自分の異動前に100万円を焼却した」と当初証言した担当者がいたが、その後、「前任者から300万円を引き継ぎ、課で全額費消した」と証言を変えた。

どうも、この岐阜県庁は無法地帯のようになってしまっている。

今日の新聞では、県の副知事まで裏金の存在を知っていたことが明らかにされた。

どこまで、モラルのなくなった県か?誰を信じればいいか?どうして、後から後から問題が発覚してくるのか?この体質こそが最も悪い。

以前、私が勤務していた東芝の関連会社では、輸出禁止品目が何の承認も取られず旧ソ連に流れていった。

そのことが発覚して、大きな事件になった。

その時、時の青井社長は英断を下した。

”法の遵守”を大スローガンに掲げた。

そして、東芝内にはびこっていた、「馴れ合い・法律無視」の傾向を排除してしまった。

私は、当時30代の後半。こうまでしなくてもと思っていたが、東芝の危急存亡の折、唯一の解決の鍵は”法の遵守”であった。

そのことがあって、東芝内ではこれほどやらなくてもと思うほど、厳しいチェックが始まった。

リーダーたるもの、遵法精神こそ最も大事なことと肝に銘ぜよ。


振り込め詐欺にご用心

2006-09-01 17:34:02 | Weblog

昨日、私の友人がやって来て、振り込め詐欺にあっちゃったよ、と。

聞いてみたら、息子さんが友人の保証人になった。その友人が蒸発し手不払いしたので、保証人の自分が払わなければならなかったというもの。

まず、自宅にいる奥さんがその電話を受けてしまった。
そこで、奥さん、金は何とか支払うから、息子を返してくれ、息子には傷つけないでくれと懇願したらしい。

私が3ヶ月前にあった振り込め詐欺と手口がほとんど同じ。
違う点は、息子が監禁状態になっていること。

私のケースでは、息子は追いかけられていて、新潟まで逃げていった。
もう自殺するというもの。

金額は同じく500万円。
電話が掛かったのも朝の11時。

「いやぁ、息子の声とそっくりだったから、完全に信じてしまったよ。」

そうです。人は声のトーンを落とし、ゆっくり自信なさそうに話すと、みんな同じように聞こえるという原理をうまく利用している。

結局、その友人は、会社から家に戻り、金策のことを考えつつ、交渉を始めた。

その時に犯人たちは、「つべこべ言わずに金を払え、奥さんはもう払うと約束したんだ。」と主張。

友人は息子がサインした保証書のコピーをファックスせよと迫った。

どうもココがポイント。負けずにエビデンスを取ること。

私の場合は、すぐに弁護士に相談した。すると、「どうせ表に出られない連中の脅しだから、無視しなさい。」とアドバイスをくれたことがよかった。

我々、この振り込め詐欺について検討した結果、最大の勝因は金がなかったこと。

払える金があったら、すぐに払っていただろうと結論ずけた。

ところで、今日の新聞では、手口が少し変わりつつあるようだ。
今までは、「痴漢で捕まった」と言って示談金を要求する手口が多かったが、
これからは、
「会社の金を使い込んだ」と泣きついて振り込みを求める手口に変わり始めたらしい。

また金額も500万円を超える被害額のケースが目立ち始めたらしい。

今年に入って7月までに届け出のあった振り込め詐欺の被害は1523件(被害総額26億1000万円)と、月200件前後で推移。

あなたのところに掛かってくるのも時間の問題。

十分に気をつけて下さい。

ところで、こんな振り込め詐欺をやっている連中に告ぐ。

「てめぇら、地獄に落ちろ!」

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