なぜ、沖縄にそれほどの米軍が必要なのか?
素朴にそんなことを思っていたころ、友人である70過ぎのおばあさんが私に聞いてきた。
そのおばあさんは、政治問題が好きなようで、日頃から色々私に問題を投げかけてくる。
やっぱり、沖縄から米軍がいなくなったら、日本の安全は脅かされるのでしょうか?
沖縄の人はこれ以上苦しまなければならないのでしょうか?
野田内閣はどのように、この問題を解決するのでしょうか?
アメリカは軍の維持費を日本に負担させているけど、何のためにアメリカ軍は日本やその他各国にいるのでしょうか?
彼女の疑問はどれも的をついていた。
私は、彼女に質問した。
我々の仮想敵国はやはり、北朝鮮、中国、ロシアだと思いますが、万一、彼らが日本に向けて攻めてくるとしたら、どこでしょうか?
ミサイルをどこに向けて飛ばすのでしょうか?
沖縄でしょうか?
おばあさんは明確にいった。
それは当然、東京や大阪の大都市でしょう。
あるいは、原子力発電所でしょう。
おばあさんの答えは100点満点。
私は、続けて質問した。
そのミサイルを撃ち落とすのに、沖縄基地から迎撃ミサイルを飛ばして間に合いますか?
もちろん、おばあさんの答えはノーです。
そうだとしたら、我々は軍事基地を東京や大阪を守るために配備するべきでしょう。
現に、自衛隊の配備はそのようになっている。
だとすると、米軍基地も、沖縄に置くのではなく、新潟や島根、北海道に置くのがいいのではないでしょうか?
おばあさんはすかさず、どうして島根や北海道なんですか?と聞いてきた。
北海道は択捉(エトロフ)、国後(クナシリ)、歯舞(ハボマイ)、色丹(シコタン)の領土問題でどんどんロシアが侵入してきている。これににらみを利かせるため。
島根は、竹島問題で韓国が占領を初めているため、ここに最大の関心を向けなければならない。
こんな理由で軍の配備、あるいは米軍駐留の場所を決めれば国民は納得すると思うよ。
やはり、軍は日本海側に置くべきでしょう。
迎撃ミサイルを日本海側に向けるのです。
日本はこのようにして守るのだという意志を持つべきでしょう。
このように主張した時。はたして、米軍が沖縄から基地移転を日本海側に移すことを了解するだろうか?
仮に、了解しないとすると、国防の観点が日本と異なるのである。
アメリカの関心は実は日本そのものではなく、東アジア、東南アジア全域なのだということが分かるのだ。
そうすれば、交渉も違ってくる。
いずれにせよ、国民一人一人が現実的国防の意識を持って沖縄の米軍基地のことを考えるべきだと思う。
また、領土を守るという意識をはっきり持たせる必要がある。
おばあさんは、納得してくれた。