ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

グッドモーニング・ベトナム

2019-02-11 14:54:22 | 映画


ご無沙汰でした。
例によって確定申告の季節、あいもかわらず四苦八苦してます。
しまっておいたはずの領収書がなぜないんだ!

今日の映画は
「グッドモーニング・ベトナム」
(1987年アメリカ。バリー・レヴィンソン監督。主演のロビン・ウィリアムズはアカデミー主演男優賞とゴールデングローブ賞を受賞)

ベトナムといえば、私の世代はベトナム戦争。
ベトナムは当時、南北に分かれていて、北ベトナムが共産圏(ソ連、中国が支援)、南ベトナムがアメリカによる傀儡政権。

アメリカは、インドシナ半島の共産主義化を食い止めるために戦ったと言ってましたが、実体は、ソ連共産主義とアメリカ資本主義との代理戦争だったわけ。アメリカが撒き散らした枯れ葉剤により、ベトちゃんドクちゃんのような結合双生児が生まれたことを憶えている人も多いかと思います。

ベ平連、といっても若い人たちは知らないかもしれないけれど
「ベトナムに平和を!市民連合」の略称で、作家の小田実、鶴見俊輔、開高健らの呼びかけで結成された市民運動のグループ名称です。当時、若者たちを中心にして反戦運動が広がりを見せており、私もデモに参加しました。

この映画の舞台は1965年のサイゴン(現在のホーチミン市)。まさにアメリカが北爆(北ベトナムに空爆)を開始した年であり、べ兵連が始動した年です。ここからアメリカは泥沼の戦争に突入していきます。終結したのは1975年。アメリカがはじめて負けた戦争でもあります。

主人公のクロンナウアー(ロビン・ウィリアムズ)は軍のラジオのDJとしてサイゴンに派遣され、コミカルなトークで多くの兵士の人気を集めますが、堅物の上官はこれが気にいらず、何とかして彼を追いやろうとします。
その間に、クロンナウアー自身が資本主義アメリカを象徴するかのように、金にモノをいわせて美少女を追いかけ、彼女が所属する英語教室の教師の職まで手に入れます。

彼は純粋にベトナムの美少女トリンが好きだったわけですが、そこには金さえ払えば何をしてもいいというアメリカ的感覚も潜んでいた、そのことに彼は最後になってようやく気づくわけです。

美少女の兄ツアンがとてもいい。彼はクロンナウアの友人となり何くれとなく親切に教えてくれ、しかも最後に彼の命を救うのですが、実はベトコン(南ベトナム解放民族戦線)だったことが発覚し、クロンナウアはグアムに左遷させられます。

とにかくロビン・ウィリアムズがすごい。
彼のマシンガントークはハンパなく、最近見たアメリカのスタンダップコメディの中でも群を抜いたスピード感です。
百聞は一見にしかず、とにかく見て聞いてほしいです。

ベトナム戦争を描きながら、流血の惨事なしに(少しあるけど)戦争の愚かさを見事に描いた映画です。

クロンナウアのいかにもアメリカ的な勘違いは見ていて痛快だし、美少女トリンの兄のツアンがまたいい。

ツアンがベトコンだったと知ったクロンナウアは、
「親友だったのに、信じていたのに、敵だったなんて!」と叫びますが、ツアンもまた、
「アメリカ軍の無差別攻撃で自分の母や周りの人達を亡くした、敵は自らの利益のためにベトナムで戦うお前達じゃないか。僕はお前を助けたバカ者だ」
と、涙ながらに反駁して姿を消します。

ここでようやく、クロンナウアは、アメリカ軍による南ベトナムへの「支援」は、実はアメリカによる傀儡であり利益確保であったという事実に気づくわけです。

アメリカ軍の兵士たちも皆若くして戦場に送られています。この人たちのうち何人が生きて母国に帰れたのだろうと思うと胸が痛みます。
ベトナム戦争の犠牲者は両国合わせて600万人とも言われていて、壮絶な戦争だったことがわかります。

あれから半世紀が過ぎ、ベトナムは近代化してホーチミン市は東京のような大都会に生まれ変わったといいます。

GWにベトナムに行こうと思っています。
そこで今ベトナムについての本を読んでいる最中です。また何かいい映画&本があったら紹介しますね。

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