ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

ヴィクトリア女王 最期の秘密

2019-12-22 20:35:16 | 映画

 

今日紹介するのは今amazonで配信されている映画、

「ヴィクトリア女王最期の秘密」(スティーヴン・フリアーズ監督 2017年)

ジュディ・デンチが出ているので見ました。
ジュディ・デンチ大好きなもので。

この映画に出演したとき、ジュディ・デンチは84歳だったそうです。84歳の老体を晒しながらもこの威厳と存在感。つくづく凄い女優です。

ジュディ・デンチが登場する映画、私が見ただけでも「チャーリング・クロス街84番地」「恋に落ちたシェークスピア」「ショコラ」「シッピング・ニュース」「あるスキャンダルの覚え書き」「パイレーツ・オブ・カリビアン」「マリー・ゴールドホテルで逢いましょう」「あなたを抱きしめるまで」「オリエント急行殺人事件」そして「007」シリーズの「M]役などなど・・

そこにいるだけでグググッとこちらが押されるような存在感がありますね。それでいて可愛い。威厳に満ちていながら可愛いという女性を演じられるのはこの人を置いてないでしょう。

というわけで、この映画もめっちゃ面白かった。

でも、これは言ってみればおとぎ話です。
「ほぼ史実に基づく物語」と冒頭に書いてはありますが、いえいえおとぎ話です。

ヴィクトリア女王の在位期間といえば、大英帝国最盛期で、在位は1837年から64年間という長きに及びました。インドはすでにイギリスの植民地で、従ってヴィクトリア女王はイギリスのみならずインドの女帝でもあったわけ。

彼女は「女王」ではあきたらず「女帝」という称号を自ら進んで獲得したといいます。つまりイギリスが最も栄え、女王が権力をほしいままにしていた時代。アヘン戦争の時代でもあります。

チャールズ・ディケンズが「オリバー・ツイスト」を書いたのもこの時代。そしてあの「シャーロック・ホームズ」が誕生したのもこの時代です。

だから、これが史実だと思ってはいけません。

それでも、面白いのよ、これ。

あの「マダム・フローレンス!夢見るふたり」(2019年7月23日の記事参照)の監督といえば、ああ、なるほどねえ、と思われることでしょう。

ストーリーはネタバレにならない程度に。
ヴィクトリア女王の晩年。夫を亡くして悲嘆にくれていた孤独な女王を慰めたのがインドからやってきた若いアブドゥルでした。イケメンのアブドゥルに女王は目をつけ、彼を女王の従者に命じます。インドの貧しい青年がいきなりイギリス王室の女王の御側付きになるなんて聞いたことがない。宮廷やら政治家やらがもうかわいそうなくらい右往左往するのですね。

でも全く動じない女王。そして女王とアブドゥルの距離は縮まっていき・・

世界を制覇したイギリスの女王もしょせん一人の女性で、寂しさやわびしさを分かち合う友人が必要だった、というお話。

とてもいいお話です。おとぎ話だけど。

随処に笑いが散りばめられていて、前半なんてもう笑いっぱなし。女王の我がままぶりに右往左往する宮廷の人たち、政治家たち。彼らを尻目に女王は自分の意志をどこまでも通す。

女性が君臨する国というのは、どこか男性が君臨する国とは違う雰囲気があるのかもしれません。あるいは、そうだといいなあ、という願いを込めて作られた映画なのかもしれない。

ちなみに、ヴィクトリア女王は大のイケメン好きだったというから、やっぱりイケメンには甘いのね。80歳を超えた女王がまるで少女のように目を輝かせてアブドゥルとダンスを踊るシーンなんて素敵です。

とにかく可愛いのよ。この女王が!

ジュディ・デンチといったら「007」の「M」役で有名だけど、こんな女王役もぴったりね、と思いました。

これが史実そのままではないことを心に留めながら、でも面白くて楽しい映画を見たい人にはうってつけです。

ジュディ・デンチよ永遠に! 

コメント
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