物は壊れる人は死ぬ…

2012-03-03 | ◆大好き!!

▲解散を知った音楽雑誌[MUSIC MAGAZINE]と最初に聴いたアルバム[カメラ=万年筆]

ということで、世界一愛していたバンド“ムーンライダーズ”が
昨年末解散してしまいました。

今回のタイトルの言葉は、このブログの看板にもなっている
ムーンライダーズのアルバム[青空百景]の中の歌詞の一部で、
形ある物はやがて消えてゆくという事を、
生きる苦悩になぞって歌った歌詞で、
まさにこの詩が示唆していたように35年間続いてきた、
※1980年代後半の一時期、活動停止の期間もありましたが。
日本でもまれな長寿バンドも、ついに終焉を迎えてしまいました。

メンバーはもう皆60歳前後ですから(自分も歳をとるはずだ!)、
※「Don't Trust Over Thirty」と口ずさんでいたのが
 昨日の様な気がするんだけれど…
もうここまできたら、ストーンズのようにいくとこまでいくしかないと思い、
個人的には無責任にも解散など考えてもいなかったんですが、
どうも事情は違ったようでした。
何か311の影響でもあったのでしょうか…?

正確には昨年末を持ってという事でしたが、
個人的に解散を知ったのは、
先月発売の雑誌[MUSIC MAGAZINE]ででした。
この情報化時代でも、この情報を知るまでの時間のギャップは、
相変わらず、このバンドが世の中の流れとは少し違った位置に
存在するという事を再認識させてくれました。
もちろん自分がちゃんとチェックしていれば、
すぐに確認はできた事なので、自分の気のゆるみもありましたが…

最初にムーンライダーズの曲を聴いたのは
ちょうどYMOがヒットし始めた頃で、1980年頃かと思います。
もうムーンライダーズのアルバムは6枚ほど発売されていて、
当時、最新盤の[カメラ=万年筆]のアバンギャルドなつくりが気に入って、
過去のアルバムも遡って全て聴いていました。
[カメラ=万年筆]はシンセサイザーを駆使してつくられた
ニューウエイブなアルバムで、YMOとは一味も二味もちがった
魅力的なバンドでした。
このアルバムのコンセプトは仮想映画音楽で、
それらしきタイトルで、それらしき11の曲がつくられていました。
今でも、時々思い出したように聴く一枚です。


▲一時発売中止になった[マニア・マニエラ]と代わりに発売された[青空百景]

ただ当時から、マニアックな曲作りが一般受けせず、
常にレコード会社と衝突する事が多く、
ファン層も限定された一部の層にしか受け入れられていなかったのは、
解散するまで変わらなかったところですね。
個人的にはアバンギャルドさと微妙なポップな感じが
見事に融合したロックで聴きやすいと思っていましたが、
世間的には最後まで受け入れられず、
ベスト盤を含めれば30枚以上のアルバムを発表したにも関わらず、
メジャーヒットは1曲もありませんでした。

象徴的だったのが、1982年のアルバム[マニア・マニエラ]の発売に
レコード会社からクレームがつき(過激的・売れない…)、
急遽ポップス指向のアルバム[青空百景]が
緊急制作され、代替発売されました。
結果的には、[青空百景]の方が多少聴きやすいかな…
と思う程度でクオリティの高さは全然変わらず、
ライダーズファンには楽しみが倍になっただけの大喜びの2枚でした。
と言うのは、結局[マニア・マニエラ]も後日CDとして発売されました。
ただ、時代はまだレコードからCDの転換期で、
CDの国内版も発売され始めたばかりの時期でしたし、
ハード(プレイヤー)の方も高価で購入できず、
しばらくは聴きたくてもお預け状態でした。
※その後、[マニア・マニエラ]はカセットブックとしても発売され、
 個人的には、そちらで先に聴く事となりました。

知らない人も多いし、ヒット曲もなかったバンドですが、
個人的には最強の才能集団だと信じています。
信じる我道を突き進む姿は最高でした!!
メンバーそれぞれがオリジナル・アルバムも発表しているし、
CM・映画音楽・プロデュース・バックアーティストと
活動の場は枚挙に遑がないが、
その活躍ぶりは裏方仕事が多く、
熱烈なファンにしかその活動を知られなかったのが、
ちょっと残念でしたね…

ムーンライダーズの詩は難解なものが多いんですが、
ちょっとしたフレーズが頭にこびりついたり、
いろんな風景が見えてきたり、想像させてくれる事がとても好きで、
勝手ながらブログのタイトルに
アルバム名[青空百景]を拝借した次第でした。
※マニア・マニエラも考えたが…やっぱり解りにくいかな… 
 と思ってしまった(苦笑)

解散は残念と言えば残念ですが、
バンドとして残してくれた30枚近くのオリジナル・アルバムと
各メンバーとその関係する、
膨大な量のアルバムがあれば生きていけます(笑)。

今後は6人が全て集まるのは難しいかもしれませんが、
変則的なセッションはあるはずだし、たとえ一人ひとりでも、
ムーンライダーズの精神は不滅だと信じています。
新しいもの好きで、ちょっと屈折した個性派の6人、
今は、35年間素晴しい楽曲と創造を提供してくれた事に、
本当に感謝したい気持ちで一杯です。

とりあえず最後のアルバム(Ciao!)を買ってこなくちゃ…

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