<聴く>
1.昨晩の
「河村尚子ピアノリサイタル」(11/17、東京オペラシティ・コンサートホール )には、心底から驚嘆した!
こんなことを言っては顰蹙をかうかもしれないが、聴いた一枚のCDの印象はなかなかのものだったにしても、河村尚子という名前もごく平凡だし、まさかここまでのピアニストだったとは到底思ってもいなかったので、その予想をはるかに超えた素晴らしい演奏には正直なところ体が震えるほどに感動した
最初のバッハはともかく、2曲目のベートーヴェンのソナタから後はもうただただ息を呑み、魂を鷲づかみにつかまれっぱなしのような演奏であった。
この気持ちは、チョン・キョンファや庄司紗矢香、そしてジャズの上原ひろみを初めて聴いたときと同じものだ。
これみよがしなところは何もないが、驚嘆すべきリズム感、超絶技巧、そして知性と情感にあふれ、それでいてとても若い女性とは思えないパワフルなタッチ。
総勢6人の同行者全員、深く満足して演奏会後の飲み会も大いに盛り上がった。
まだ29歳の河村尚子だが、すでに世界のトップ・アーティストのひとりにまちがいない。
ともあれ心底からの感動で、久々に興奮した。
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・J.S.バッハ=ブゾーニ:「主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ」BWV.639
・J.S.バッハ=ペトリ:「羊たちは安らかに草を食み」BWV.208-9
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第18番 変ホ長調 Op.31-3
・ブラームス:4つの小品 Op.119
・ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35
・ショパン:3つのマズルカ Op.59
・ショパン:スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 Op.39
<アンコール>
・シューマン:トロイメライ
・シューマン:「ウィーンの謝肉祭」より “インテルメッツォ”
・ブラームス:6つの小品 op.118 第2曲 “インテルメッツォ”