雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

若松丈太郎+アーサー・ビナード『ひとのあかし』(清流出版、1,700円)

2012-01-27 14:15:21 | Weblog


3・11後、その存在を初めて知り、最大の尊敬の念を抱くようになった南相馬市の詩人若松丈太郎さんと、3.11以前から深く敬愛してきた在日米人の詩人アーサー・ビナードさんが、写真家の齋藤さだむさんと組んで、『ひとのあかし』(清流出版、1,700円)という素晴らしい本を出版しました。
Amazonで注文していたその本が、今朝届きました。
奥付を見ると、発行日はなんと2012年1月27日、つまり今日です!

構成は、以下の通りです。


桜と予言と詩人――アーサー・ビナード
Cherry Blossoms, Prophesies, and Poet――Authur Bonard

ひとのあしおと <2011年5月>
What Makes Us <May, 2011>

みなみ風吹く日 1 <1992年11月>
South Winds 1 <November, 1992>

みなみ風吹く日 2 <2008年8月>
South Winds 1 <August, 2008>

神隠しされた街 <1994年8月>
Disappearances <August, 1994>

読者のみなさんへ――若松丈太郎
Afterword――Wakamatsu Jotaro


ビナードさんは序文で、こう書いています。

「本書におさめた『神隠しされた街』は1994年に発表された。2011年3月11日以降にこの詩と出会う読者はみんな驚嘆して、鳥肌が立ち、読み返して再び驚き、『予言だ』とささやく。ぼくは100回以上読んで、それでも鳥肌が立ち、若松さんの見事な構成と描写に、なんとか英語でも近づこうと、翻訳に励んだ。そして、やはり『予言だ』と繰り返しいった。/すると若松さんは『わたしは予言者ではまったくない。ただただ観察して、現実を読み解こうとしただけのこと』と答えた。さらに、『わたしの見方が、大きくハズレていたらよかったのにと、毎日考える』とつづけた。」

書名となった「ひとのあかし」を載せておきます。

ひとは作物を栽培することを覚えた
We humans, long ago, learned to grow crops,
ひとは生きものを飼育することを覚えた
 learned to raise animals too.
作物の栽培も
生きものの飼育も
 THe crops we grow, the animals we raise:
ひとがひとであることのあかしだ
 all living proof we're human.
あるとき以降
 Along the way, though, things changed.
耕作地があるのに耕作できない
 A field waiting to be planted,
but from now on, no crops must be grown.
家畜がいるのに飼育できない
 A barn full of animals,
but raising them just adds to the damage.
魚がいるのに漁ができない
ということになったら
 Fish are there in the sea,
but the fisherman's catch
 is no longer fit to eat...
ひとはひとであるとは言えない
のではないか
 which is where we stand.
What makes us human?


脱原発と住民本位の福島・東北の復興を願う多くの人びとに、ぜひ手にしていただきたい本です。



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