壁際椿事の「あるくみるきく」

東京都内在住の50代男性。宜しくお願いします。

ヒラメ

2011年12月20日 | かんがえる

橋下徹元大阪府知事による大阪府の教育条例案は、(1)教育目標を知事が教育委員会と協議して設定する、(2)教員の懲罰規定の強化、(3)教職員に対する5段階の相対評価を実施し、2年連続最低ランク評価の教員には免職も含む分限処分、(4)3年連続定員割れの府立高校は統廃合、(5)保護者らによる学校協議会が教員を評価する、などがその内容です。

(3)に関して。学校ごとにS5%、A20%、B60%、C10%、D5%と校長が評価し、2年連続D評価の教職員は処分するという内容だそうです。

以上、「あらたにす」のジャーナリスト、勝方信一氏の文章で知りました。氏の立場は、教育現場の信頼関係を損なうから、条例案に反対。同条例案を東日本大震災の被災地の学校現場に導入できるか? それを想像すれば条例案に無理があることは明らか(要旨)と述べられています。

どんな制度にも抜け道はある。校長が「現場を守る」という姿勢なら、毎年、5%のD評価を別の人に付けることで、処分を避けられます。低評価の分かち合い。ワークシェアリングのような考え。これで条例案(3)を無効力化できます。この場合、「行政VS校長・教員」という構図です。

一方、校長が、そうでない姿勢なら、能力のない教員(ひょっとして嫌いな教員も?)に2年連続、D評価を付けることがあるでしょう。この場合、「行政・校長VS教員」です。

どっちにしても、教育条例案が実施されると、校長の権限が強くなる。そして校長の任免権者の権力がもっと強くなります。上司の言うことを気にしてばかりの人材を、俗にヒラメといいますが、ヒラメ教員が増えるでしょう。それは民主的組織にとって、好ましいことでないはずですね。


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