壁際椿事の「あるくみるきく」

東京都内在住の50代男性。宜しくお願いします。

『アイスブレイク入門』、ぜひ実践したい

2011年06月30日 | 読書(ノンフィクション、実用)

『アイスブレイク入門』(今村光章著)を読みました。今村氏は、岐阜大学教育学の先生。アイスブレイクとは、直訳すると「氷を割る」。初対面の人同士が、ぎこちなく、氷のように閉ざしてしまう心を、ほぐすという意味です。

初対面同士が集まる場は、結構ありますね。学校のPTAの初会合、カルチャーセンターなどの市民講座などなど。そんな場面で、まず参加者の心を溶かせることは、その後の会合や講座への積極度や理解度を高めるために有効です。また、ふだん接している人同士でも、アイスブレイクのさまざまの技を使うことで、関係性を再発見できる効用もあります。

具体的なノウハウが満載でした。面白そうだった項目をいくつか。
1)バースデーチェーン
2)名前チェーン
3)見えない大縄
4)となりのとなりゲーム
5)目で捕まえる(アイコンタクト)
6)共通点探し
7)風船のレッスン
8)声で出会う
9)主導権を意識(輪ゴムゲーム)

1)2)は、座る場所を決めるゲームです。「姓の50音順で、ここから時計回りに並んでください」と司会者は声を掛ける。すると、見知らぬ人が隣という車座ができます。「はい、隣の人と1分ずつ交代で自己紹介してください」とやるわけです。次に、「次は誕生日順に、並び変えてください」。すると、また別の人が隣という輪になる。そこで、また「隣の人と1分ずつ交代で自己紹介を」とするわけです。

「私はタナカです。あなたのお名前は?」「私は5月13日生まれです。あなたは? え、3月。じゃあ私の前ですね」なんてやるうちに、なんとなく相手のことが知れる。さらに輪になって自己紹介する、というわけです。

3)以降は、初対面の人が仲良くなるゲームです。詳しくは同書をご覧になっていただくとして、1点だけご説明します。

7)です。いくつかゲームをして、仲良くなりました。さて、車座の両隣の人と手をつなぎます。そこに風船を1つ投げ入れる。「風船バレーボールの要領で、落とさないよう、風船を弾き上げてください」と説明します。両手は両隣の人とつないでいますよね。

風船が、自分の右前に落ちてくる。右手で弾き上げたいが、手をつないでいる右隣の人が、左手をどう動かすか分からない。強引に動かすと、隣の人と息が合わない。遠慮していると、風船は落ちてしまいます。

何度かゲームをしているうちに、「全ての人が、右手は自分の意思で動かし、左手は左隣の人の意思に任せればいい(あるいはその逆)」と悟るそうです。

なんか、スゴクないですか? 人類全体として、譲ったり譲られたり、我を通したり後悔したりしながら学習し、バランスが取れている。そんなことも考えてしまいました。




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