ソプラノ歌手 中川美和のブログ

ソプラノ歌手 中川美和のブログ

ドイツの優しさ

2011-03-19 03:36:41 | ドイツのこと

長い日記ですが…失礼します。
日本、まだまだ落ち着きませんね…
なのに私の周りの人…家族や友人たちからは「日本の事は気にしないで、みわは歌の勉強に専念してね」と言われました。

でも

専念できるわけないですよ。

友人は近しい親戚が行方知れず。東北出身の友人も数人。
知り合いで福島在住の人もいる。「負けないぞーっ!」て言いながら。ずーっとドイツで何ができるか何ができるか…て考えて。

本当は自分が何か音楽活動でもって返せればいいんですけれどね。日本にいれば音楽でできる事もあったのかもしれないけど。 でも、今はできないし。 自分がそれなりに著名ならば、ネームバリューでもって出来る事もあるんでしょうけど…

歌の練習しても、ドイツ語の勉強してても意識の八割は日本の事。出るのはため息ばかり。
ドイツ語で会話してても、突然無意識に日本語になり、
「…何言ってんの?」
て相手に言われる始末。うおう意識飛んでたぜ、みたいな。

でも、いまもっとも大変なのは、被災地の人、そこで命がけの活動を行っている人、そして被災地じゃなくとも、それなりに混乱起きている地域の所。東京の人たちだって、私から見たらそれなりに被害受けてるよ・・・て思います。原発におびえ、余震に驚き、買い占め問題、停電…て。ドイツでは考えられない事です。

で、前の日記でも少し書きましたが。
地震直後。こちらの知り合いで、日本人である私の顔を見たとたん、抱きしめて慰めてもらったり、ドイツ人さんが励まそうとしてくれて、元気出してね、て、お花くれたりして。 ドイツの人の(ドイツ人以外も多かったです。)の優しさに触れて。すごく嬉しかった。
嬉しかったけど、でも、その気持ちが必要なのは私じゃあないんですよ。もっと必要な人が他にいる。

彼らにとっていちばん身近な日本人が私だったんですね。つまり、
日本=私
…という図式なわけですよ。

だから、私に優しくしたら、日本に対して何かしたような気持になるのではないのかと。いえ、非難しているわけじゃありません。その暖かい気持ちはうれしいんです。実際なぐさめられましたしね。
だったら、そのドイツの人たちの暖かい気持ちを、支援という形にして日本に届けられないかなーと思って考えてみました。

例えば、外国人さんからの笑顔の写真や、とか励ましのメッセージ…色々あると思います。それでパワーをもらえるのも事実。
…けどほら、そういうのってセンスとか気配りいるじゃないですか
あいにく私、男らしいとはよく言われるのですが女子力はそれなりにマイナス値…だからそういうセンスは難しいかなと思うわけで…orz

ドイツは節電もないんだから…と思い、ネットフル稼働で調べると。災害対策のプロ以外ができる、誰にとっても確実な支援は『金』。

おお、合理的。
だったら、やっぱり募金なら確実かなーって。結局普通な考えだけど、そこに落ち着きました。

でね。ドイツ赤十字とゆーのがあります。
あの『赤十字』@ドイツです。今そこで日本への義援金募ってんですよ。
これです。→ ここをクリック

リンク先のドイツ語はというと、
『いま日本は大変だから募金しよう!振込先はこの口座ね。オンラインでもできるよ』
…的な内容。(略しすぎ…)
そこで集められたお金は現地で救助活動を行っている日本赤十字にいくそうです。


募金する側も、お願いする側も、著名なところの方が不安がなかろう、と思い。とりあえず上記のドイツ赤十字のページをプリントして、毎日持ち歩いて、出かけたり買い物しに行ったりした時に、良さそうなお店屋さんを見つけたら、その紙を貼ってもらえないか頼む事にしました。

お店の人が貼ったらお客も見るし、お客が見なくても、少なくとも店員は毎日見るよな、て思ったんです。そしたら、店員さんだけでも、1ユーロだけでも寄付してくれるかもって思ったのでこういう形にしてみました。
私もしばらくこちらで過ごす以上は、ミュンヘンの中の色んなお店に行くでしょうし、また、他の都市にも行くでしょうしね。
また、観光名所での募金は既にしてる人もいるみたいだし、色んな方法があった方がいいかなと思って。

ただ募金と違って、確実に金額が集められるものではないし、この方法が良いのか未だに自信ないですが…
…しかもヘタレで、まだ本当に数軒しか回れてないんですけどね…すんませんごめんなさい…

で。プリント持って、「これ貼って~
と、お店に頼んでみると、反応はそれぞれ。でも、貼ってくれる確率七割ってとこですかね。なかなかの高打率

ちなみに、地震直後に私を抱きしめて慰めてくれたタイ人のお店の人は、「喜んで貼るわ!」
て言いながらプリントを受け取ってくれ。私も振り込むわーといいながら、口座番号を書きとめてくれました。うれし~

もちろん断られる時もあります。その時に、Nee(強い否定)って言われる事もあります。
でもお店ってそれぞれですからね。お願いした人が権限のないバイトさんの場合もあるでしょうし。また、店内の雰囲気は営業形態にもかかわってくるから。あんまり気にしない事にし。

OKしてくれた中には、トルコ系のお店だったんですが。他の客ほったらかしで私の目の前でペタペタと貼りだしてくれ。しかも「もう一枚ある?」と言って、店内で一番目立つ柱の両側に貼ってくれました。

また、別のOKしてくれた店は、私が頼んだ時はお客が少なかったのですが、急に店内が混みだしたので、プリントを持ったままの店主があわててお客の対応に回り。お礼を言って去ろうとした私の背中に、
「明日、お店を開ける時に必ずドアに貼るからね!」(その時閉店間際だった)
とさけんでくれました。
(後日、見たらちゃんと貼ってくれてました


また別の時。
もったりもったりと歩いていたら、広場出たのですが。 そこに赤いキャンドルが並んでて。キャンドル文字でJAPANて書いてありました。 日本人がやったのかしら、うれしーなー、と思いながら、プリントを取り出して、キャンドルの下(火はついてなかったので)に挟んだら、近くにいたドイツ人の男性が、日本人なの?と声かけてきました。
うんそう、と話し始めたら、彼がそのキャンドル文字を作ってくれたとのこと。

彼はもうドイツ赤十字への寄付はもうやってくれてるらしく。それでも私が勝手に置かせてもらったプリントは、もちろんそのままにさせてくれました。
私が、 「友達の家族が、まだ見つからないんだよね」
と言ったら
すっ、手を合わせて、すごく自然に祈ってくれました。

↑はい私、号泣フラグです。
しかもティッシュをたまたまもっておらず。マフラーで大量の涙と鼻水を拭くという大変な事に(笑)
ユニクロのマフラーでよかった…

けれど、一番貼りたかった銀行は無理でした…
プリントには口座番号が書いてあるから。気軽に振込しやすいかな、と思ったのですが。銀行に用事があった時に、ダメもとで頼んでみたんですよ。まーああいう場所は難しいですかねえ…

ただ、私がお願いした人が、貼るのは無理だけど、と言いながら私の前で口座番号を書きうつして。
「自分は振り込むし、同僚達にも伝えておくから」
と、言ってくれました。


本当はこの日記書こうかすごく迷いました。何か上手く言えないんですけど、ひけらかすような、といいますか、善意の自己満足になってないかな、という気がして…
でも私がドイツにいるからこそできる事って考えた時、ドイツ人の優しさを伝えられたらな、思ったんです。
ドイツの人も(ドイツ人以外も含めて)日本の事気にしてくれてるよって伝えたかったのでやっぱり書く事にしました。

日本では義援金の送り先は、いまあらゆる所に見かけると思いますが、はたしてドイツでは、その義援金の送り先を知ってる人がどれだけいるかな、と。今のところ、義援金の募金箱はあまりみかけません。

けれど、ドイツのテレビでも新聞でも連日トップニュースだったので、日本が大変な状況なのはドイツでも知られている。だから、お願いすれば、義援金に賛同してくれる人がいる。
そして、その義援金の送り先を皆に知らしめる事に賛同してくれる人達がいるよ、って。 それを日本の人に伝えたかったんです。だから敢えて書きました。


・・・本音を言いますとね。
本当は、ドイツの人たちに、きちんと今の日本の現状を説明して、何が問題なのかを伝えたうえで、募金をしてくれ、と自分の気持ちをきちんと言えたらいいんですけれどね。
そして今回の震災の問題は今だけではなく、一年後、五年後…と長い間続いていくでしょう。
そういう事まで伝えられて、ドイツ人たちに対して、初めて注意喚起と言え、その上で募金という行動に移してほしい。
そういう気持ちは、日本に一番必要な、今後何年にもわたる支援にもつながると思うのですが・・・

でもドイツのコミュニティにも属しておらず、語学力も不足している私には、お店にプリントを貼って、てお願いするだけの乱暴なやり方ですが、これが精一杯です・・・お恥ずかしい。

せめてもの罪滅ぼしではないですが、これからもじわじわとやっていきたいです。募金と違い、目の前で現金が動くわけではなく、ただプリントを貼るのをお願いするだけの事なので、今後取り立ててご報告はしないでしょう。

そしていま、日本で音楽活動を行ってる皆さま。予定されている公演が成功する事を願っています。

今は音楽でもって日本に貢献できない私ですが、いつか必ず、私も皆さんの仲間入りができるようになりたいです。
そのために、私はいまドイツで勉強しているんですから。




 ブログランキングに参加してます。ポチっと!クリックして下さいね~。 






最新の画像もっと見る

コメントを投稿