ソプラノ歌手 中川美和のブログ

ソプラノ歌手 中川美和のブログ

「モーツァルトの子守唄」の訳詞

2018-05-31 21:28:57 | 歌のこと
今日、生徒さんに「モーツァルトの子守唄」のレッスンをしていたのですが。

改めて、この訳詞の凄さ。
ピアノ伴奏を聞きながら、感動してしまいました…

美しくてわかりやすく、イメージがクリアになり、伴奏にもぴったりリンクしている。
本当に素晴らしいとしか言いようがない。



「モーツァルトの子守唄」
訳詞 堀内敬三


ねむれよい子よ 庭や牧場に
鳥も羊も みんな眠れば
月は窓から 銀の光を
そそぐこの夜
ねむれよい子よ ねむれや

家のうちそと 音はしずまり
棚のねずみも みんな眠れば
奥の部屋から 声のひそかに
ひびくばかりよ
ねむれよい子よ ねむれや




特に、1番だとここら


「月は窓から 銀の光を
そそぐこの夜」
(原詩)
Luna mit silbernem Schein
gucket zum Fenster herein.
Schlafe beim silbernen Schein.

ここらはもうもう、完璧としか言いようがない…内容は原詩そのままに、しかも音の跳躍と重ねて歌いやすく、何より詩的で美しい。
訳された堀内敬三先生は、天才過ぎますよね…

小説、ルパンの傑作、「奇巌城」
レミゼの邦題、「ああ無情」
この2作の邦題訳の凄さを知った時も、腰が抜けそうになりましたが。
(あと「椿姫」とかね。この邦題をつけたのは、森鴎外だっけ。)

こういう訳って、どーやって作るんでしょうね…
天才過ぎて、ただただ圧倒されます…
邦題を呟くだけで、何かもう幸せな気持ちになってしまって、中身読まないでもお腹いっぱいです、くらいな凄さ(笑)

こういう人たちの特徴って、言葉というか、文章がとにかく美しいんですよね。品があって。
こういう、訳から滲み出てくる『品 』というのは、どこからくるのか…

「奇巌城」ですよ、「奇巌城」…
レ・ミゼラブルを、どうして「あぁ無情」なんて言葉に出来てしまうのか…
内容を表現し尽くしてるんだよね、また…

話は「モーツァルトの子守唄」に戻りますが。

歌のサビのあたり
「銀の光を そそぐこの夜」

特にすごいのは
「この夜」という言葉だと、私は思います。

この、「この夜」の部分は、原語では、
Schlafe beim silbernen Schein.
「お月様の銀の光と一緒に、ねーんね、ねんね 」
て感じの事を言ってるんですが。
この内容そのままの日本語では、少ない音符の中には言葉が到底入り切らない。

少ない言葉で、原語のニュアンスをどうやったら表現できるか…からの、何という大胆な言葉のチョイス。

「この夜(よる)」
この四文字だけで、幸せな気持ちと優しさと、月の光が満ちてくるようで…どんなニュアンスをより強く表現するかも、歌手の裁量で幅広く表現できる言葉。
堀内敬三先生、天才過ぎる。

わかりやすい訳詞、歌いやすい訳詞…などというのは努力で作れるかな?という気がしますが、上記を満たして更に
「品のある訳詞」
これはもう、どうやったら作れるのか…

こんな訳詞を1回でも作れたら、楽しいだろうな~…


~~~~~~~~~~~~~

「こうもり」のチケット(全席指定)は、残り少なくなっております。どうぞお早めにご連絡下さい。券種によっては、すでにご希望のものが手配できない場合もありますので、ご了承下さい

チケットのお申込み・お問合せは、
「アンダンテ企画」まで
・電 話 080-2553-5670 (平日10時~17時)
・メールでのお申込みは、こちらからどうぞ!
ticket@nakagawa-miwa.com

S席/4500円、A席/3500円、B席/3000円、C席/2000円

~~~~~~~~~~~~~
第9回 草加パインオペラ
喜歌劇「こうもり」(日本語上演)

◆日時◆ 
2018年6月24日(日)14時開演(13時開場)

◆会場◆ 
草加市文化会館(ホール)
(東武スカイツリーライン)
(「獨協大学〈草加松原〉駅」東口徒歩5分)

◆指揮◆新井義輝
◆演出◆直井研二
◆舞台監督◆岸本伸子

◆キャスト◆
アイゼンシュタイン 田代誠
ロザリンデ    田中宏子
ファルケ博士   小栗純一
アデーレ     中川美和
アルフレード   吉川響一
ブリント博士   渡辺将大
フランク     村田孝高
看守フレッシュ  浅山裕志
看守フラッシュ  金井龍彦
オルロフスキー 櫻井日菜子
イーダ      吉川歌穂
エアハルト    砂畑浩樹
エミーリア    緑川葉子
バルバラ     高津淳子
ハンナ     中村希和子
◆特別ゲスト◆
大澤一彰
青盛のぼる

◆合唱◆
ソウカパインオペラ合唱団
谷塚少年少女合唱教室
◆ダンス◆
アルテ・エスペランサ
◆オーケストラ◆
チェンバーミュージックハウスオーケストラ



ブログランキングに参加しています。

ポチっと!2ヶ所クリックして下さいね~















稽古場近くの

2018-05-20 00:30:11 | 歌のこと
遠藤が休場。栃ノ心が不戦勝…
あぁあああ
どうなるんでしょうね、この夏場所!!

…すいません、相撲好きなもんで…

栃ノ心がこの勢いで優勝なんてしちゃったりしたら、大関は当然でしょうが、遠からず綱取りも見えてくるのでは…!
あー楽しい…

話は変わりますが、


「こうもり」の稽古場近くで撮った写真。
本番会場でもある、お稽古場の
草加市文化会館近くの川~

ここからの眺めがとてもきれいなので、お稽古に行く時はいつも楽しみ

駅からすぐの立派な日光街道の松並木は、「日本の道100選」にも選ばれていて、松尾芭蕉が「おくの細道」で歩いたとか?
国の名勝にも指定されているんだそうですよ!

「こうもり」会場の「草加市文化会館」までは、最寄り駅の「獨協大学前~草加松原」駅から歩いてすぐです。
由緒ある松並木のお散歩かたがた、是非是非いらして下さいね!


お稽古の方は、演技がほぼついたので、あとは自分で足りない所を埋めていく感じ。
あとひと月ちょい、がんばるぞー



「こうもり」のチケット(全席指定)は、残り少なくなっております。どうぞお早めにご連絡下さい。
券種によっては、すでにご希望のものが手配できない場合もありますので、ご了承下さい


チケットのお申込み・お問合せは、
「アンダンテ企画」まで
・電 話 080-2553-5670 (平日10時~17時)
・メールでのお申込みは、こちらからどうぞ!
ticket@nakagawa-miwa.com

S席/4500円、A席/3500円、B席/3000円、C席/2000円

~~~~~~~~~~~~~
第9回 草加パインオペラ
喜歌劇「こうもり」(日本語上演)

◆日時◆ 
2018年6月24日(日)14時開演(13時開場)

◆会場◆ 
草加市文化会館(ホール)
(東武スカイツリーライン)
(「獨協大学〈草加松原〉駅」東口徒歩5分)

◆指揮◆新井義輝
◆演出◆直井研二
◆舞台監督◆岸本伸子

◆キャスト◆
アイゼンシュタイン 田代誠
ロザリンデ    田中宏子
ファルケ博士   小栗純一
アデーレ     中川美和
アルフレード   吉川響一
ブリント博士   渡辺将大
フランク     村田孝高
看守フレッシュ  浅山裕志
看守フラッシュ  金井龍彦
オルロフスキー 櫻井日菜子
イーダ      吉川歌穂
エアハルト    砂畑浩樹
エミーリア    緑川葉子
バルバラ     高津淳子
ハンナ     中村希和子
◆特別ゲスト◆
大澤一彰
青盛のぼる

◆合唱◆
ソウカパインオペラ合唱団
谷塚少年少女合唱教室
◆ダンス◆
アルテ・エスペランサ
◆オーケストラ◆
チェンバーミュージックハウスオーケストラ



ブログランキングに参加しています。

ポチっと!2ヶ所クリックして下さいね~

















こうもり、立ち稽古中。

2018-05-17 00:28:23 | インポート
リサイタルが終わって、もう1週間…まるでひと月位経ってしまってるような気がする…

でも身体はまだ、ボヤ~としてる感じ…

プログラムのハードさ故に、体の内側の筋肉の稼動があまりに多く。
もう休めるようになっているのに、身体がそれに慣れてない感じ…

身体はボヤーっとしてても、時間は進みます


6月24日(日)の「こうもり」(アデーレ役)のお稽古は、着々と進んでおります。
あれよあれよという間に、音楽稽古は終わり、もう立ち稽古に突入しております






遠くから1枚~

本番の会場であるホールで稽古できるなんて、何とまあ贅沢


それにしても、分かっていたつもりですが、アデーレは動く…!
飛んだり跳ねたり、元気いっぱいな彼女。

リサイタルのモーツァルトとは全然違ってて、面白いかと思います

リサイタルいらした方には、私のまた違う部分をお見せできると思います~!
是非観にいらして下さいませ!

もちろん、リサイタルにいらっしゃれなかった方も、是非どうぞいらして下さい

「こうもり」のチケット(全席指定)は、残り少なくなっております。どうぞお早めにご連絡下さい。
券種によっては、すでにご希望のものが手配できない場合もありますので、ご了承下さい。


チケットのお申込み・お問合せは、
「アンダンテ企画」まで
・電 話 080-2553-5670 (平日10時~17時)
・メールでのお申込みは、こちらからどうぞ!
ticket@nakagawa-miwa.com

S席/4500円、A席/3500円、B席/3000円、C席/2000円

~~~~~~~~~~~~~
第9回 草加パインオペラ
喜歌劇「こうもり」(日本語上演)

◆日時◆ 
2018年6月24日(日)14時開演(13時開場)

◆会場◆ 
草加市文化会館(ホール)
(東武スカイツリーライン)
(「獨協大学〈草加松原〉駅」東口徒歩5分)

◆指揮◆新井義輝
◆演出◆直井研二
◆舞台監督◆岸本伸子

◆キャスト◆
アイゼンシュタイン 田代誠
ロザリンデ    田中宏子
ファルケ博士   小栗純一
アデーレ     中川美和
アルフレード   吉川響一
ブリント博士   渡辺将大
フランク     村田孝高
看守フレッシュ  浅山裕志
看守フラッシュ  金井龍彦
オルロフスキー 櫻井日菜子
イーダ      吉川歌穂
エアハルト    砂畑浩樹
エミーリア    緑川葉子
バルバラ     高津淳子
ハンナ     中村希和子
◆特別ゲスト◆
大澤一彰
青盛のぼる

◆合唱◆
ソウカパインオペラ合唱団
谷塚少年少女合唱教室
◆ダンス◆
アルテ・エスペランサ
◆オーケストラ◆
チェンバーミュージックハウスオーケストラ



ブログランキングに参加しています。

ポチっと!2ヶ所クリックして下さいね~















リサイタルのご報告

2018-05-11 23:58:44 | コンサートのご案内&ご報告
リサイタルのご報告です

無事終演しました!

今回は、大好きなモーツァルトの曲をもっともっと勉強したい、という気持ちと、自分の「身体」という楽器が、果たしてどこまで出来るのかを試してみたい…という気持ちから組んだ、オールモーツァルトのプログラムでした。


以下がプログラム。
全てモーツァルトの作品です。


◆モテット
“Exsultate,Jubilate”

◆コンサートアリア KV505
“Non temer amato bene”

◆コンサートアリア KV538
“Ah se in ciel benigne stelle”

~休憩~

〈フィガロの結婚〉より
◆バルバリーナのカヴァティーナ
“L'ho perduta me meschina”

◆4幕・スザンナのアリア
“Deh vieni non tardar”

◆同曲・ウィーン再演版代替曲
“Al desio di chi tadora”

〈後宮からの誘拐〉より
◆コンスタンツェのアリア
“Traurigkeit ward mir zum Lose”

◆コンスタンツェのアリア
“Martern aller arten”


☆アンコール☆
〈フィガロの結婚〉より
◆ケルビーノのアリア
“Voi che sapete”



どの曲も語りだしたらキリがないのですが、
敢えて挙げると…

"Non temer amato bene" は、今回初めて歌ったのですが、もっともっと歌いこみたい曲です!
あぁ~あの歌は深いわぁ~

あっ、あと
〈後宮からの誘拐〉コンスタンツェの一曲目のアリア"Traurigkeit~" は、本当にもう、めちゃくちゃ勉強したので、お客様からたくさん拍手がいただけたようで、嬉しかった…!

当然、反省点も多々あります。
最初は、すごく緊張したな~とか、あそこがああだったな~とか…

もちろん、自分の身体という楽器の使い方を試すだけでなく、音楽的にも、まだまだもっと深めなければいけない曲ばかりです。
ですから、これからも何かの折に、1曲ずつ、又丁寧に、時間をかけて勉強し直したいと思います。


あと一番の反省点は・・・

実は当日の写真が、ほとんど撮れてないのです…!
あまりに、バタバタしてたから…



唯一撮れたのが、この1枚…

何と、ソプラノの足立さつき先生と

お忙しい中、わざわざいらして下さった足立先生と、一緒に写真を撮って頂けるなんて、うれしはずかし…
この素敵な1枚に、全身全霊をかけたという事で…!

…でもね。
ピアノの田中明子先生との、本番当日のツーショット写真がないという痛恨のミス…
田中先生のドレス、すごく素敵だったのに~

そんな訳で皆様、私と一緒に写真を撮って下さった方~!
是非、写真を私に送って頂けますと、大変嬉しいです!!
LINEでもメールでも…!

それにしても、宝石が光の入る角度によって光り方と色味が変わるように、田中明子先生のピアノの音色は、本当にキラキラと変化していくのです。
そのピアノの音色に寄り添った音色をどうやって出すか…
甘いのか、チカッと光るのか…
その光に鋭さはあるのか、真珠のような、トロリとした輝きなのか…

田中明子先生、本当にどうもありがとうございました!
その響きに支えられた厚みと迫力に包まれて、何と心地よかった事か…!!
安心する音の空間の中で、私はずーっと歌い続けていたかったです。


全てモーツァルト作品のみのプログラムを、ここまでみっちりと練習できる事は、なかなかないので
練習中も、そして本番中も、本当に音色の一つ一つを、改めて愛おしく思いながら、ピアノと合わせて歌っていました。

私にとって大切な、そんな瞬間瞬間を、会場のお客様に聴いて頂けて、とても幸せでした。

いらして下さったお客様、私の大好きなモーツァルトの世界に、ご一緒にお付き合い下さって、本当にありがとうございました!!

モーツァルト作品のみのリサイタル、又やってみたい…
気もしますが・・・
かなり大変だったので…しばらくは、いいかな?(笑)

もう吐くほど練習して、スタミナもモリモリになり、身体もかなりムキムキになり、(笑)
そう、このプログラムのおかげで随分タフになり、スタミナも1.5倍になりました~

ずーっとモーツァルトに囲まれて過ごしたこの半年、すごく幸せでした。
また皆様と、そしてモーツァルトと、お会い出来ますように



ブログランキングに参加しています。

ポチっと!2ヶ所クリックして下さいね~


















「中川美和 ソプラノリサイタル」終演しました。

2018-05-09 23:19:09 | コンサートのご案内&ご報告

◆中川美和 ソプラノリサイタル◆
Mein Nachbar Mozart ~私の隣のモーツァルト

東京オペラシティ・リサイタルホールにて、昨日5月8日(火)に、無事終演致しました。

たくさんのお客様にご来場いただき、本当にありがとうございました。

取り急ぎ、写真を一枚だけ

このドレスは、1部で着たものです。

詳しいご報告は改めて、このブログに書かせて頂きますので、またのぞきにいらして下さいまし~




ブログランキングに参加しています。

ポチっと!2ヶ所クリックして下さいね~