ソプラノ歌手 中川美和のブログ

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ケルビーノ。

2013-09-29 23:30:35 | コンサートのご案内&ご報告
ケルビーノ、改めてご報告です。

と、その前に。

キャスト、オケの皆様、合唱の皆様、マエストロに演出家、音楽スタッフの皆様、制作の方々、当日の舞台スタッフの皆様、そして何より、いらして下さったお客さまに心からお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました&お世話になりました

これは楽屋で撮った1枚~。
マルチェリーナと
上演中、常に誰かがバタバタと走り回っているオペラだったので、なかなか写真は撮れませんでした 無念~。

今回は、かなり役作りで色々考える事がありました。

明るく、走り回る事に関しては今までと何ら変わりないように思いましたが、やはり男の子。今までの明るいスープレット役とは、全然!!違いました・・・詳細は今までのブログにも書いているので省きますが・・・

あ、あとぽんぽんと放り投げられる事が多くて、受け身がかーなーり、うまくなりました(笑)
成せばなる!!(゜∀゜)ノ

さてさて、ケルビーノの歌で、一番思い入れがあったのは、やはり『Voi che sapete』でしょうか。今までオペラで歌った曲の中で一番有名な曲だったかもしれない(笑)
お稽古中から何故か、これはお客様がいないと成立しない曲だなー、という事を感じるようになってきました。
もちろん、伯爵夫人に対して歌ってはいるのですが、その上で、お客様全員に対して「僕に恋して下さい」と、やわらかく伝えているように思います。何故か。

「僕に恋して」と伝えても、それが嫌味にならず、そして伝えられた人は(主に女性)、彼を愛さずにはいられないキャラクターがケルビーノだと思っています。
なので、常にホールいっぱいのお客様の感覚をイメージしながらお稽古場で歌っていました。

本番では、お客様が一緒に呼吸して下さるのを感じて、何とも幸せなケルビーノでした。
最後の繰り返しのvoi che sapeteのときは、お客様が、繰り返されるフレーズをもう一度、あたたかく、ゆっくりと受け取る空気になってくださっていた。
私の『Voi che sapete』はあの時、生きていたと思うし、お客様も受け取ってくださったと感じることができました。
指揮者、オケ、歌手、お客様と会場中全員での呼吸を感じることのできる、あのときは本当に幸せでした。
200年前のものを今ここに同じ空気を感じながら、もう一度よみがえらせる事が出来るのは何ともいえず幸せな事です。
クラシックって楽しいなー、としみじみ思いました。


スザンナ役の伊藤邦恵ちゃんからもらった1枚♪(´∀`)

バルトロ、スザンナ、バルバリーナ、ケルビーノ、マルチェリーナ

キャストの中でも、スザンナ役の伊藤さんとは、おしゃべりする事が多かったのですが。本当に賢くってしっかり者で、柔らかい所も持っている、スザンナそのものでした!
稽古終盤では、邦恵ちゃん本人なんだか、スザンナなんだかわからなくなるような。良い意味で素のままがスザンナという、不思議な感覚に何度もなりました。
ケルビーノから見ると、他の子たちとは少し違う、ちょっと一歩進んだ、親しみやすい、おねーちゃんなんだなー。

ところで、以前自分がスザンナをやった時のブログを自分で見つけてしまいました。見てみると面白いかもです。
今から3年前ですね  ♪ ここをクリック ♪ 

自分が三年後にケルビーノをやることになるなんて、この時は考えてもいませんでした。
オペラの役と言うのは、人との出会いにも似た巡り合わせだと思っています。どれだけ欲しても出会えない場合もあるし、不思議と縁のある人もある。

いろいろあって、出会えなくなった役もありますが、きっとまた出会えると信じてます。
信じても出会えないのならば、その役とは縁がないのでしょう。

ケルビーノは縁のあった役なのかな、とも思います。
本来ならソプラノの私、演じる事を考えてすらいませんでした。でも、C・シェーファーのケルビーノに一目ぼれをし、それから大好きになった『Voi che sapete』。
もしかしたら、これからも縁のある役になるかもしれないし、ならないかもしれない。

ケルビーノは不思議な役でした。
愛しているのに、お客様たちからも愛をもらえるという、本当によくわからない役。だからこそ、魅力的なのかもしれないです。
また、あまりにエロの事しか考えていなくて(笑)これで良いのか、とも思いましたが(特に一曲目のアリア・・・)ギリシャ神話では、エロスはすなわち、キューピッドとなるわけで・・・
ということは、エロ=愛となり、ケルビーノの形としては、何とも正しい形ではないのかと(笑)

もう私の中からは、ケルビーノはいつもの逃げ足の速さで駆け抜けていったような気もしますが、また会えたらいいなあ。



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『フィガロの結婚』終了~。

2013-09-25 01:43:55 | コンサートのご案内&ご報告
『フィガロの結婚』、9月22日に無事終了しました!詳しい感想や写真は、また後でアップしますが、まずはご報告まで。

この写真は自分撮り~。顔は見えないけど、全身の衣装がカッコ良く映ってるので。

ケルビーノの軍服姿です。軍帽もゴージャス


楽屋にて。これぞまさに両手に花!
花娘もマルチェも、皆、可愛すぎでしょ!(´∀`)


左からマルチェリーナ、ケルビーノの私、花娘たち
今年のオペラはこれでおしまい。脱力してるのか・・・ぼーっとしてしまいます。でも、幸せな脱力感です。


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無邪気なドン・ジョヴァンニ

2013-09-20 01:35:17 | 歌のこと
今日(日付的には昨日ですが)はフィガロ、最後のお稽古でした。あとは明後日のゲネプロ、しあさっての本番を残すのみ。

前回のお稽古での演出家からの指示は『もっと明るい人物で』。

それを受けて、明るいケルビーノ、影のない彼、という人物像を自分なりに軌道修正してみて。
その上でこの二か月間積み重ねたことを信じて、今日の最後のお稽古では深く考えずに、感じるままやってみました。(いや、もちろん段取りなど色々考えていることはありますが)
どうやらやっと一つの形になれたみたいです。勿論もし、またケルビーノを演じる機会があったら、その時はまた別の形になるのでしょうが。

不思議なもので、ただただ感じるままにやっていても、お稽古を始めた頃は、たくさん『ダメ』を頂きましたし、自分でも「違うなあ・・・」と思うことが、かなりありました。
どうにもケルビーノがうまくつかめず、困り果てて、稽古場で演出家に「わかりません・・・」と助けを求めたことも。

しかし、今日もただただ感じるままにやっていたのですが、お稽古の一番最初の日と最後のお稽古の今日では、確かに変わった。それは自分でも本当に嬉しい事です。
もちろん、傍から見たらどう見えているかはわかりませんし、まだまだ直すことはたくさんありますけれどね
やはり自分の中で一番変わったのは女性に対する意識でしょうか。お稽古を始めた頃は女性に対してそこまで注意深く視線をやらなかったというか・・・自分が女だから気にならないんですよね。
けれど、この頃はお稽古している最中は、自然に女性キャストに目が行くようになりました。ケルビーノはどの女性にもドキドキする、と言っているその気持ち、今は少しだけわかる気がします。
えー、何度も言いますが、私は別に女性に興味があるわけではありません(笑)

ちなみに、お稽古終わりにスザンナと伯爵夫人の『手紙の二重唱』を聴いたとき、あまりに官能的、というか、色っぽい歌でドキドキしてしまいましたわー。
ケルビーノがもし聴いてたら、こんな気持ちになるのかなーなんて思いながら。

本番当日はたぶん、会場にいらしてる女性のお客様皆にケルビーノはドキドキすると思いますし、そして女性全員が自分に恋してほしいと思っているのが、彼だと思います!
そのくらい、「世界の女性は僕のモノ(笑)」
そういう無邪気なドン・ジョヴァンニなのかなあ、結局。

・・・あー、いま書いてて思いましたけど、女から見たら、仕方ないなあ、と憎めない可愛い子ですが。
男から見たら、ほんとムカつくわ、この子・・・子供のくせにチャラチャラチャラチャラ・・・それなのに女子達はキャッキャ言って彼の味方になってるんだもんなあ・・・
・・・あーだから伯爵が殺したくなるほど腹立てるのか・・・(笑)




可愛い ドン・ジョヴァンニを目指しまーす。
 オペラ 「フィガロの結婚」~ケルビーノ役 
2013年9月22日(日)
18時開演(練馬文化センター大ホール)
SS・8000円、S・7000円、A・6000円、B・4000円


★コンサート・オペラのチラシや詳細は、 ♪ こちらをクリック ♪ 
★チケットのお申込み・お問合せは、
電話 080-2553-5670 (平日10時~17時)
メール ticket@nakagawa-miwa.com 【アンダンテ企画】 まで。

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お稽古大詰め。

2013-09-17 12:08:53 | 歌のこと
お稽古が続いてます。でも本番までもう一週間切ってますからねー。当たり前と言えば当たり前。
一昨日は通し稽古、昨日はオケ合わせだったのですが、もう台風の影響にビビりまくってました
昨日は少しだけ影響出てしまいましたが、最終的にはちゃんとオケ合わせが出来て良かったです!しかし、身体の方はさすがにお疲れ気味。なので、隙あらば寝てしまう今日この頃・・・寝ても寝ても寝られる。
まあ通し稽古がピーク、のつもりでやってきたので、疲れるのも当たり前かなーと思ってやっています。一昨日の通し稽古の後は魂抜けてた・・・
そして、昨日はオケ合わせ、今日は直し稽古だから、ずいぶんと濃厚なこの三日間です。通し稽古があったのはもう一週間くらい前のような気がする。
うーむ密度が濃いなあ。
ケルビーノのイメージも、もう大体固まったので、あとはそこからブレずに演じられるようにしたいです。自分の目標としては、台詞を歌うように言えたらいいな。自由に遊びながら、て感じで。

しかしそれにしても、そろそろ外股で歩いてるのがつらい・・・男役だから歩き方について、演出家から下半身に意識するように言われているのですが。
股関節の負担と、足のねじれが慢性的にきてる感じがしていて、おうおうおう(´Д`;)
・・・まあそれもあと少しで本番ですから、がんばります(笑)

そうそう、ご質問があったのですが、私のやらせて頂くケルビーノの出番は、一幕と二幕前半が中心です。お聴き逃しなくー。
ちなみに休憩は二幕が終わるまでありませんので、お気を付け下さいね~!
ではこれからお稽古行ってきます(・ω・)ノ



チケットまだありますよー。是非是非、ご遠慮なくご連絡下さい

 オペラ 「フィガロの結婚」~ケルビーノ役 
2013年9月22日(日)
18時開演(練馬文化センター大ホール)
SS・8000円、S・7000円、A・6000円、B・4000円


★コンサート・オペラのチラシや詳細は、 ♪ こちらをクリック ♪ 
★チケットのお申込み・お問合せは、
電話 080-2553-5670 (平日10時~17時)
メール ticket@nakagawa-miwa.com 【アンダンテ企画】 まで。

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好きだけど、ちょっと怖い。

2013-09-12 23:12:56 | 歌のこと
フィガロフィガロフィガロ。
毎日続いてます。ちょっとお疲れ気味~(´Д`)
オペラが始まるといつもの事ですが、関係者とは家族より会ってる気がする。

ケルビーノは歌もですが、走り回るので身体の張りも結構ありまする。スカートを履いて走り回るのとは全く違う動きがあるんだな~、と今更ながら感じてます。
足が出てるのと出てないのは、こんなに違うんだなー。

行きつけのゴッドハンド整体師さんのところに行ったら、なかなかどうして体が疲れてたみたいです。
肉を食べたいですな。美味しい肉!!
ゆっくりご飯が食べられるときはとにかく肉食系になろうと思ってます!

・・・あ、全然関係ないですけど。ケルビーノやってて気づいたんですが、バルバリーナはめっちゃ肉食系女子ですな!昔からこういう女子はいたのね~。

何でだかわからないのですが、昨日のお稽古で、バルバリーナとの会話で何故か一瞬彼女が怖かった時がありまして。(笑)

ケルビーノにとってはバルバリーナは彼女と言うか、一番のガールフレンドだけど。
ただ、なんというか、肉食系に対する怖れ(笑)みたいな感情が、バルバリーナに対して湧くときがあるのです。で、ケルビーノとして、どこかにその感情が残ってたらしく。
お稽古中、バルバリーナがかわいく話しかけてくれてる場面で、何故かその、肉食女子な感じが急に怖くなって後ずさってしまったんです。(全然そういう場面じゃなかったのにね・・・
でも、後ずさったのは本当に一瞬だったからバレてないと思ってたんですけれど。

その場面のお稽古がひと段落したら、バルバリーナのさなえちゃんが一言。
「・・・今、何かビビってたでしょ。」

バレてた

うん、ごめん・・・好きなんだけどさあ 笑
バルバリーナ、かわいいんだよ?かわいくって好きなんだけど・・・

好きなんだけど、なんかちょっと、怖いのよ(笑)

少しだけ男性の気持ちがわかる気がする今日この頃。男役は勉強になるねぇ
嫌いじゃないんだけど、怖れがあるってのは、ドンジョヴァンニとドンナ・エルヴィラみたいな感情かしらん。
少し違うかなー(笑)



まだチケットございます~!
バルバリーナとも伯爵夫人ともキャッキャするケルビーノ、ぜひ見に来て下さいね~

 オペラ 「フィガロの結婚」~ケルビーノ役 
2013年9月22日(日)
18時開演(練馬文化センター大ホール)
SS・8000円、S・7000円、A・6000円、B・4000円


★コンサート・オペラのチラシや詳細は、 ♪ こちらをクリック ♪ 
★チケットのお申込み・お問合せは、
電話 080-2553-5670 (平日10時~17時)
メール ticket@nakagawa-miwa.com 【アンダンテ企画】 まで。

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