ソプラノ歌手 中川美和のブログ

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さようなら!

2009-11-30 00:30:54 | 本のこと
引っ越しの準備が続きます。

もともと片付けが苦手なうえ、引っ越した事がない私は、デクのボー。
ちなみに引っ越し初体験は3歳だったので、記憶にありません。なので初めてのお引越し。

そんな中、母から、引っ越しにあたって物を減らせ、という指令が出ました。

CD、楽譜にドレスは仕事道具だから減らせない。なので、普通に荷造りしてしまえばいいんですけれど。

普段の服やアクセサリー、これもそれなりには多いですが、まあ普通の女性はこんなもんでしょう・・・お洒落さんはもっと持っていると思うし。なのでこれも減らせないわ。

まあこの二つはいいんですよ。

問題は
本と漫画です。

私の部屋の8割は

本と漫画で構成されている・・・

あとはほんとに何もないといっていいくらいです。
映画のDVD、ゲームやちょっとした雑貨などが少々ありますが、大した量じゃないですね。インテリアにこだわる方でもないので、そういったものもないから。

要するに、母は本を処分しろ、と言ってるだけなんですけどね。まあ言われるだろうな、とは思っていたので、泣く泣く手放すことにしました。
しかし、片付け終えた後、半分の量に減ってしまった本と漫画を見ていたら。

何ていうのかしら、イーリアのアリアの出だしの歌詞みたいな気持ち・・・

あぁ
お父さま、お兄さまたち、さようなら・・・
あなたたちは確かにいたのに、

もういない・・・
(まだリサイタルをひきずっている)

いやいや。
中学高校、大学までの私の読書遍歴の本と別れるのは、
お父さま、お兄さまたち、さようなら
くらいな気持ちがありますよ。本棚はその人の人生の縮図と言いますし。

あー悲しい。


それでもまだ半分は残ってるんですけどね。その半分だって、決して少なくはない・・・


結局、手放せなかったのは、昔話や童話、児童書の類が多くて。
好きなんですよ、昔話。
そんなにしょっちゅう読むものではないのですが、やっぱり思い入れが深いので、どうしても手放すことができませんでした。

それから、次は、私が愛してやまない星新一。これは最初からお大事箱にイン。
大好きな中村うさぎのエッセイも、迷わずイン。
小野不由美の「十二国記」でしょー。
アシモフの「黒後家蜘蛛の会」も迷う事なし。
三銃士の続編、「ダルタニャン物語」は、入手困難だから、これもまた迷う事はなし。

・・・長谷川伸の「荒木又右衛門」に、牧逸馬の「怪奇実話シリーズ」とかなんて、古すぎて存在を知られてないよね・・・

あ、牧逸馬の解説なんてね、横溝正史が書いているんですが。もーこれが、本編と同じくらい面白いんですよ

いうわけで

ここいらの本は、手放してなるものかぁ~!
となる。

問題は、ここから先。

けっこー好きな作品で。一年に1回くらい読み返したりして。
そして、新しく入手するのは別に困難でないもの。というのが、一番困るの・・・

島田荘司は、私が読み始めた頃に比べて(もう十年以上前だ・・・)知名度も上がったのでいつでも手に入るし。

田中芳樹もいつでも手に入る。

「氷点」も絶版にはならないだろう。

また、司馬遼太郎や陳舜臣、吉川英治といった歴史系の巨匠の皆さまは、間違いなく、今後絶版になることはないとふみまして。
ここいらはまとめて、涙のお別れとなりました・・・

つまり…
「結構お気に入りで、世間でも人気のある作品」
というのが
手放す対象になりました・・・何か矛盾しているようだけど、理屈に合ってるんですよ。だって、又読みたくなったら、いつでもすぐに手に入れられるし。

あとは、タイトルが好きで並べている本とも、残念ながらお別れ。
「これは王国のかぎ」とか、タイトルだけで気絶しそうになるくらい好きだったんだけど・・・ばいばい・・・
(荻原規子と、乙一のタイトルセンスって、たまらない・・・)

これで、ミステリーとかSFとかが、そんなに好きじゃなくて、良かったです。
ハヤカワポケットミステリーなんて集めてたら、どんな事になった事やら・・・あとペリーローダンとかね。
ローダンに囲まれて一生を終わるのか?それもまた良し・・・(笑)


でも、こんな私でも、引っ越す以上は何とか始末をつけまして。

いま、部屋にあるのは空っぽの大きな本棚がふたつ。
人生で初めて見たかもしれない・・・

空っぽの本棚。

なんて悲しい。

ああ。
ああ。

お父さまー
お兄さまたち―

さようならー





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三銃士について思うこと。

2009-10-12 21:43:49 | 本のこと
NHKの人形劇で三銃士をやってたので、思わず観てみました。
そうしたら、何か、うずうずしまって・・・色々とブログに書いてしまいました・・・
三銃士の内容をご存知でない方には、面白くないかもしれませんわからない方は、今日のブログは読み飛ばして下さい・・・完全に趣味の話なので。

私、三銃士、結構好きなんですよねー・・・長編苦手な私が徹夜して読んでしまった、数少ない長編小説です。
基本は短編派で。星新一が一番好きな作家だし。根気がないのかな。
だから、たとえば、「大菩薩峠」とかなんて、絶対無理

で、人形劇の三銃士、まだ第一話しか観てないから、色々変わるところも出てくるんでしょうが。

まあ、やっぱり、話変えていますね。こういうのって、まず九割は話変わるんですよね。なんでだろ?
それに、なんてゆーか・・・日本人的ですね・・・なんかどんよりしてるし。だって最初のきっかけが、親の仇、じゃなあ・・・
それに、あのロシュフォールは・・・(←ここ重要)

もう少し、あっけらかーん、とした感じが三銃士は面白いのに。
水滸伝とかもそうですが、ああいう政治との対立がからんだ話を、どんなカラーで描くかってのは一番大事なとこだと思うんですけどねえ。
暗くしようと思えば、いくらでも暗くできるし。そこを明るく描いてるのが、あの話の面白い所だと思うんだけどなあ。痛快、ていう言葉がぴったりな作品だと思うんですよ。ダルタニアンの向こう見ずさとかがさ。

その痛快さが、三銃士を名作にさせている所以だと思うんですけど。
もっとどこか明るいんだなあ、ノリが。

まあ、そこが気に入らないというわけですから、もう見ないですけどね、テレビのは。原作通りやってくれるかな?というのを少し期待してたので、ちょっとさびしいです。
私はやはり、原作のカラーが好きなので。

でも原作が卓越して面白いものって、二次的に作られた作品はなかなかそれを超えることはできないですからねえ。そりゃ、原作を見るのが一番面白いに決まっているし。
二次的な作品作るって、難しいんだろうな、きっと色々。

そのまんまのが良いなら、原作だけ読んでればいいと思われるかもしれませんが!
でもやっぱり、その通りのが作られてるかもしれないから、見てみたいじゃないですか~
人間だものっ。


余談ですが、以前、三銃士をオペラにしたらどうなるか、という話を友人としてて。

たぶん王妃の首飾り事件でしょうねえ、ストーリーの軸になるのは。

ダルタニアンはバリトンが良いなあ、でもロマンスメインだとテノールになりそう・・・
いやいや、ズボン役でメゾとかになったりして。(← これは嫌だなあ・・・)

ポルトスはバス。
アトスはバリトンか、バスかな。
アラミス絶対にテノール。
トレヴィルリシュリューはバス、ロシュフォールはバリトンかな。この辺はまあ、変えられるかなあ・・・
バッキンガム侯爵はテノール。

王妃はリリコソプラノ、
ボナシュウ夫人はレッジェーロ。
まさに「フィガロの結婚」の伯爵夫人とスザンナみたいな感じですね。

ミレディはメゾですね。

あー
絶対ミレディとアトスの重唱とかあるんだろうなあ・・・

きっとミレディはVendetta!(復讐という意味のイタリア語)
とかアリアで叫んでるんだろうな。

男ばっかりで、今書きながら、絶対公演無理だなあ、と思いましたよ・・・
あ、でも何役か兼ねれば良いのかな・・・トレヴィルとかポルトスとか・・・

軽快さを出すためには、やはりロッシーニやモーツァルトあたりに作って頂きたいものです。





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カバー買い。

2009-09-10 22:34:32 | 本のこと
伴奏合わせの後、いつものように本屋でうろうろしていたら、「新潮社の100冊」というのが平積みされていました。
私も詳しくは知らないのですが、新潮社が毎年やってるキャンペーンらしいです。
毎年、これぞ、という100冊をとりあげてるらしいんですけど。

その中から10冊だけ、限定版のデザインのカバーで発売されたんです。
こちらがそちら・・・
  ↓
新潮・限定版カバーHP

カバー買いとかは元々するタイプじゃないので、ふーん・・・と思って眺めていたら、
その限定カバーの10冊の中に、星新一の本を発見。
『ボッコちゃん』という本です。

これがもう、
素敵・・・・・・っっっっ

ちょっと説明しますと、星新一というのは、ショートショートという、2、3ページで終わる超短編小説を1001篇書き続けた人です。
この人の作品が、私はもーう、大好きで大好き大好きで。だから、もちろんこの人の本は全部持ってます。(長編以外は。)
なので、今回限定カバーで発売された作品も、もちろん既に持っています。


なのに

なのに

な の に


初めてやってしまいました、

カバー買い・・・




・・・ああ・・・
シンプルでかっこいい・・・!!

何かね、星新一のイメージとぴったりなんです・・・しかも、黄色という色が、また素敵っっっっ!!星新一にぴったりー!!

しかもね、実用的なところも素晴らしい。
カバーが厚くて助かるの。
普通の新潮社の本はカバーが薄くて、すぐ破けてボロボロになってしまうんです。中でもお気に入りの星新一は、読み倒してしまっているので、カバーがないのがほとんど・・・
なので、しっかりしたカバーなのは本当にうれしい

特に、この本に収録されている話は特に大好きな話が多いので、また読み返そうかと。
「マネー・エイジ」って話が特に好き。でも、「おーい出てこーい」はそこまでとは思わないなあ・・・「生活維持省」は、幼心に怖かった記憶が・・・

あ、ちなみに、いま普通に売られているカバーも、もちろんかっこいいんですよ。真鍋博のやつ。やっぱりこの人の挿絵は良いですよねー。誰が見ても真鍋博ってわかるのに、くどくない。星新一の作品とよく似てるなー。


真鍋博のやつ。

いまは、限定版の方を楽譜入れのファイルに入れて持ち歩いてます。電車に乗った時とかに読むの~。いやあ、カバーがしっかりしてると助かるわ~





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