両手で違うことをするのは難しいものです。
ピアノを習い始めて間もない生徒さんが
苦戦してしまうポイントの一つは
片手でレガート(音をなめらかにつないで演奏する)
反対の手ではノンレガート(音を切り離して弾く)
というパターン。
頭では、『こちらをつないで こちらを切る』
とわかってはいても、実際その通りに弾こうとすると
「あっ!」(両手とも切れる)
「あー…」(両手とも切れない)
「あれれ?」(つなぐ方を切って、切る方をつないでしまった)
こんな感じで
なかなか思い通りには弾けません。
こんな時の生徒さんの選択
(1)ひたすら繰り返し弾いて、勢いでなんとかしようとする
(2)できていないけれど、できていると思い込む
(3)あきらめて、手に任せる
…先生としては、どれを選ばれても困るところです。
((1)はまあ、「絶対ダメ」ではないのですが
はっきり言って効率がよろしくない。)
こんな時は、一点集中で。
レガートに演奏する音が5つくらいあったとしても
まず、反対の手が切れるポイント一ヶ所にしぼり
「そこだけ」にこだわってもらいます。
つなぐ方の音と、切る方の音を同時に弾き
つなぐ音を決して離さないようにして
切る方の指をしっかり上げて切る。
これだけ。
両手下げて・右手上げないで・左上げる
旗揚げゲームみたいな感じですが
『こっちは上げない、こっちは上げる』
たった一点、そこだけわかれば
後はできるものです。
バーナムなり、バイエルなり
こういうポイントは導入期から出てきます。
その時点で、どのくらいこだわるか。
初めの一歩。ここでこだわっておかないと
後々『祟り』のように苦労するのです。