一顆明珠~住職の記録~

尽十方世界一顆明珠。日々これ修行です。いち住職の気ままなブログ。ときどき真面目です。

魯迅―その3 (生家)

2007年03月12日 | 中国
写真は魯迅(周樹人)が幼少期を過ごした住居の室内。

生家には、このような部屋がいくつもあった。

魯迅の幼少期は裕福であったようだ。

いわゆる、お坊ちゃん育ちである。

先祖は農民であったが、次第に財をなして士大夫の家柄となる。

さらに、魯迅の祖父は、科挙の進士で国書編纂の仕事に携わっていた名士であった。

しかし、あるとき周家に不幸が訪れる。

その祖父が、科挙の試験場で賄賂を送ったかどで投獄されてしまうのだ。

役人にうまくとりなしてもらうため、毎年家財を売り払った金を役所に納めた結果、家は徐々に没落していく・・・。

おそらく、魯迅はそうした悲惨なできごとの中に、人間の手の平を返したような醜悪な側面を見たことだろう。

足元を見て賄賂を要求する役人たち。

それを拒否できない家族。

人間の醜さを抉り出した魯迅文学のリアリズムは、そうした悲しい体験に裏付けられていると思われてならない。

中国の住居特有の石の床はいかにも寒々としている。

魯迅もこのような部屋で学んだのだろうか。

枯淡な部屋の様子から、「蛍雪」という言葉が想起された。


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