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一顆明珠~住職の記録~

尽十方世界一顆明珠。日々これ修行です。いち住職の気ままなブログ。ときどき真面目です。

藍色夏恋

2007年05月19日 | 映画
藍色夏恋

ポニーキャニオン

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ずっと気になっていた映画『藍色夏恋』。

ツタヤの返却期限が迫っていたので半ば強引に観ました。。。

いいっーーーー!!!

台湾映画、あなどれねぇーーーーーっ

と、まあ、初めに雄叫びを上げましたが、実はそんなにドラマティックな起伏の激しい映画ではありません。

でもとても感動しました。

台湾の高校生の恋愛が、日常的な視点で淡々と描かれています。

限りなく爽やか・・・

だけど、それだけじゃないんです。

なんだ、この感覚は・・・

鼻腔の奥が甘酸っぱさに沁みてくるような、

胸の奥をキュキュっと締め付けられるような、

心の襞を爪楊枝でツンツンと突かれるような、

ほんのり甘く、酸っぱく、切なく、ほろ苦い・・・けどやっぱり爽やかさが駆け抜ける!

そんな青春映画です。

思春期。

同性の親友と、突然意識してしまった異性との間で揺れ動く微妙な女の子の心、

世の中は自分の思い通りになると思っている無邪気な男の子の心、そんな思春期にありがちな心象風景がさりげなく爽やかに描かれています。

微笑ましくも、健気でいじらしい。。。

若者たちの好演が光ります。

主人公の女の子、モン・クーロンを演じたグイ・ルンメイ、個人的にはかなりツボでした。。。
ベリーショートのボーイッシュ。
超爽やか・・・。
不思議な透明感。
飲み物に例えるなら、ラムネとか炭酸系、もしくは柑橘系スパークリング。
ああいう、勝気なツンツンしている子に弱い。。。髪も短めが好き。。。
この女優のためにある役と言ってもいいほど見事な演技でした。
それも、役を作っている感じがまったくしない。
自然体ですらない、自然体。
さほど美人ではないのになぜか惹かれてしまう・・・。
そくファンになってしまいました・・・。


そして、相手役の男の子、チャン・シーハオを演じたチェン・ボーリン。
彼には素朴で単純な可愛さがあります。
動物的なワイルドさと、まっさらな純粋さが、うまくバランスしている。
嫌味のない無邪気さ。
狙っては出せない、彼の内面から滲み出ている味わいがあります。
おそらく、ほとんど地で演技しているのでしょう。
日中合作の『最後の恋、初めての恋』でも好演していましたが、さらなる新境地開拓が注目されます。
さほど美形ではありませんが、女の子にはモテそうですね。。。母性本能くすぐり系でしょう。

『藍色夏恋』、観るたび、そのつど違った表情を見せてくれそうな、時間を置いて何度も観たい映画です。

観終わった後は無性に自転車に乗りたくなるでしょう♪

全編に心地よい爽やかな風を感じる映画です。

汗をかいた後にあたる風の涼しさ、清々しさ・・・この感覚は青春そのもの。

明るい未来に向かって駆け抜けられると信じたあの日がよみがえります。

ぜひご覧ください。

あ~台湾に行きたいっーーー

そして、この手の映画を観るたびに思うのは、高校時代が共学だったらということ・・・あぁ・・・

さてと、気を取り直して・・・

『藍色夏恋』の5段階評価は当然…です!

監督のセンスがいいです!ご覧アレ!


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『ウォー・アイ・ニー』

2007年04月25日 | 映画
ウォー・アイ・ニー

レントラックジャパン

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1ヶ月前に徐静蕾(シュー・ジンレイ)主演ということで観ました。

<内容>
シャオジューは結婚を前にして最愛の婚約者を突然の事故で失ってしまう。婚約者の親友のワン・イーと慰め合ううち、互いに惹かれ合うようになり、恋に落ちた2人は急ぐように結婚するが、まっすぐな愛を求めるシャオジューの想いはワン・イーに届かない。いつしか互いの心はすれ違い、夫婦喧嘩は日増しにエスカレートしていく…。
(以上、アマゾン引用)


男女の気持ちのすれ違いは、永遠のテーマかもしれません。

男が悪いのか、女が悪いのか。

なぜ、どこで、すれ違うのか・・・。

それはともかく、ヒロインの独占欲、嫉妬心の強さ、ヒステリーの激しさには辟易させられることでしょう。

同じく徐静蕾が演じた『最後の恋、初めての恋』の清楚で爽やかな役柄とはまるで正反対です。

演じているのが同一人物かと疑ってしまうほどの変貌ぶり。

そこに徐静蕾の女優としての懐の深さを感じます。

この人の実力は半端じゃない。


話せば話すほどにすれ違う二人の気持ち。

次第に感情は昂ぶっていき、ついに爆発する。

猜疑心の塊となり夜叉のような形相で、夫を追い詰める妻シャオジュー。

ほとんどの女性に、多かれ少なかれこうした側面があるのではないでしょうか・・・(女性差別ではないつもりです…汗)。

身に覚えはなきにしもあらず・・・。


もちろん妻の気持ちを理解しようとしない夫の方にも問題はあるでしょう。

私から言わせればこの夫の妻への接し方がマズすぎです(ハイ、偉そうです…汗)。


全編通して、激しい夫婦喧嘩が描かれます。

つまり罵り合い・・・。

内容はとことん不毛。

作品全体にもニヒルな世界観が漂っており、そこに現代中国の時代の空気、ひいてはエゴの肥大化が加速する現代中国の精神的危機を感じました。

また、心の闇の表出の仕方は国民性によって異なるでしょうが、現代日本人も同じような傾向にあると言えるでしょう。

それにしても、狂女にもかかわらず抗いがたい魔性の魅惑を放つ徐静蕾。

トリカブトの花のようです。

かなり危険・・・。

怖い怖い。

こういう女性には近づかない方が賢明ですね(ま、そういう機会もありませんけど…)。

しかし、映像が海賊版のように汚いのはなぜだろう・・・

5段階評価・・・


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リアル中国 『あの子を探して』

2007年04月23日 | 映画
あの子を探して

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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<あらすじ>
中国の農村の小学校の代用教員になった13歳の少女ウェイは、生徒が誰ひとり学校を辞めなかったらもらえるという褒賞金を目当てに、授業もそっちのけでひたすら生徒たちの監視を続けていく。そんなある日、クラス一の腕白少年チャンが、出稼ぎにいった町で迷子になってしまった。ウェイはチャンを探しに町へ赴くのだが…。
(アマゾンより引用)

ん~いろんな意味でショックでした・・・この映画。
え、これ映画?っていうくらい、子どもたちの演技が自然で、ドキュメンタリーを観ているような錯覚に陥ります。
あまりにも素朴なので観ていて清々しい気持ちになる。
日本だと子役の演技は妙にわざとらしいことがあるけど、この子達の演技ときたら・・・「君たち、そのまんまでしょ?」って感じで。
子どもの表情が素直で本当に可愛い。
どこの国の子どもも可愛いんだなぁ~と妙に感心してしまいました(当たり前だけど)。

現代中国の農村の現状をリアルに描いています。
とことん貧しい・・・。
街と農村の信じられない格差。
小学校の教室も黒板もボロボロ。
チョーク1本でさえ貴重。
薄汚れた子どもたちの服。
バス運賃の数十元を集めるのに必死・・・。
生まれて初めて飲むコーラ(しかも一口づつみんなで回し飲み)。
これが、経済発展の情報に隠れて我々には見えてこない普通のリアルな中国の状況なのでしょう。

中国ではタフでないと生きていけないということを痛感しました。
主人公の代用教員の13歳の女の子が半端なくタフなんです。
この子の自己主張の強さと言ったらない・・・。
大人相手に絶対引かないし、全く相手の話を聴いてないし・・・。
中国では、どれだけ理不尽な要求でも、自分の主張を通した方が勝ちという価値観が如実に表れていました。
あらゆる手段を使ってでも、街で迷子になっている生徒を探そうとする執念。
客が食べ残した残飯を隠れて食べてでも、その子を探すためには絶対に諦めない根性。
子供同士であっても利のためには冷徹な駆け引きさえ辞さない・・・。
強靭な生命力に溢れていました。
この映画から日本人とは異なる中国人の強烈なメンタリティーを伺うことができます。
育ちのいいわれわれ日本人は、中国に行ったら間違いなく食い物にされてしまうでしょうね・・・。

はじめはお金欲しさに生徒を探していた彼女が、次第にその子を本心から心配するようになる。
ここにこの作品の救いがあるように思います。
とにかく、子どもたちみんなが、生きることにひたむきでグッときます・・・。

この作品では、打算的で、狡猾で、冷徹な中国人の姿と同時に、人情に熱い、まごころ深い、温かい中国人の姿が描かれています。
中国人のこの極めてアンビヴァレンスなメンタリティ。
彼らは日本人とは比較にならないくらい、感情の針の振れが激しいのかもしれません。
リアルな中国を知りたい方、子どもが好きな方、教育の仕事に携わる方には、絶対にお勧めの作品です。

この作品にはなんの衒いも虚飾もない。
だからこそ、現代中国の歪んだ現状を暗に批判することに成功しているようにも思います。見かけ上は国策映画を装いながら・・・。

チャン・イーモウ監督は偉大です。

しかし中国映画って・・・すごい・・・。

5段階評価・・・


<追記小話>

中国では13歳の代用教員の女の子でも「老師(ラオシィ)」と呼ばれます。
主人公の女の子は魏老師(ウェイラオシィ)と呼ばれていました。
わが曹洞宗でも、曹洞宗侶の住職のことを一般に「○○(姓)老師」と称することが多いです。
私もこの若さですが…私宛の手紙には、敬称に「老師」と書かれて送られてきます。もっとも、ふだん仲間内のお坊様からは、名前に「さん」づけで呼ばれていますが。

ただし、同じ禅宗でも臨済宗では「老師」という呼称は、高位のお師家さん(禅の指導者)にしか用いないとのこと、臨済宗円覚寺派の和尚さまから聞きました。



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青春のほろ苦さ・・・『小さな中国のお針子』

2007年04月21日 | 映画
小さな中国のお針子

パンド

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1ヶ月前に観たDVDのレビュー。

内容は、
文化大革命の中国を舞台に、西洋文学から影響を受け、自ら運命を切り開こうとしていく少女の成長を2人の青年を通して描いた青春ラブストーリー。
(以上アマゾン引用)

要は、文革下、再教育のため山村に下放された、二人の都会青年の恋物語である。

ヒロインを中国若手四大女優(ほかチャン・ツイィー、シュー・ジンレイ、ヴィッキー・チャオ)の1人、周迅(ジョウ・シュン…サッカーの中田ヒデとも親交がある)が演じている。

文革後フランスに渡った監督(ダイ・シージエ)の作品だからだろうか、映像が全体に洗練されていて美しい。

人を寄せ付けないかの如く、天空に屹立する山々。

断崖に阻まれた、はるか彼方に伸びる農村への細い道。

二人の都会青年の「知」への渇望。

バルザック、A・デュマ、モーツァルト・・・。

禁じられるほどに、それらは愛おしいばかりの美しさを放つ・・・。

二人の青年の対照的なお針子への恋。

一人は溢れる情動の迸るまま奔放に彼女を求め、

一人は内省することにより彼女への想いを結晶化させる。

文字を知らないお針子は、二人の青年から字を習い、バルザックの朗読を聴くことによって、世界の美しさ、人生の可能性、すなわち「自由」に目覚めていく。

彼女にとって自由はこの上なく甘美であった。

知を手に入れることによって開けた新たな世界への扉。

しかしあの時代、扉の向こうに行くことの代償はあまりにも大きい。

自由を知った彼女がとった行動は・・・


美しくほろ苦い青春。

時代が厳しければ厳しいほどに、「知」は宝石の輝きを放ち、「恋」はせつなく愛おしい。

そこに生々しい「生」がある。

私たちが物質的豊かさと引き換えに失ったものは何か…を、この作品は暗に示唆しているように思えた。

都会青年を演じた二人の俳優の演技が秀逸。

ジョウ・シュンは個性的でエキセントリックな風貌だが、慣れると嵌りそうなコケティッシュな魅力を放つ。

しかし中国映画はあなどれない。。。

フランスで興行成績3位になったとのこと。


5段階評価・・・


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禁断の愛 『さらば、我が愛 覇王別姫』

2007年04月10日 | 映画
さらば、わが愛/覇王別姫

角川エンタテインメント

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『さらば、我が愛 覇王別姫』を観ました。

以下アマゾンの文章を引用。

中国激動の時代に生きた、京劇俳優の程蝶衣と段小樓。女形の蝶衣は段小樓を愛していたが、彼は娼婦と結婚してしまう…。戦争が、京劇という芸術の世界も侵しつつあった時代を背景に描かれる、ふたりの男たちの愛憎のドラマ。
前半は、京劇の学校で厳しい訓練に耐える主人公の少年ふたりの友情にスポットをあて、後半は、時代の波に飲まれながらも、愛と演劇を貫く男たちのストーリーがつづられる。段小樓を愛しながらも、その愛を得ることができず、苦悩する程蝶衣を演じるレスリー・チャンの艶やかな美しさが圧倒的な存在感を見せる。段小樓と結ばれる娼婦はコン・リー。監督はチェン・カイコー。カンヌ映画祭パルム・ドール賞受賞作。(斎藤 香)
以上引用。


一言、濃ゆい・・・ディープソウルな映画です・・・。
全編に中国人の業の深さを感じました。
中国人は何事につけても「過剰」に走ってしまう傾向があるようです・・・。
暴力、性、愛情、快楽が、暴走してブレーキが利かない。

救いのない出口のない禁断の愛が、激動の時代を通して描かれています。

主演のレスリー・チャンは個人的には好みではありませんが、この人を一言で形容すれば『淫靡の塊』。
本人でさえも制御不能な、全身から匂い立つような淫猥なエロスを発散しています。

男でもない女でもないその中間でもない両性具有の化け物が、極めて閉鎖的な京劇の演劇世界を舞台に、淫靡なエロスの香を振り撒く。

しかし、この化け物の愛は決して報われることがない。
とことん、哀れで虚しい愛・・・。

また、娼婦役を演じたコン・リーには、個人的に垢抜けない田舎っぽさを感じます。
洗練されていないし、あまり美しいとは思わない。
しかしだからこそ、彼女から、大陸的な懐の深さ、大地のような母性が滲み出ているのを感じるのでしょう。
また同時に、彼女は土着の地母神の持つ性質と言えるような、ふてぶてしさ、狡猾さ、嫉妬深さを併せ持っています。
そういう意味でひじょうに大陸的中国的な女優でしょう。

本作はチェン・カイコーの美学を結集した映画かもしれません。

京劇の世界って「グラムロック」とかなり通じるよな~と妙に納得してしまいました。

感想を一言で言えば、「人間ってとんでもない生き物だな・・・」ってこと。

確かに芸術性は高いのですが、観念的な言い方をすれば、ニヒリズムと耽美主義の融合を叙情的に描いたような作品なので、鑑賞後は空虚な気持ちになりました・・・。
不毛な愛はどうしても消化不良に終わります。
また男色という世界には、やはり共感しづらいものがありました。

と言うわけで五段階評価、星は

ちなみにレスリー・チャンは、2003年、香港のマンダリンホテルにて投身自殺をしています。享年46歳。合掌。

映画の結末と事実がダブります。


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日中、恋のケミストリー 『最後の恋、初めての恋』

2007年04月02日 | 映画
最後の恋、初めての恋

松竹

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久しぶりに余韻の残る恋愛映画に出会いました。

日中合作。

上海が舞台。

渡部篤郎主演。
役柄はお約束化しているものの、「暗い過去を持つ男」を熱演しています。
やはりこの人にしか出せない味わいがありますね。
個性的な演技は好みが分かれるところですが、個人的には好きな俳優です。

そして共演している中国女優が素敵です。

妹リン役のドン・ジェ(董潔)も小動物のような可愛らしさがかなりチャーミング。
でも、何より姉ミン役のシュー・ジンレイ(徐静蕾)が素晴らしい。

決して完璧な美人と言うわけではないのですが、彼女には憂いを含んだ柔らかな優しさが漂っています。

清楚で聡明、不思議な透明感が滲み出ている人です。

笑顔も素晴らしい

口元に豊かな表情がある。

観ているだけで心がほぐれていくよう・・・。

ん~なごむなぁ・・・

中国女性に対して抱いていた「気が強い」というイメージが見事にひっくり返りました。

こんな女優がいたとは・・・

こんな表情をする中国女性がいたとは・・・。

いっぺんにファンになってしまいました

ネットで調べたら、中国では超人気女優だと言うことが分かりました。

・中国四大女優の1人。
・中国のブログ女王…アクセス数、つねに数千万をキープ(真鍋かをりも真っ青)。
・映画監督としての活躍。
・精力的な慈善活動。
そして極めつけは「中国男性が選ぶ お嫁さんにしたい女優№1(記事)」とのことでした。

私も中国男性に同感です。

こんなマルチな才能を発揮しているにもかかわらず、傲慢さが微塵も感じられないところに大人気の理由があるのかもしれません。

日本で知名度の高い、やはり中国若手四大女優の一人チャン・ツイィーや、日本ではまだあまり知られていないジョウ・シュン(マニアック?)より断然好みです。
彼女らはプライドの高そうなところが少し鼻に付きます・・・気ぃ強そうだし・・・
綺麗ですけどね・・・

肝心なストーリーはサラっとしていて、少し物足りなさを感じるくらいドロドロ感がありませんが、全体に透明感のある静かな悲しさが漂っています。

この作品を色に例えるなら「淡いブルー」。

会話は中国語、日本語、英語が入り混じっています。

会話がスムースに通じ合わないもどかしさが、逆に言葉を超えた二人の恋心を浮き彫りにしている。

見事な昇華作用。

まさに「日中、恋のケミストリー」なんて・・・。

悲しい結末ですが、どこかに希望の光が見えてくるような不思議なカタルシスを感じました。

テーマは「永遠」。

主人公が信じなかった「永遠の愛」は物語の最後でついに結晶化したのでしょう。

派手さはないものの予想を遥かに上回る素敵な作品でした。

ぜひご覧ください。

下手な日本の恋愛映画や、韓流よりよっぽどいいと思います。


この作品に対する5段階評価は…
当然5個です。
足りないくらい・・・

シュー・ジンレイの魅力だけでも星5個は稼げるでしょう(主観的意見?)。

さて、残念なことに彼女の出演している映画は、日本ではほとんどDVD化されていません・・・。
日本でブレイクすることを切に望みます

ミーハー丸出しの記事でした・・・

あ~上海行きてぇ~

ロマンスはないだろうけど・・・


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文革の狂気の嵐を『活きる』

2007年03月31日 | 映画
活きる 特別版

ハピネット・ピクチャーズ

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中国旅行から帰って来てからというもの、「中国ショック」からなかなか脱け出せません・・・。

われながら良くも悪くも影響を受けやすい性格なんでしょう。

ふと気が付くと中国のことを考えています。

読む本や、観る映画も中国物ばかり(徐々に紹介しようと思います)。

さて、以前の記事でも触れた中国映画『活きる』を数年ぶりに観ました。

監督は中国を代表するチャン・イーモウ。

文化大革命に翻弄される一家族を描いた物語です。

文革時代を生き抜いた中国の人々は、一様に波乱万丈な人生を歩んでいます。

したがって作品に描かれている家族の物語は特別ではありません。

食うか食われるか、やるかやられるか、「明日は吾が身」の恐怖一色の文革にあって、いかにうまく立ち回り、いかに目立たないようにひっそりと生きるか・・・。

それが庶民の生きる術だったのでしょう。

それでも否応なく不幸の数々が家族を襲います。

不幸のどん底に落ちても何が何でも生き抜くこと。

生ある限り「生き抜く!活き抜く!」、それはもう理屈や綺麗ごとを超越しています。

したたかさ、狡猾さ、人間の醜さを内包した、中国人の強靭な生命力。

それは、易姓革命による王朝交代が著しい、中国の過酷な歴史に育まれた“サバイバル精神”なのかもしれません。

世界的に外敵の侵略に遭うことのなかった、ある意味で「育ちのいい日本人」には見られない精神性でしょう。


さて、あの「文化大革命」というできごとが、今日われわれに伝えていることは何か。

それは、固定化したイデオロギーを盲信して暴走すると、文化や価値ばかりでなく、人の理性やまごころといった人間性さえも容易く崩壊してしまうということではないでしょうか。

固有のイデオロギーの絶対視が、人間をかくも恐しい狂気に満ちた存在にし得るということを、文革を題材にした一連の作品を通して学びました。


しかし、この作品は文革のおぞましさを描いているものの、不思議と不快な印象を与えません。

作品全体にどこかユーモアが漂っているのと、何より、どんな理不尽な絶望的状況にあっても前を向いて生きる家族のあり方に、力と勇気を与えられるからです。

涙もろい私は何度も泣けてきてしまいました・・・。

子どもが絡むと胸が苦しくなります・・・

この作品を観るのは今度で3度目ですが、それでも感動しました。

また、中国旅行の後ということもあってか、数年前に観たときより、深く味わえたような気がします。

この作品を日本の映画に例えるなら、さしずめ中国版「ALWAYS 三丁目の夕日」と言ったところでしょうか。

一方は、夢と希望に満ち溢れた高度経済成長時代。

一方は、不毛な大躍進政策、そして恐怖の文化大革命。

同時代の日本と中国の家族の物語。

状況は対照的ですが、どちらも、人が生きるということの中に含まれる、美しさ、せつなさ、愛おしさが、作品全体を覆っています。

また、両作品とも庶民のひたむきな生き様を描いていますが、『活きる』の方が圧倒的にパワフルで強烈です。

激しい衝撃に打ちのめされます。

現代中国映画の傑作。

みなさんもどうぞご覧になってみてください。


・この作品に対する5段階評価

星5個じゃ足りないくらい・・・


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ダヴィンチコードを観ました。

2007年01月07日 | 映画
ダ・ヴィンチ・コード デラックス・コレクターズ・エディション ミニクリプテックス付き

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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かなり遅いとは思いますが、ようやく話題作『ダヴィンチコード』をDVDで観ました。

感想。

分かったような分からないような・・・。

特に人間関係とか、登場人物の背後にある物語とかが、映画だと断片的にしか触れられないためうまく伝わってきませんでした。

しかし、物語としては十分に楽しめたと思います。

一部の国や地域では上映禁止となった問題作ということ。

どこまで信憑性があるか分かりませんが、確かに大胆な解釈ですね・・・。

その解釈が彼ら自身の信仰に抵触するようであれば、否定感情が生じるのは当然でしょう。

これをそのまま真に受ける気はありませんし、あくまで物語として捉えますが、教養としての知的好奇心は大いに刺激されました。

しかし、これほど本作が話題になるのは、イエスが世界一の有名人だからではないでしょうか。

しかもイエスの生涯や言行は深い謎に包まれている。

とりあえず積読になっている原作を読んでみようと思います。


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B級だけどイケてるかも・・・『ヴァン・ヘルシング』

2006年09月20日 | 映画
ヴァン・ヘルシング

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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久々に自宅で映画を観ました。

題は『ヴァン・ヘルシング』。

ドラキュラとか、狼男、フランケン、いわゆるお馴染みのゴシックモンスターが勢揃い。

バチカンの密命を受けたモンスターハンター、ヴァン・ヘルシングが、ドラキュラ退治をしに、ルーマニアのトランシルバニア(お約束ですね)に乗り込んでいくという物語。

アマゾンでは酷評が目立ちますが、個人的にはとても楽しめました。

ストーリーは陳腐だし、話の展開にも無理がありますが、とにかくCGやアクションが痛快。

特にドラキュラの三人の花嫁が、美しい美女から空飛ぶ吸血鬼に変貌するシーンは迫力ものです。

どっちかっていうとギリシャ神話のハーピーのよう。

やっぱり女は魔物ですな・・・あ、いけな、差別発言・・・

あと、CGで変身する狼男がかっこいい。

どこか可愛さもある。

なんとなくうちのインちゃん(シェパード)に似ていました・・・

な~んにも考えずに、アクション映画を楽しみたいという向きにはいいんじゃないでしょうか。

今度は『X-MEN』を観てみようと思います。


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プロデューサーズ

2006年05月06日 | 映画
プロデューサーズ コレクターズ・エディション

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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ブロードウェイの芝居を映画化した「プロデューサーズ」を観に行ってきました。

基本的にミュージカル映画は好きです。

「シカゴ」も観ました。

「オペラ座の怪人」は観てませんけど。

古い作品ですがミュージカル物では「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」が好きでDVDも持っています。

あと、ヘップバーンの「マイ・フェアレディ」も最高ですね!ビデオ持っています。

さて、今回の「プロデューサーズ」ですが、かなり楽しめました

特にゲイの描写がとてもリアルでコミカルでした(あ、私はそっちの気はありませんので念のため

そして、ユマ・サーマン、さすがにたまらなくセクシーでした・・・

ミュージカル好き、コメディ好きな人は必見だと思います。

あと「オースティン・パワーズ」なんかのオゲレツ系が好きな人も必見(ちなみに私は好き)。

個人的には「シカゴ」より楽しめました♪

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