中国人に売る時代! | |
徐 向東 | |
日本経済新聞出版社 |
中国ビジネス関連では比較的有名な徐向東さんの本なんですが、あ-こういうのほしかったなぁと思っていた内容でした。
中国での販売やマ-ケティングに関しては、幾つかの本が出ていますけど単なるデ-タ集(そもそも中国の場合は統計数字そのものがかなりいい加減なので大づかみにしか使えない)とか、書籍の中では成功事例として取り上げられているけど、実態はどうなんでしょうねと思う企業が結構取り上げられています。
B2Bは事例が結構ありますが、B2Cになると本当に成功していると言える日本企業は一握りと言うのが実態じゃないかと思うんですね。一方で欧米系や中国系の企業で成功している企業の事例、特に何で上手く言っているかと言う点に関しては、ちゃんと分析しているものって非常に少ない(というか日本語の本では見た事ないです、知らないだけかもしれませんが)
この本見ていると
・中国の市場調査の実態と問題点
・人口統計とかの統計数字のマジック(そもそもの前提の数字の信頼性にも疑問が残るのですが)
・日本企業は中国販売と言う点では既に大幅に出遅れており、内陸部から入るのも大きな選択肢と言う考え
・面子とはギブアンドテイク(日本企業はテイクばかりしたがりますね)
・そして幾つかの成功事例に、通販のDHC、コンテンツのディズニ-等いくつ物外国企業や中国企業の事例が記載されています。
内容的に中国ビジネス初めての人は、いきなりこの本読んでも飛びすぎているように感じるのかな?とも思いますが、中国ビジネスの経験者や、経営企画や海外事業部門で中国戦略を考えている人には非常に参考になるのではないでしょうか。
夫々の成功例は参考になると思いますが、この本に書かれていない、もしくは書けないレベルでの実際の運営上の課題や解決策など踏み込んでいるとさらに面白いのですが、その辺は徐さんがコンサル会社を運営されているので、そのコンサル事業の中で色々と教えてもらえるのではないでしょうか。
中国でのB2C物販やサ-ビス業を考えている人にはかなりお勧めの入門書だと思います。