日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

中国の鉄道にて

2009-08-25 | 中国の社会・文化・歴史等
 週末に義烏にいってきたのですが、其処で思った事を。

・上海から義烏までの新幹線料金  100元位
・         一等席    120元位
・         一般車両一等席 72元(正確には帰り)
・         2等席     47元

子弾頭というのだったのか、新幹線の事をこっちではこう呼びます。日本の東北新幹線の「はやて」の図面を元に作った新幹線が有り、上海北京間を運行しています(他にもたくさん路線はあるようです)。僕らは同じ新幹線で、和階号というおんなじ名前(どうも中国の電車は和階(本当はゴンベンです)号という名前をつけるようで、チベットに行く青蔵鉄道の電気機関車も同じ名前です)ですが、異なった形の電車が杭州と上海の間で運航されており、こちらには3度ほど乗ったことがあります。

 実は今回もこの新幹線で行くつもりだったのですが、息子を連れて行こうとして時間に遅れて、乗り損ねてしまいました。こっちって、ぎりぎりにいっても乗れないようです。一旦待合室に入り、そこから誘導されるのですけど、発車時間直前に待合室に滑り込んだんですが断られちゃいました。

 しょうがないので、払い戻しと当日か翌日朝の電車を探しに行き、例のごとく列に並んで聞くと、1時間後の電車の2等席(硬座)のチケットが取れて、その電車で行きました。自分が乗り遅れたんですが、ペナルティは無いようで、100元以上が払い戻しされました。

 ちなみに時間はというと、上海から義烏って多分250k以上あるのですが、新幹線で2時間。在来線で3時間です。

 でも。。走行速度は実際にはあんまりかわらないです。だって、途中で行きは3駅、帰りは4駅止まったのですが、駅の停車時間が10分とか20分とか、結構トンでもない時間がかかるんです。何故だろう???

 中国人って順番守らないから、こんな感じになるのですかね?

 そして、乗車車両の全ての出入り口に駅員さんがいて切符をチェックするんですよね。駅に入る時にチェックし、待合室からホームに向かう所でもチェック、そして乗車する時にも。。あまりにも非効率な気がするんですが、それだけ悪さをする人がいるのかな。

 実は中国の鉄道って、30年近く前に北京からウルムチまで72時間乗ってから以降は、北京天津、上海蘇州、上海杭州の間しか載ったことがなく、主要都市を外れたのは実はほぼ30年振りでした。10年も前だと、正月に帰省する出稼ぎ中国人たちがぼろい列車の木の椅子を押し合いへし合い奪い合い、立錐の余地も無いっていうテレビの報道をもたことがあるんですが、状況はだいぶ改善されているようです。

 北京天津間と上海蘇州間は比較的快適な列車でしたし、今回も帰りの儀烏上海間に関しては、日本の旧型の特急程度の社内設備でした、そして、行きはなんと上海から雲南省昆明までの長距離列車の2等席だったのですが、一応席は向かい合わせの4席で、間は日本の旧型車両より広いくらいです。椅子も木ではなく一応まともに据わることができました。でも、2等になると流石に出稼ぎ者ばかりで、パキスタン辺りから来たと思われる外国人(同じく儀烏へ仕入れに行く人)を除いて服も汚く、妙に日焼けした人が多いですね、日焼けも目の辺りだけ白くて花から下が真っ黒とか変な感じの人もたくさんいました。

 途中から昆明まで帰省すると言う4歳のお嬢さんを連れた夫婦が正面に座り会話をかわしたのですが、36時間かかるそうです。それでも、昔は木の座席で72時間もかかった事を考えれば非常に便利になったと話していました。多分工場で働いている方で、年収で2万元(30万円)程度という事ですが、夫婦二人共に明るく、お子さんも元気でした。お嬢さんは息子の事が気に入ったみたいで、瓜子(ひまわりの種)とか、インスタントラーメンを息子にくれて、二人でキャッキャと何やらニコニコしていましたね。

 それにしても、旦那さんは妙に日本のことを知っていて、甘粛省で砂漠の緑化に従事している日本人がいるとか、書道の事がどうやらと、私の方が知らない事をどんどんいわれて驚きました。あ。。酒井のりこは、やはり話題に出ました。

 帰りは軟座(一等席)のせいか、湖南省の長沙から上海行きの列車だったのですが、日本の特急のように二人がけの席が全て前をを向いている形の座席配置です。中国は鉄道が広軌の為に車両自体が日本より大きいですから、二人座席に子供を乗せてもそれほど狭くは感じません。そして、一等席のせいでしょう乗客には上海人が多いようでしたし、外地から来る人も身なりは比較的まともな人ばかりです。まぁ、新幹線と大差は無いですね。

 まぁ
・新幹線といっても走行速度はせいぜい100数十キロに過ぎないのがまだ多い。
・やっぱり座席によって、乗客に相当な格差がある(日本じゃグリーンだろうが一般席だろうが、スーツ姿で身なりで区別は付かないですね)
・値段は安い。新幹線で名古屋まで行って1400円程度。安く上げれば700円。昆明まで400元位(6000円)ということでしたので、100kで300円程度ってことじゃないでしょうか?日本とのこれだけの価格差は何処から来るんですかね?
・切符は非効率。でも上海からは帰りも含めた往復切符が買えました(今回は)

 さて、日本ではやたら中国のネガティブ情報がメディアに流れていますし、それはそれで事実の面も多いのですけど、昆明のご夫婦に見られるように一般庶民は生活実感として以前より自分の生活がよくなっていることを感じているのだと思います。上海にいて妻やその周りの人たちが妙に自信を持っており、上海は世界一みたいな事を発言するたびに正直カチンと来るのですが、彼らも日に日に自分の生活がよくなっていることや、身の回りにお金持ちが生まれていることを実感しているんですよね。

 外地から来た出稼ぎ工員も、メディアではその悲惨な生活ばかりが報道されていますよね。私自身上海人のホワイトカラーばかりが周りにいますので、外地出身のワーカーは汚い、貧乏、可哀想、っていう印象を持っています。実際に身近に接しているのは宅急便屋の若い子たちだけで、ワーカーとはあまり接点は無いんですね。確かに搾取される側の人たちであり、私自身は搾取する側としてここで働いている(ほぼ全ての日本人が)のですが、今回の旅行で印象が若干変わりました。

 昆明出身のご夫婦もまだ20台でしょう。奥さんは嫁より若い感じでした。昆明からまたバスで移動した田舎出身のようで、自然は綺麗なんだけど経済は駄目なんだ。上海(正確には海寧という皮革製品で有名な都市)は自然環境が悪いのでの魚は食べる気がしない。今回の帰省は子供を育てるには海寧の環境は悪いし、幼稚園の学費も高いから奥さんと子供は田舎に返し、旦那さんは一人で直ぐにもどってくる。帰りも36時間かけてもどってくる。等等、もし暗く話されたら大変だなぁとか、苦労しているなぁと思わされる内容なんですけど、お子さんを含めて3人ともニコニコしながら明るく話されるので、頑張っているなぁこの人たちって関心させられると共に楽しいひと時を過ごせました。

 共産党政権って、問題は山ほど抱えています。でも、こういう人たちも結構いるんだとすると、なんだかんだいって簡単には崩れないんじゃないでしょうか。未来を明るく見せている。それがプロパガンダにしろなんにしろ、凄いなぁと思わされますし、現実の生活レベルは差が有りながらも改善している。こういう人たちの存在って、もしかしたら昭和30年代の日本の東北からの出稼ぎ者に共通しているんじゃないでしょうか。

 日本のほうがほぼ全ての分野で中国より進んでいますし、あらゆる点で(人心お含めて)豊かだと思います。でも、所得格差社会とか、派遣の悲劇みたいな報道ばかり見ていると、

 うーん。

 中国人のほうが精神的にも豊かな人が多くなっていたりして。。

 とか思わされました。まぁ、年間2万元稼ぐというこのご夫婦は、決して最底辺ではないのですけど。

 日本人、怠け者になりすぎていますよね、きっと。
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淘宝の上半期取引量は、中国小売の1.4%

2009-08-25 | 中国EC事情・淘宝
 中国人のコミュニティサイトから拾ったんですけど、今年上半期の淘宝の取引量が、中国の小売市場の総売り上げの1.4%担ったという事です。ちなみに、前年比97%増(まぁ倍ですね)で、11.8億ドル=1.2兆円。。中国の小売の総売上が年間で24兆円程度しかないという事になるのでしょうが。。

 なんでも、中国でも経済の不振から、淘宝のトランザクション辺りの売上は昨年よりも落ちているそうで、取引額は倍ですが、取引量は昨年比で184%増と3倍になっているそうです。また、売上に占める日用品の売上(じゃなくて、取引量化と思います)がトップになったようです。



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中国、売り上げでデジタル出版が図書出版を初めて上回る

2009-08-25 | 中国ビジネス関連
中国、売り上げでデジタル出版が図書出版を初めて上回る

  中国国家新聞出版総署は、デジタル出版業界の今年の売上は750億元を上回り、初めて従来の図書出版業界の売上を超えるとの最新報告を発表した。

  現在、電子ブック用端末の価格は1000~3000元以上するが、1万冊以上の本を保存できる。

  また、携帯電話で読める本は紙の本の4分の1から10分の1の価格で済む上、「中国知識資源バンク」から1ページ2~5角でダウンロードできることから、デジタル出版は価格面でその優位性を発揮している。

  同署の柳斌傑・署長は「中国では現在、出版社の売上は年間600億元である一方、デジタル出版物の売上はすでに年間750億元にのぼり、しかも50~80%の勢いで成長しているという。


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