日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

駐在減らしで問題続出

2009-08-26 | 日本・日系企業
 日本シンパで総スカン食った“中国人” 「駐在員減らし」で権限委譲に問題続出という記事が日経ビジネスに掲載されていました。

 昨年の金融危機以降急激に上海の日本人が帰国していきましたが、まぁ、予想通りの状況になっているようですね。

記事としては、
・日本人駐在員の帰任に伴い、上海人の本社採用の中国人を北京の営業部長にしたが、本人はやる気があったかもしれないが部下の反感を買うばかりだった。

・中国人社員は、日本人なら多少出来が悪くても仕方ないと諦めてくれるが、同じ中国人に対しては見方が厳しく、まして本社採用となると給与福利等の処遇が異なる為に反感を招きやすい。

・多くの企業が駐在員を帰任させたが、その後任はおかずに残った日本人に兼務させる事例が多い。エンジニアに人事や経理まで任せる事になるが機能しない。周りに話を聞く日本人もいないために何も解らない本社だよりになり、全てが後手後手に回ってしまい、特にこの夏の景気の回復に対する打ち手が全く打てていない。

・日本人責任者の目が届かないことをいいことに、従業員が家族に販売店を作らせ、そこを通じて自社の製品を販売する背任まがいの行為が頻発している。狙いはもちろん、裏でマージンを稼ぐことである。公私混同で中国人社員が私腹を肥やす行為は、特に目新しいわけではない。だが、問題は、それが増えているということだ。

そして記事の後段に:
日本企業が自ら招いた悪循環として

 本社の経営状況が厳しい中、中国の現地法人のコストダウンや経費削減も待ったなしだ。駐在員は続々と帰任する。しかし、その後のことは、どちらかといえば現地任せだ。

 多くの日本企業の中国事業は、これまで、日本人だけで取り仕切ってきた面が強い。現地責任者、営業部門の責任者、財務部長、人事・総務部長など、経営の要となるポストは歴代、日本人が占めてきた。

 そして、中国人従業員の枢要なポストへの登用と、それに備えた幹部候補生の訓練や教育は、おざなりにされてきたきらいがある。

 また、権限が日本人駐在員に集中した結果、指示待ち型の中国人従業員が圧倒的に多くなってしまった。こうなると、いざ権限を委譲しようとしても、リーダーシップを発揮できる人材がいない。

 現地の従業員を幹部に登用したくともできないのは、日本企業が自らが招いた悪循環だ。

「王様気取り」になる日本人駐在員

 さらに悪いのが、権限が集中したことにより、一部の不心得な日本人駐在員が「諸侯意識」を持ってしまうことだ。言い換えれば「王様気取り」である。

 この気持ちが、海外で働いていることや、現地従業員の気持ちを尊重することを忘れさせてしまう。こうした駐在員は、現地従業員に権限を移譲するなど、微塵も考えなくなるだろう。

 中国人は「権限」を既得権益と認識することが多い。だから、よほど信頼できる従業員でない限り、安易な権限移譲は禁物である。

 しかし、見方を変えれば、多くの日系企業で権限移譲がうまくいっていないのは、日本人駐在員と現地従業員との信頼関係が、不十分あるいは“不等号”になっていることが背景にあるのではないだろうか。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090819/202800/

 さて、多くの日系企業の皆様はどうお考えでしょうか?

 日本企業が招いた悪循環、というのは、そうしたくてこうなったのかどうかは別にして、まぁ否定はできないですね。特に生産型企業が多い為に、業務上クリエイティビティを要求されるよりも、本社指定納期、品質、コスト管理をちゃんとできれば満点に近かったのではないでしょうか。この辺は日経企業にとどまらず、中国人サラリーマンの多くが似たような水準だと思います。元々カルチャー的にも自分の所属する組織を重視するわけではないですし、リーダーに依存する性質が強いように思います(一般論として)。また、教育は幼稚園から詰め込み記憶重視の教育ですし。だいたい、クリエイティビティにとむ人間はとっくに独立しちゃいますよ、これだけチャンスの大きい急成長経済のさなかにいるんですから。だから、独立できない人材で回す仕組が必要なんですよね。

 駐在員が王様気取りというのは、単純に是が悪いとはいえないというのが実感です。中国民間企業ではそこそこの規模でも社長がボスであり絶対です。そして、上の中国人気質を考えた場合、有る程度強いリーダーシップを取る現地法人社長のほうが経営的にはうまく行っていると個人的にも周りを見て感じています。まぁ、暴走しちゃうといけないですけど。(自戒も込めて)。。

 権限委譲は、できている会社のほうが少ないと思いますよ。欧米系だろうと、中国系だろうと。何処までを委譲し、どこまでを秘かに管理するかなんですよね。そしてその秘かに管理する分野が財務の要素が大きい為、日系企業でも中国人を総経理にすると、知らないうちに身内が財務責任者になってしまった例が結構あります。だからといって、是が本当に悪い事かは一概に言えないですね。本社から見て不正を行っているかどうか、それが許容範囲かどうかをジャッジする機能があればよいのです。

 日本人社員と中国人社員の信頼関係ができていないから経営がうまく行かないというのは全くのナンセンスで、事務屋の発言だな。。違う人種、文化の国で事業を行うのですから、信頼できるわけが無いんです。その前提で、お互い信頼しきる事はできないが、システムとして牽制と権限委譲を組み合わせて行くんじゃないですかね。実行は難しいですけど。欧米は植民地経営の経験が長いのでその辺が日本より、ノウハウ持っているんですよね。アジアは特にお互いに「信頼」とか「信用」という言葉を表面的には非常に重視しますし。でも、これは表面だけなんですよね。
コメント (6)
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中国で人気の日本のスター

2009-08-26 | 日本・日系企業
中国の日本好き、という題名でChina Dailyに記事が載っていました。
China's J-lovers

 酒井法子が旦那さんが違法なドラッグを保有した直後に、10歳の息子と家出して日本中が大騒ぎした。こういう話は日本の報道のトップには珍しい事ではないけれど、多くの中国人が関心を寄せてネットの上で話題になっている。

 酒井典子は、中国でも1990年代始めに放送された同一屋檐下(一つ屋根の下)と天国の二つの金貨二出演しており、彼女のスマイルというアルバムも販売された。また、パナソニックの中国市場向けのコマーシャルにも出演しており、中国で人気を博した。

China's J-lovers

 彼女の無邪気な笑顔と、変な中国語は、世代を問わず中国のテレビ視聴者に好まれた。

 酒井だけではなく、多くの日本のスターが中国で流行った。しかし、中国のエンターテイメントの輸入は行き当たりばったり立ったので、この日本からの流行は、かならずしも日本では認知されていたわけではない。


  日本のスターが中国で人気が出るようになったのは、中日関係が珍しく良かった1980年代の初期に、広東テレビが山口百恵の赤い疑惑を放送した事に始まる。

 山口は、中国で大人気になり、ドラマの主題階使われた彼女の歌は何時も流されていたし、香港のアニタムイを始め沢山の中国人歌手がカバーした。
 1980年代に中国のテレビ浸透率は伸びたけれど、チャンネルは3つしかなく、人気の有るショーはそれこそ国民の半数が見るもので、J-Popはそんなに放送はされてはいないけれど、人気はあった。 

 数年前に上海で日本からの歌手を呼んでノスタルジックなコンサートが行われた。今の若い中国人達はなんでそこまで人気があったのかはわからないようだけど、コンサートの中の谷村新司の昴は昨年のヒットした映画の中でハミングされていた。

 今中国の若い世代は、中国、台湾香港のトップ30のスターがこの歌をカバーしている事や、80年代に育った事がこの歌を好きなことも知らない。

 90年代は、日本からのドラマやラブストーリーが流された。でも、より多くの人がカセットやディスクでJ-popに触れた。日本好きといわれる20台から30台の人たちには、山口百恵を愛した人たちではない。彼らが見たのは、2001年に放送された木村拓哉と常盘贵子が主演したビューティフルライフだ。ドラマも良かったし、スターも世代が代わった。日本のドラマを好む人たちは、その長さが短い事もある。

 日本のポップカルチャーが中国で流行ったのは1990年代がピークだった。その後韓国ポップスに追い抜かれ、今ではネットがあるので選択肢も余りにも多いので、一つの国からのドラマが国民全部熱狂させる事は無くなった。

 唯、J-Popファンが減ったわけではなく、これは選択肢が増えただけに過ぎない。日本語ができない子でも日本の歴史ドラマのファンはいるんだという事です。もしもっとドラマが輸入されていれば、海賊版のDVDを購入したり、ネットから違法にダウンロードする事も無いだろうとのこと。

 酒井典子に関しては、精華大学にクラス95というものがあり、其処でも人気があるようです。その中ではどうやって酒井の利己を助けようかとの議論までされているとの事。

 日本のファンだけではなく、中国でも酒井の利己の逮捕はファンに困惑をもたらし、悲しませているそうです。

http://www.chinadaily.com.cn/opinion/2009-08/11/content_8599445.htm

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