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シマンチュ急いでどこへ行く

2007-03-20 00:53:13 | 奄美-あれこれ
奄美の国道計画「おがみ山ルート」

2年前、我が家が奄美に引越して来た時から、既にだいぶ前からある様子だった「おがみ山ルート反対!」の看板。おがみ山のトンネル工事に反対、自然を破壊...どうやらトンネル計画があることはわかったが、今まであまり詳細を知らなかった。(自分から調べようともしなかったし。)

一昨日(3月18日)の朝日新聞の鹿児島版に、このおがみ山ルートの詳細が書かれていた。

asahi.com

これ見てびっくり。
「おがみ山ルート反対!」とか「トンネルはいらない!」とかいうことから、おがみ山にトンネルができそうなことはわかっていたが、そういうものを作るからには、それなりトンネルによってショートカットできるのかと思っていた。こう、一気に小宿辺りに抜けるとか...。

ところが記事の中の地図を見て驚いた。今ある国道のすぐ脇に、平行して道を通すだけ。

asahi.comのサイトには、地図が載っていないので、おおよそのルートを示すと、次のような感じ。
(実際のルートの正確な地図ではないので、ご注意。朝日新聞の記事を参考にして、地図に私が書き込んだものなので、今ある道との重なり具合や正確な距離などは考慮していません。)

Map黄色は現在ある国道58号線で、私が書き入れた赤いところが、「おがみ山ルート」のだいたいの感じ。全長約1.7km。記事によれば、事業費150億円。

トンネルが通るというおがみ山は、本当に素晴らしい自然いっぱいの山。
加えて、奄美小学校裏の配田が丘。
学校の庭がこの丘みたいなもので、小学生が天気の良い日には昼休みに大勢登っている。これが、とっても楽しそうなのだ。

1.7kmでもそれによってものすごく有意義ならば良いのだが、地図を見ればわかる通り、国道のすぐ西側の平行した道。しかもその国道の東側には既にもう平行した道があるのに。

朝日新聞紙面の記事(←asahi.comには載っていない)では、国道の東側の道が1本のように書かれているが、地図を拡大して見ていただけばわかるとおり、新川には図書館分館辺りまで両側に狭いながらも道がある。つまり、現時点で、ほぼ3つの平行した道路があるわけだ。もちろんビュンビュン飛ばせはしないけれど、時速20kmくらいでトコトコ走っても数分で終わるくらいの距離だもの!

この国道58号の渋滞緩和という名目での「おがみ山ルート」なのだが、記事にもあるし、私が普段実際に通っても思うが、渋滞するのは朝夕のほんの短い時間だけ。
それも、所詮そんな短い距離だから、渋滞ったって、永田橋から名瀬中学校まで10分くらいじゃないかしらん。

島に来たとき、「島にも渋滞があって、朝夕大変なんですよ~。」とはよく聞いた。
確かに、そりゃ混むけれども、10分~15分くらいで抜けられる。島の人はそんなにみんながみんな気が短いのだろうか?
(でも朝日の記事には7割は反対とあるので、やっぱり短気な人はそんなにいないはず!)

人口(利用者)の少ないところにトンネルや道路を作るのは無駄だ、とは思わない。

奄美に限らず、地方に住む人が、トンネルひとつあればくねくねと山を越えずに病院に行ったり、飛躍的に生活の質が向上することがあるだろう。

だけどこの道はなぁ...

150億円がもったいないだけでなく、鳥や動物を追いやって、市民の憩いのおがみ山を削り、小学生が生き生きと登る配田丘も削ることを考えた時の損失は、いったいどれほどになってしまうのだろう。