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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

益出し売りに金は反落、買い一巡感

2023年10月24日 20時19分41秒 | 金市場

週明け23日のNY金価格は5営業日ぶりの反落となった。前週末に一時2000ドル超と7月末以来約2カ月半ぶりの高値を付けたていたこともあり、利益確定売りが出やすい状況といえる。前日比6.60ドル安の1987.80ドルで終了。

手掛かり材料としたガザ地区への地上軍の侵攻は、パレスチナ民間人犠牲者急増が予見されることから、国際的に反対意見が高まっており、イスラエルの自衛権に支持を表明した米国はじめ欧米主要国ではあるものの、人道的見地から無視はできない。米CNNはバイデン政権がイスラエルに対し侵攻を先延ばしするよう求めたと報じた。欧州連合(EU)の外相にあたるボレル外交安全保障上級代表も23日の記者会見で、軍事衝突の人道的停戦を要請する案を協議すると明かしたと報じられた。各国・地域の外交努力により短期的には事態の悪化が避けられるとの見方につながった。

こうした見方から、NY時間外の23日アジア時間には前週の上昇に対する反動安も重なり、NY金は一時1971.00ドルまで売られ、これが1日を通しての安値となった。ただし、先行きに対する不透明感は強く押し目買いもあり、ロンドンの時間帯に向けて水準を切り上げながら相場は進行した。NYの早朝に当たるロンドン時間には一時1994.30ドルを付け、これがこの日の高値に。NY時間に入って以降は、おおむね1985~1990ドルの狭いレンジでの取引に移行し、そのまま終了した。

 

NY午前の時間帯には、米経済の堅調さや高インフレの持続見通しから米連邦準備理事会(FRB)の高金利策が長期化するとの見方に加え、米国債発行増による需給悪化懸念を手掛かりにした売りに、10年債利回りは5.022%まで上昇。押し目買いからすぐに利回りは低下したものの、直近の16年ぶりの水準を一時更新した。ビル・アックマンやビル・グロースという著名投資家の発言や投資行動が伝えられ一部に追随買いが見られたものの、いわゆるポジショントークの類と受け止められた。

 

昨日ここに、先週の2000ドル超は、「民間犠牲者増が予見されることから危惧されているガザ地区へのイスラエル軍による地上攻勢をも、織り込みにかかった結果と言えそうだ。この点で目先の買いに一巡感が漂う時間帯に入っている印象が強いといえる」と書いたが、想定外が起きれば別だが、目先は上昇一巡で仕切り直しという印象。

しかし、リスクは中東情勢以外にも存在する。

本日は、主要国で10月のPMI(購買担当者景況指数)速報値が発表される。世界的に製造業指数が低迷する中でサービス業指数は拡大を維持してきたが、ポイントはそのサービス業がどうなるかにある。

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