亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金市場をみる上でも目が離せない

2017年01月31日 17時28分48秒 | 金市場
昨日は「市場も落ち着いてはいられまい」としたが、さすがにこれだけ騒ぎが大きくなると、引かざるを得ないというのが30日のNY株の下げ。一度は副大統領候補にもなった上院外交委員会のボブ・コーカー委員長まで「直ちに大統領令の修正を行うべき」と反対の意を表明している。

ただし、むしろ懸念されるのは、こうした指摘や非難に対し、当のトランプ大統領が、メディアの間違った(「嘘の」)報道が混乱を大きくしているという趣旨の発言をするなど、自らの判断に自信を示し国際世論や市場の判断とのカイ離が生まれていることだろう。結局、好調な足元の米国指標や企業決算という好材料を、政策不透明感が打ち消すような形になっている。

こうした背後には、新設の首席戦略官・上級顧問なるポストに据えたスティーブ・バノンの存在があるとローターが報じていた。共和党の全国委員長だったいわば政治のプロでもあるプリーバス首席大統領補佐官の意見など軽視しているか、聞いていない可能性もありそうだ。そもそも、政権内でバノン首席戦略官とプリーバス首席補佐官が同列ということを知った時、この2人の並列は難しく、そのうち内紛のようなものが起こるのではと思ったのだが、果たしてこの先どうなるか。

不透明感というと、今年は欧州での選挙、とりわけ4月に第一回投票が行われるフランス大統領選がある。反EUを唱える極右国民戦線のルペン党首の支持率の高さが、波乱を予見させることから市場の警戒感が強いのは広く知られているところだ。ここにきて有力候補のフィヨン元首相(サルコジ時代の首相)に金銭がらみの疑惑が浮上しており、不透明感がさらに高まっている。選挙にありがちな陰謀説まで出ている。ルペン当選は、いうまでもなく市場には想定外ということになる。善戦するだけでも、材料になりそうだ。いずれの結果も、他に影響を及ぼす。

その前には3月のオランダの選挙がある。こちらも日程がFOMCに被るので、材料的には複合要因となる。

いずれも金市場をみる上でも目が離せない。


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