さてFOMCの声明文の発表は日本時間明朝3時、イエレン議長の記者会見は、同3時30分から始まる予定となっている。先週末から売りが先行する金市場の方は、日本時間の16日午後9時までの40時間にわたり1230ドル±5ドルという硬直状態。FOMC前には様子見ということはあるが、ここまで狭い範囲のレンジ相場というのも珍しい。静かだ。このあたりも強いていえば相場付きがこの3年間とは違う。
そのFOMCは、政策金利の据え置き(利上げ見送り)はほぼ確実視されている。ことここに至っては引き上げられることがテール・リスクといえる。最大の注目点は政策金利の見通しで、12月時点より2016、2017、2018年分ともに引き下がりそうだが、それでも市場予想よりは高めに出るとみられており、どの程度のかい離になるか。こうした見通し自体が織り込まれていることもあるので、微妙だ。何度も書くが、FOMC委員間では利上げ決定要因として「インフレ率」をどうとらえるかという点で見解に開きがあるので、この辺りについてイエレン議長の記者会見での発言内容にも要注目。
そういえば昨日発表された2月の米小売売上高だが、一緒に発表された1月の結果の大幅下方修正が目立った。その引き下げられた数値に対しても、伸びが見られなかった(自動車、ガソリンなどを除くコア指数)ことから、1-3月期のGDP成長率を下方修正するところが出始めている。
話は変わって、フロリダを地盤とし背水の陣で臨んでいたマルコ・ルビオが敗退、トランプの勝利。マルコ・ルビオは指名争いから撤退を表明した。強いものにつくというモメンタムで、トランプ旋風がますます勢いを増してきた。同時にアンチ・トランプの声も高まっているものの、モメンタムはプロ・トランプ。まだ金融市場や金市場の材料とはなっていないものの、これからノイズ・レベルが上がりそうだ。