先週のFOMCを受け市場は利上げサイクルの終了とともに来年の利下げを織り込んだ。
「一段の利上げが適切になる可能性は低いと考える一方で、その可能性を排除したくない」としたパウエル議長の発言内容からは、やや市場の先走りを感じさせるものの、米金利先物市場では24年3月にFRBは0.25%の利下げを行うこと6割方織り込んでいる。そして年末までにさらに1.25%の利下げを織り込んだ。もちろん見通しゆえに、今後の経済指標の結果によっては、揺れ動くことになる。
いわゆるFed Watch(フェドウォッチ)が示す見通しは、移ろいやすい。遠い予想は、その場の参考程度に受け取るのがよろしいかと。。
こうした市場の動きに対し、先週末には早速けん制発言が飛び出している。
15日の午前に米CNBCテレビのインタビ ューに応じたNY連銀のウィリアムズ総裁が、FOMCでは「われわれは実際に利下げについて話し合っていない(おいおい、先週のパウエル発言は何だっんだ・・という感じ)」とし、「われわれの関心事はインフレ率を2%に下げるために金融政策が十分に景気抑制的かどうかであり、3月にも利下げを考えること自体早過ぎる」とした。
またアトランタ連銀のボスティック総裁はロイター通信とのインタビューで、来年2回の利下げを予想したが、始まるのは第3四半期になるとの見方を示している。つまり3月はあり得んと。
当面はこれまで同様に、発表される経済指標で利下げのタイミングをその都度判断ということになるが、大事なのはトレンドであって、時にノイズと表現されるデータの上振れ下振れには惑わされない方がいいだろう。
このところ書いているように、しばらくNY金は戻り売り圧力にさらされることになる