さて昨日は更新が12時を越える見通しとなり見送った関係で、1日、間が空くことになり本日は21日の更新ということに。
まず金価格の方はさすがに米長期金利が3%に接近するところまで来たことで売られることになった。20日はまさに、長期金利の上昇と下落にドル指数(DXY)の動きも重なったことから、そのままNY金の値動きをも左右することになった。このところFRBが5月以降、利上げ幅を通常の2倍の50bp(0.5%)に引き上げ、それを複数月続ける意向を示し、さらにQT(量的引き締め)にも同時進行で手を付けることがほぼ確定したことで、ここまで国債利回りが上昇を続けたのは御存じのとおり。これに対し金市場は、18日に付けた5週間ぶりの高値(2003ドル)からの調整という展開にある。
昨日は、NY時間外のアジアの午後の時間帯に、NY金は一時1941.00ドルの安値を見ることになった。ちょうどその時間に米長期債の上昇が加速し、一時2.978%と心理的な節目の3%に急接近した際のものだった。その後は、利回り上昇の加速が示す価格の下落に対し、押し目買いが見られ利回りは低下した。3%に近い水準は、現時点で年金など長期投資家にとって魅力的な水準ということだろう。結局、10年債は2.961%で終了した。FRBの政策動向に敏感な2年債利回りは一時2.636%と、2018年12月以来の水準に上昇。2.585%で終了した。
米債金利の上昇が一服したことで、ドル指数も低下し、20日は通常取引終了後の時間外でNY金は買い戻されることになった。最終的にNY金の時間外取引はプラス圏に浮上し、1960.90ドルの高値を付け、切り上げた水準を維持し1960.10ドルで終了。21日のアジア時間の取引に引き継がれた。
この日は、金ETFの最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールドシェア」の残高は6.38トンも増加した。この日の値動きからは、押し目買いが入ったということになりそうだ。
20日は米債利回りの上下動に合わせるようにドルの水準も変化した。このところ注目のドル円相場は、一時1ドル=129.43円と2002年4月以来の円安水準を付けていたものの、ここまでの上昇ピッチの速さに対する警戒感が台頭、終盤は128円割れの水準まで(ドルは)上げ幅を削ることになった。NY市場の関係者の間では、135円超が日本サイドにとって許容できないラインとの見方がある。
5月3、4日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にして、この日FRBは地区連銀経済報告(ベージュブック)を発表した。その中で、米国経済は2月中旬以降「「緩やかに拡大した」と分析。ただし、インフレが加速し強い賃金上昇が続き、そこにロシアによるウクライナ侵攻が加わり、「景気見通しは悪化した」としている。アトランタ連銀が地区内の企業の多くが「インフレが賃金上昇圧力となっている」と報告するなど、賃金スパイラルの兆候も見られている。今回の報告書は、4月11日までの情報に基づきまとめられたもので、5月3、4日のFOMCの検討資料となるもの。
ナスダックはネットフリックス・ミニ・ショックという様相